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14.まだまだ序の口だった

夫の入院や手術は、大変なことではありましたが、この先続く心配を思ったら、まだまだ序の口でした。とりあえず急に降って湧いたように起きたイベントに非日常として対応することに精一杯でしたが、これが日常になっていくのだという現実を思い知ったのは退院3日目のことでした。

退院3日目の日記より
朝、届いた患者会の会報を読んだら、その場にしゃがみこみたいほどのダメージを受けてしまいました。

夫と同じ病院で同じ術式の手術を受けた小学生のお子さんが数ヶ月で、また元に戻ってしまい、再手術が必要になったという体験談を始め、色々な厳しい現実…。

やっと辿り着いたはずの一安心がぺしゃんこになってしまいました。
夫もまだゴールではない可能性が示されてしまい、まだまだ先の長い息子には、どんな経過が待っているのかと想像してしまい、身体の芯から不安になりました。

特に子どものこととなると、冷静になれない自分がいて、不安と比例して、選びうるベストな医療をベストなタイミングで受けたいという欲が膨らみます。

夫と同じ病院でよいのだろうか…もっとよいところがあるのかも…と、悩みがまた振り出しに戻ってしまいました。

とにかく今の私に必要なのは、他の方の話やピアカウンセリング的なことではなく、医療機関選びから、生活全般まで、私達家族がどう進めはよいのかを一緒に考えてくれる医療の専門家と、じっくり具体的に話すことだと思いました。

1人で抱えるのは、もう限界ですが、でも、それって誰に…どこで…?その解を見つけるのすら、ハードルが高く感じます。遺伝カウンセリングなるものも受けてみたいと思うのですが、どこでどうしたらいいのだろう…。

さて本日は、私達夫婦が勤めていた会社の仲間ファミリーで毎年恒例のみかん狩りの日。先輩が、こどもだけ連れて行ってあげるよと声をかけてくれたので、娘だけお願いしました。14年来の毎年恒例の行事。安心してお任せできます。本当にありがたい…。

一方、家にいることを希望した息子ですが、放っておくとテレビとゲームばかりしたがるので、夫には留守番してもらい午前中外に連れ出しました。
今日は2人でデートということで、バスで出かけ、ついでに海で少し遊んで帰りました。

午後は、夫、退院後初の外出、選挙へ。
我が家は急な坂の上なので、近いけど車で会場の小学校へ。
服に着替えると、たった2週間胸郭を動かさないようにしただけで、廃用性筋委縮が進み、上腕、肩、背中、胸の筋肉がげっそり落ちて、薄くなったのが、よくわかりました。

胸骨正中切開をしているため3ヶ月はねじり、重いものをもつ、バンザイ姿勢は禁止なので、今後どれだけ筋力が落ちるのかな…と思うと、少し切なくなりました。

趣味のゴルフ、バイクを楽しめるようになるには、その後もかなりリハビリ必要そうです。筋トレメニュー考えとこう…。

肺活量は少しずつ戻り、術前の半分くらいになりましたが、まだ呼吸筋がうまく動かないのか、深く呼吸するとむせてしまいます。
咳と痰がよく出るのですが、その度に胸骨に響くようで、辛そうです。
着替えやシャワーをすることや、字を読むこと、考えることも億劫な様子です。

まだまだ日常生活がリハビリです。