かつてのヨーロッパで栄えたケルト民族
1 時はさかのぼること紀元前335年ーー
ある夏の午後、アレクサンダー大王はスキタイ族との争いを終え、
ドナウ川のほとりで休んでいた。
そのとき見知らぬ人たちが彼のキャンプに近づいてきた。
大王はこれまでこんなにも背が高く、どう猛な顔立ちをしながら、
大きな黄金の首飾りや色とりどりのマントを身にまとう兵士たちを見たことがなかった。
驚いた大王は彼らを宴に招待した。
ーー宴のとき。
彼らは誇らしげに「俺たちはアルプスから来たケルト人なんだ」と言った。
アレクサンダー大王は