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よくばりな人、貧乏な人。

日本人は、及第点を決めない。

「給料が少ない!」と将来に不安を抱く人に、どれほど給料があったら
安心できるのか質問すると、
「決めてない。出来るだけ多く。多ければ多いほどいい!」と答える。

及第点を決めていないから達成感もないし、幸せを感じづらいのでは?
と感じる。

5年前、海外ボランティアで途上国に飛び回っていたころ、
貧しくて子どもに満足に食べさせてあげられず、
学校への交通費も今後払えないかもしれないという
将来の不安を抱える女性に、ある日本人がこんな質問をしていた。

「日本では食べ物も溢れていて、多くが捨てられている。
それについてあなたはどう思いますか。」

なんという質問をするんだ!と感じたが、
「その質問の答え、私も知りたい。」とも思った。

「それは仕方のないことです。それが私の運命ですから。」
との答え。

世界的に見て、自分が貧しい方の人種にいるということを
理解しての言葉だった。

「自分は恵まれているんだ、こんなに貧しい人も世の中には
いるんだから。」と
思っただけではこの経験がもったいない。

自分変えられることはないのか、日本に生まれて何不自由なく生きてきた
自分が彼女のためになにかしたいと考えてよいのか、など
複雑な気持ちで帰国したことを今でも覚えている。

帰国すると、お金を出せば食べ物が買える環境で、
便利な世の中で、十分豊かな生活が待っていた。

だからか、「もっとこうなったらいいのに。」や、
「もっと便利になってほしい。」など
現状に不満ある人ばかりが目についた。

既に満たされているのに、もう十分便利なのに、満たされない。
その貪欲さこそ、貧しさなのではないか。

今あることが難しいって、今できていることをありがたいと
現状に感謝出来た人こそ豊かなのである。

それに気づかせてもらったインド旅行。

そして、その頃からかも。
日本人のことが好きじゃなくなったの。

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