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男は図書館で肴を探す

図書館は誰のための場所?

図書館にはどんな人がいるだろうか?
絵本を借りる子供と女性雑誌を借りるお母さん。
新聞を1週間分まとめて読む老人。
カラフルなペンでノートをまとめる学生。
何やら難しそうな過去問を解いている社会人。
図書館に行けばこのような人達をよく見かけるだろう。
では次に図書館にはどんな人がいないだろうか?
車の整備で油にまみれたつなぎを着たまま、本を探すおじさん。
仲間と一緒にお気に入りの本を見せ合ってはしゃぐ、ニッカポッカを着た金髪の若者。
たくさん本を入れるためにブランド物のバッグを持ってくるギャル。
私は図書館でこのような人達をほとんど見た事が無い。
だが私はあえて声を大にして言いたい。
このような人達にこそ図書館に来て欲しいと。
何故ならこのような人はだいたいお酒が好きなのだ。
お酒と図書館の相性は抜群にいい。
私は世界中の酒飲みにそれを伝えたくて、このエッセイを書いている。
なにも図書館内でお酒を飲めと言っているわけでは無い。
むしろ公共の場である図書館ではそれはマナー違反だ。
そこで今1度図書館の事を思い出して欲しい。
図書館には本を家に持って帰れるというサービスがあるではないか。
これは図書館からの家に帰ってから晩酌をする時、本を肴にしなさいというメッセージなのだ。
しかも図書館はどれだけ本を借りても無料だ。
税金を払ってる以上これを使わない手は無い。
さぁ、酒飲みのみんな図書館に行こう。

図書館(読書)を楽しむルール

私は昔から図書館が大好きだった。
ゲームもオモチャも持ってない私にとって、本は最高の娯楽だった。
この考えは今も変わっていない。
読書は所詮娯楽なのだ。
本から何も知識得ないでもいいし、動画をとばすように好きなとこだけ読んで辞めればいい。
この考えを持たないと読書は楽しめない。
スマホで音楽を聞いたり、テレビで映画を見たりする事と何ら変わらない。
最初のページから最後のページまで椅子に座って、コーヒーを飲みながら読む。
この本が何を伝えたいのか作者と対話するように読む。
どんなに忙しく、疲れていても1日5ページは読む。
そんな事はお酒よりコーヒーが好きな連中に任せておけばいい。
お酒を飲みおつまみを食べる時は、ページをめくる手を止める。
1人晩酌の時、本の作者と居酒屋で会話をするように読む。
読んでる途中に面白いテレビが始まったら読むのを辞める。
それが正しい酒飲みの読書の仕方だ。

酒飲みの図書館利用法(初級者編)

初級者はまずは何より図書館を楽しむこと。
そこを大事に考えて欲しい。
図書館には雑誌や漫画、CD、DVDまである。
手塚治虫作品の漫画はどこの図書館にも確実にあると言ってもいいくらいだ。
ちなみに私は、ワンピースやナルト等の少年ジャンプの名作は図書館で全て読んだ。
CDもJ-POPやレゲエ、80年代ロックからクラシックまで幅広いものがある。
余談だが私は、HYのアルバムを全て図書館から借りて聞いた。
DVDも子供向けアニメからアクション映画、こんなものを置いて良いのかと思うようなB級ホラー映画もある。
残念ながら私は、映画があまり好きではない。
初級者は好きなDVD、好きな漫画、好きなCD、そして雑誌を借りる。
自宅に帰りながら、おつまみとお酒を買い込むのを忘れないように。
あとは家に着いてすぐパーティを始めてもいいし、家事や仕事を終わらせてゆっくり始めてもいい。
音楽を聴きながら漫画を読む。
DVDを見ながらつまらない所で雑誌に目を通す。
お酒を飲みながらひたすら音楽を鑑賞する。
あとは全てあなたの自由だ。
嬉しい事にここまで贅沢をしても、払うお金はおつまみ代と酒代のみだ。

酒飲みの図書館利用法(中級者編)

初級者編を実践していたら、図書館がテーマパークに思えてくると思う。
1ヶ月に1度以上図書館に通うようになったら、もうあなたは中級者と言える。
中級者のあなたには1つランクアップして、本だけを肴に酒を飲んでもらいたい。
難しい本を選ぶ必要は無い。
私のおすすめは趣味+料理本だ。
本は自分の生活にリンクさせてこそ面白くなる。
いつものように図書館に行ったら、料理本コーナーに足を運んで欲しい。
そこには弁当、定食等の定番本だけでなくマニアックな料理本がたくさんあるはずだ。
肉料理だけの本、魚料理だけの本、世界の料理、そしておつまみの本だ。
その中から気に入ったおつまみの本を2つ選ぼう。
1つは美味しそうなおつまみを眺めるのに使うため。
あと1つは自分の料理スキルで作れそうなおつまみが載った本を借りる。
もちろん料理はその日に作らなくても構わない。
いつか作ろうぐらいの気持ちでいい。
その2冊を持ったまま、次は趣味の本のコーナーに行こう。
図書館には家庭菜園、バイク、スポーツ、熱帯魚等の本も充実している。
参考までにだが私は、格闘技と筋トレが趣味なのでそのような本を借りている。
趣味の本を適当に何冊か取ったら、そのままカウンターに行ってフィニッシュだ。
もちろん何冊借りてもお金は払わなくていい。
あとは帰りながらおつまみを買っても良いし、自分でおつまみを作るための材料を買っても良い。
もちろんお酒は忘れずに。

酒飲みの図書館利用法(上級者編)

ここまで来たら、あなたは上級者だ。
暇を見つけたら少しの時間でも図書館に足を運んでいる事だろう。
きっと財布の中にも常に図書館カードが入っているに違いない。
そんなあなたに最後に進めるのは、本を読み込みながらお酒を飲む事だ。
図書館を楽しむルールでやらなくていいと言った、本の作者が何を伝えたいのか対話をするように読むという事だ。
前なら難しかったかも知らないが、今のあなたにはできる。
あなたの読書力は好きな雑誌、料理(おつまみ)本、趣味の本を読む事で鍛えられている。
まだ不安な人は図書館で料理本コーナーに行って欲しい。
きっとそこにはお酒の本があるはずだ。
ビール、ワイン、日本酒等の歴史や文化を書いた本があるので1番好きなお酒の本を1冊取って欲しい。
お酒の事を書いた作者の本がお酒好きなあなたのセンスに合わないはずがない。
あとはこれだけを借りて家に帰るだけだ。
家に着いたらお酒を飲みながら、お酒の本を読むのだ。
読んでいる内に、あなたは自分の読書力が上がっている事に気づくだろう。

酒飲みの図書館利用法(応用編)

おめでとう!
あなたは本を自由に使える力を手にした。
あとは図書館を自由に楽しむだけだ。
例えば仕事で悩んだら図書館に寄って、仕事の本を探してもいい。
私も設備関係の仕事をしているので、分からない事があると作業着のまま図書館に行って設備の構造やトラブルの解決方法を調べたりしている。
または、漫画と一緒に作者の本を借りて、何故このような漫画を作れたのか考察するのもいい。
本が原作の漫画なら、読み比べてみるのもおすすめだ。
家で1人肝試しができる変わった読書も存在する。
怖い本を借りてきて、真っ暗な部屋でランタンを点けて1人で読むのだ。
そんな行為をすれば、この世の者では無い何かが集まって来るに違いない。
もしその時何か起こっても自己責任で楽しんで頂きたい。
ここまで来たあなたにもう言う事は何も無い。
自分だけの図書館ライフを楽しんで欲しい。
1つだけアドバイスするなら、誤って図書館の本にお酒をこぼさないように。
私にも経験があるのだが、その場合は新しい本を買って図書館に返さなければならない。
汚した本はもらえるので損はしないのだが、図書館に関する人達に迷惑がかかってしまう。

酒飲みの図書館利用法(家族編)

私には家族がいるのだが、家庭円満にも図書館は役立ってくれる。
子供を連れて行けば、勝手に子供本コーナーに行って大人しくしてくれる。
その側で自分が好きな本を読んでいれば、自分も子供も楽しむ事ができる。
図書館には幼児コーナーがあるので、まだ小さな赤ちゃんでもそこで紙芝居でも探して読んであげればいい。
お酒の飲み過ぎで2日酔いの時は子供に図書館に行こうと言えば万事解決だ。
2日酔いで公園に行くと、熱中症になってしまうかもしれない。
図書館ではクーラーが完備なのでそんな心配も無く、ゆっくり過ごせる。
ついでに図書館で2日酔いをしない方法を探そう。
図書館は夫婦の仲も深めてくれる。
仕事帰りにちょっと図書館に行き、女性雑誌と料理本を借りてくる。
家に帰って女性雑誌を渡したらきっと妻は喜ぶはずだ。
手応えがない場合は借りてきた料理本を頼りに妻にご飯を作ってあげよう。
お酒のおつまみにもなるし一石二鳥だ。
もしかしたら、上機嫌になった妻がお酒を1本追加してくれるかもしれない。
タダで借りれる図書館の本からお酒を生み出す錬金術だ。

男は図書館で肴を探す

最後にお金と税金の話をさせて頂きたい。
きっと日本人ならみんな税金を払っている。
そして図書館はみんなの税金で運営されている。
みんな損をするのは嫌なはずなのに、何故か図書館を利用しようとしない。
私にはそれが不思議でたまらないのだ。
せっかく税金を払っているなら堂々と図書館を利用した方がいい。
ここまで読んでくれたあなたなら分かると思うが、図書館はテーマパークだ。
娯楽に満ち溢れているし、問題解決にも使える。
暑すぎる時にクーラーが効いた館内で涼しむ事だってできる。
図書館には自分が欲しい本が無かった場合、買ってもらえるシステムだってある。
せっかく税金を払っているのだから、1年に1冊ぐらい税金で買ってもらった方がいい。
漫画だってリクエストしたり、他の図書館から取り寄せる事もできる。
長い連載漫画を集めたらお金がバカにならない。
それなら図書館で借りて、そのお金をお酒とつまみに回した方がいいじゃないか。
図書館を利用して余ったお金や得した分の税金は貯金などはしない。
もちろんお酒とおつまみの為に使う。
図書館を利用していけば自然とお金がたまり、そのお金でお酒とおつまみが買える好循環が生まれる。
こんなタダで利用できる素晴らしい施設は他に無い。
さぁみんな図書館に酒の肴を探しに行こう。





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