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悲願のビッグイヤー

今日はサッカーのお話を少しだけ。

マンチェスター・シティが好きです。マンチェスターの青い方。バス停車しない方のマンチェスター。グァルディオラ監督率いるポゼッションフットボールの急先鋒。

今シーズンのシティは圧倒的に強かった。開幕当初から序盤にかけてこそ取りこぼしが目立ち混戦状態から抜け出せずにいたものの、14節でサウサンプトンに勝利してから独走状態に入り圧巻の15連勝。そのまま首位を爆走し他の追随を許さず余裕でリーグ優勝を達成。

最大のライバルであるクロップ監督率いるリヴァプールが本調子でなかったとは言え、魑魅魍魎渦巻く猛者揃いのプレミアを制すことがいかに困難であるかは言うまでもなく、まさに偉業そのものです。

今季のリヴァプールがそうであったように、昨季のシティも負傷者が続出。コンパニの退団とラポルトの長期離脱によってCBの頭数が不足し、頼みのストーンズの調子が上がらず、オタメンディは危なっかしいプレーを連発。フェルナンジーニョのコンバートで急場を凌いだものの最終ラインの不安定さは誰の目にも顕著でした。

その反省を活かすかのように今季の移籍市場ではCBの補強に奔走し、アケーとルーベン・ディアスの即戦力二人を獲得。特にディアスの加入は最終ラインに抜群の安定感をもたらし、彼の好パフォーマンスに影響されるかのようにストーンズが復活。泣きどころだったCBが強みに変わり、ラポルトがサブに回る充実ぶり。

今季のシティでは大黒柱のデ・ブライネやスコアラーと見紛うほど得点を量産したギュンドアン、崩しの局面で違いを見せたマフレズや名前にロールが付く単語を生み出したカンセロなど存在感を発揮した選手は多くいますが、個人的なベストプレーヤーは間違いなくルーベン・ディアスです。

ビルドアップや対人守備の能力はもちろんのこと、コンビを組む相棒の利き足に応じて左右両方でプレーできる万能性、プレミアの屈強なFWに競り勝つフィジカル、そしてあの若さで最終ラインを牽引する堂々たる立ち振る舞い。

中盤では果敢にボール奪取を試みる積極性を持ちながらも、ゴール前付近では無理に刈り取りにいかず様子を見てじっくり守る冷静さも兼ね備える。空中戦にも強く、足元の技術も申し分なし。まさに現代型CBとして理想的な選手。

話が少し逸れますが今年のユーロ優勝予想はポルトガルです。ディアスはもちろんのことロナウドを筆頭に欧州トップクラスの実力者がズラリと揃う充実ぶり。前回大会から指揮を執るサントス監督の下チームとしての完全度も高く、若手からベテランまでのバランスも良い。連覇の可能性は大いにあり。

対抗馬はやはりフランスでしょうか。現世界王者にして説明不要のタレント軍団。エデルの渾身の一発に沈んだ五年前の雪辱なるか。対抗馬と言うより大方の予想ではむしろフランスこそが大本命。ウィリアム・ヒル社の優勝オッズはイングランドに次ぐ6.50倍。

そのユーロ直前に開催されるのが欧州チャンピオンズリーグ決勝。去年に引き続きポルトガル開催。試合会場はFCポルトの本拠地エスタディオ・ドゥ・ドラゴン。

クラブの歴史上初のCLファイナル。UAEの王族シェイク・マンスール氏がオーナーに就任して以降、クラブが渇望し続けた喉から手が出るほど欲しいビッグイヤーのタイトル。

モナコに不覚を取り、リヴァプールに圧倒され、トッテナムに競り負け、リヨンの前に自滅して苦杯を舐め続けたペップ・シティのチャンピオンズリーグでの歩み。5年かけて辿り着いた欧州最高の舞台。

相手は同じイングランド勢のチェルシー。広大な守備範囲を武器に攻守に躍動するカンテ、中盤で巧みにゲームを操るジョルジーニョ、同胞トゥヘル監督の下持ち味を発揮し始めたヴェルナーとハヴェルツ、準決勝マドリー戦で超人的なセーブを連発したメンディなど役者が揃う難敵。直前の直接対決では本拠地で敗れています。

個人的にはマドリーが来てくれた方が戦いやすかったかなと思います。トゥヘル監督就任後まだ日が浅いチェルシーは、チームとしての完成度という点では課題を抱えている面もある一方で、その反面データが少なく対戦する側からするとどう出てくるか読めない不気味さがある。

3バックを基本に非ボール保持時には両WBが最終ラインまで下がって5バックを形成する守備は安定感があります。円熟味を増すチアゴ・シウバとアスピリクエタ、出場機会が限られていた前政権から一転してWBで躍動するマルコス・アロンソとハドソン=オドイ。

そして何と言っても中盤にはカンテがいる。ボール奪取能力は間違いなく世界一。彼の襲いかかるようなプレッシャーをいかに回避してゲームを組み立てることができるか。

そうなると気になるのは選手起用。少し気が早いですが勝手にスタメンを予想してみます。

GK
31  エデルソン
DF
  2  カイル・ウォーカー
  3  ルーベン・ディアス
  5  ジョン・ストーンズ
11  オレクサンドル・ジンチェンコ
MF
  8  イルカイ・ギュンドアン
20  ベルナルド・シウバ
25  フェルナンジーニョ(C)
FW
17  ケヴィン・デ・ブライネ
26  リャド・マフレズ
47  フィル・フォーデン

陣形は4-3-3。こんな感じ。早い話準決勝2ndレグと同じです。ジンチェンコのところはカンセロかもしれない。いずれにせよこの形が今のシティのベストメンバー。

高さのあるロドリをベンチに置くのは少々もったいないような気がしますが、PSG戦でのフェルナンジーニョの圧巻のパフォーマンスを見る限り決勝の先発もフェルナンジーニョで行くだろうなと思います。二人とも同時起用というプランもなくはないけど。

運命のファイナルは日本時間5月30日午前4時キックオフ。昨年に引き続き残念ながら地上波での中継はなく、WOWOWが独占放送。この日のために無料トライアルを温存しておいたのは僕だけではないはず。

難敵チェルシーを撃破し、クラブ史上初のビッグイヤーを獲得してくれることを大いに期待しています。勝つんだシティ。

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