見出し画像

【書評】血流がすべて整う暮らし方(堀江昭佳)

「血流がすべて整う暮らし方』


ざっくり概要と感想

インスタグラムでたまたま見つけた「堀ママ」という方のアカウントが著者である書籍。

自分が「夕食断食」という考え方を知ったのも、この書籍から。

出雲大社参道で90年以上続く老舗漢方薬局の4代目の方で、
インスタグラムではマツコデラックスさんのような言葉遣いで、
女性の体調についてどう向き合うか、などを投稿。
投稿がスラスラと読みやすく、コミカルな部分もあり興味が惹かれたので手に取ったのがこの書籍。(ちなみに書籍では、マツコデラックスさんのような口調では無かった)

西洋医学と漢方、両方の観点から「心身の健康のあり方」が描かれている。
西洋医学の「理論」と、‘2000年以上伝わっている考え方’である漢方の「知恵」の両方の視点で説明がされており、
「なるほど、これなら自分の生活に取り入れられそう」と思える部分がたくさんあった。

「こうすれば、何か良いですよ!」というフワッとした感覚の本とは真逆の書籍で、心地よい文章のトーン、読みやすい流れではありつつ、情報盛りだくさんで、良い意味で期待を裏切られた。


「基本を満たすということは、土台が豊かになるということ。
土台がしっかりすれば、その上にあるたくさんの願いや目標もずっと叶いやすくなります」という著者の考え方が、とにかく魅力的。


気がついたら、これまで読んだどの書籍よりもブックマークをしていた。
女性の友人全員に教えたい。


覚えておきたいことメモ

1、漢方の世界で考えられている基本的な体質3つ

(体質1)「気虚体質」:血流が作られない
原因:胃腸の不調
改善策:おなかをすかせて、美味しくご飯を食べること
(体質2)「血虚体質」:血流が足りない
原因:胃腸が弱り、血流が作れない「気虚」が続くと、やがて全身の血流が不足する「血虚」になる
改善策:生活改善をし、ぐっすり夜に眠る&血を補う作用のある食べ物をとる
(体質3)「気滞 瘀血体質」:血流が流れない(気と血の流れが悪い状態)
原因;いわゆるドロドロ血ではなく、血流不足の結果として、流れが悪くなっている
改善策:「気虚」と「血虚」から改善と、ウォーキング等の運動の二本立てで改善を目指す


2、「鉄不足」の定義が国によって違う。

日本:フェチリンが男性21-282mg/ml、女性5-157mg/mlが基準値
欧米:フェチリンが100mg/ml以下だと鉄不足とみなされる
(欧米の基準に当てはめると、日本人女性の85%が鉄不足に相当する可能性がある)


3、「陰」と「陽」の考え方

「陽」が多すぎると、「陰」が消耗してしまう。
「血」は「陰」に属するため、「陰」が消耗すると「血流」が悪化する。
1、睡眠時間
2、仕事の時間
3、食事の時間
4、活動の余暇の時間(運動、勉強、テレビ、スマホ等。活発に動いている時間)
5、リラックスの余暇の時間(お風呂、音楽をきく等。心穏やかにゆっくりしている時間)
1+3+5 =「陰」の時間
2+4=「陽」の時間


4、「睡眠を取り戻して血流を整える」という考え方

睡眠が十分とれているかの判断に大切なのは「朝、気持ちよく目覚めているか」ということ。また、理想的な睡眠時間は、脳や臓器の機能回復から考えると最低8時間は欲しいとされている。(個人差あり)


5、「子午流注(しごるちゅう)という考え方

2000年以上前に書かれた最古の漢方医学書である「黄帝内経(こうていだいけい)」に記されている、体内時計についての考え方。
24時間を2時間ごとに区切り12等分し、その2時間ごとに活発に動く各臓器が当てはめられている。
 ● 5am-7am 大腸:朝コップ一杯の水を飲むとよい
 ● 7am-9am 胃/ 9am-11am 脾(消化器):朝食をとる(ご飯と味噌汁の和食がおすすめ)
9am-11amは「運化」(気や血を動かすこと)の時間でもあるので頭も体も動くことで高いパフォーマンスが期待できるので、仕事や運動にあてたい。
 ● 11am-1pm 心:全身に血流を送る。(漢方では精神の働きにも大きく関わるとされる)
 ● 1pm-3pm 小腸:栄養吸収の時間
「おやつ」は江戸時代に「八つ時」(2pm-3pm頃)に軽食をとったことが語源。かつては朝夕で1日2食が基本だった。
昼寝をする場合は3pmまでに、短い時間が効果的。
 ● 3pm-5pm 膀胱:この後に「腎」という水分代謝の時間帯となるので、
水分をとってトイレに行くようにすると、デトックスにも血流改善にも効果的。
背骨に沿ったところにある「兪穴(ゆけつ)」のツボが慢性病の予防や改善に重要。背骨のストレッチ、ヨガの猫のポーズ、拳をつくり背中のマッサージなどが効果的。
 ● 5pm-7pm 腎:活発に動いていた「陽」が「陰」に切り替わるタイミング。
(西洋医学でいう「交感神経」から「副交感神経」優勢な時間に切り替わる)
このタイミングを逃すと、睡眠の質の低下や翌日のパフォーマンス低下に。
遅くとも7時までに残業を終えるのが理想。
漢方では「腎」は「生命力そのもの」も意味する 。
 ● 7pm-9pm 心包:実際の臓器ではなく漢方の概念上の存在。心を最適な状態に保つもので、軽い運動をすると「外邪」を防ぐ力が高まるといわれている。
ヨガやストレッチなどあくまでも軽い運動。
ゆったりお茶を飲んでリラックスもおすすめ。
 ● 9am-11pm 三焦:漢方では、全身にくまなく気や血を届けるとされ、消化も担当。ゆっくり過ごし、消化器官を休ませたい時間帯。
 ● 11pm-1am 胆:西洋医学では消化を助ける臓器。
漢方では「肝が据わる」という表現のように「気力」や「度胸」と深く関係。
「胆」の働きを高めることで、勇気をもって行動する力をつけることができる。「陰」の力を最大限に補う時間帯のため、11pmまでに寝ると心と体に絶大な効果があるとされる。
 ● 1am-3am 肝:全身の血流が肝に集まり、血流が浄化され、新鮮な血が作られる。肝臓は人体最大の解毒器官ともいえる。
 ● 3am-5am 肺:副交感神経が優位になるため、喘息の発作が出たり呼吸が苦しくなったりしやすいため、昔の人は明け方前の時間を「肺の時間」としたと推測されている

6、お茶の飲み方「調身、調息、調心」

座った状態で背筋を伸ばす
目を閉じる
ゆったり呼吸をし、呼吸を意識に集中させる
今日あった良かったことを思い出し、感謝と優しい気持ちで自分を満たす
「こうありたい」「こうなりたい」という夢や目標を口に出してお茶を飲む
暖かいお茶が喉を通り、体に暖かさが広がるのを感じながら、「なりたい自分」「ありたい自分」のイメージも全身へ広がっていくことを思い描く


7、「1週間夕食断食」

胃腸の力を回復させ、血流たっぷりになれる最良の方法。


行動目標

夕食断食を試す

色々とためして鼻炎と冷え性を治す

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?