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2024春アニメ中途感想 そもそもキャンプは“ゆるい” / 『ブルアカ』と『DOG DAYS』 / 桜蘭高校野球部 / 響け!田中あすか / ポルノ嘆願

春はクビになりました。今年から夏夏秋冬の編成です。
秋も今年のパフォーマンス次第でクビにします。

だいたい前半5〜6話までの感想です。

前回

今季のラインナップ

『怪異と乙女と神隠し』
『怪獣8号』
『この素晴らしい世界に祝福を!3』
『ダンジョン飯』
『響け!ユーフォニアム3』
『ブルーアーカイブ The Animation』
『忘却バッテリー』
『ゆるキャン△ SEASON 3』

〜感想のルール〜

  • 評価に応じた順位付けをする。

  • 視聴中のモチベーションの多寡を、タイトル横に補足する。

  • 評価の順位とモチベの高低は必ずしも一致しない。上位であっても視聴モチベが低いことがある。逆も然り。

  • 上記3項に則り下位作品ほど感想が多かったり、上位作品がさらっと済まされることもある。

※評価の基準
基本、映像重視で評価。作画より演出や画面設計が面白いかどうか。
ストーリーに関しては、シナリオの巧さよりキャラクターの動機に沿ったドラマが展開できているかどうかを重視。

〜モチベーションの内実〜

  • 特盛 (本編を繰り返し集中して見た)

  • 大盛 (1回は集中して見た)

  • 並盛 (内容を覚える程度には見た)

  • 小盛 (だらっと流し見した)

  • 虚無盛 (ほぼ見てない)



8位『ゆるキャン△ SEASON 3』モチベ:虚無盛


1期、2期と感想は変わらず。
マジで虚無。

キャンプなんぞせんでもすぐ隣が山で、てか四方全部山に囲まれてる場所で暮らしてるから、わざわざアニメで見んでもいいような景色を延々見せられるのかったるすぎる。

あとこれはもう『ゆるキャン△』に限らず近年の高品質アニメ全般に言いたいことだけど、背景美術が写実的すぎるとかえってそこから省かれているものが気になってしまう。そのうえ『ゆるキャン△』のキャラってデフォルメされたデザインだから、基本的に画に“のって”ない。めっちゃ浮いて見える。異物感のある歪な画面がずっと続く。

それが世界観を醸成していたり、コミカルなキャラデザとのギャップを狙っているとかなら分かるけど、これって観光地巡りみたいなもんでしょ?マジで興味ねぇ…。

例えば、この背景とキャラの馴染まない画面は、彼女らがどうせキャンプに飽きて別の趣味に走るようになるから、キャンプという趣味は彼女らにとってまさしく「取ってつけたもの」でしかなく、故にキャンプで訪れる景色の一部になりようがないのだ…みたいな迂回した読みはできるかもしれないが、だとしたらそんな悲しいもんに付き合いたくはない。
あとこういう結論を先回りして読みこむようなインチキ占い師じみた読解は好きじゃないので、なるべく表面化している情報を頼りに順を追って読み解きたい。

あと単純に見ていて“気持ちいい”映像が俺は見たい。

敢えて映像に引っ掛かりがあって、その引っ掛かりを辿ると二重三重の意図や意味が隠れていて…とかそんな小難しいものよりも、単純に視覚的な効果がもたらす快楽に優れたアニメを見たい。
それは枚数を増やしたぬるぬるアクションや、緻密に描かれた背景美術、ぶん回したカメラワークなどの個別の要素が突出した際の快楽ではない。

画面内の諸要素が綺麗に噛み合って違和感なく通り抜けていくような、人によっては「ありきたりな映像」で俺は感動したい。するすると飲み込めて、気づいたら本編が終わって、「面白かったなぁ」ってなるアニメ。今期それに十全に応えてくれているのは『ダンジョン飯』だ。

1、2期を完走できた頼みの綱であった音楽も微妙だ。あの神曲『ゆるキャン△のテーマ』がかかるから見てたところあるのに、3期は制作変わったからか知らんけどもう流れんのかな…。

add9と開放弦の美しさ際立つ最高の劇伴。

まぁそもそも俺がキャンプに対してポジティブな印象持てないのもあるんですけどね。

人様の趣味にいちゃもんつけるのはめちゃくちゃ野暮やってことは百も承知で、でも言いたいから言っちゃうけど、キャンプってなんで健康志向な趣味の1つみたいな扱いなん?

なんか自然との触れ合いだの、デジタルデトックスだの、不便を楽しむだの、色々理屈つけてますけど、結局のところ「自室」を外に持ち込んでるだけじゃない?

“自然と触れ合う”ってのは、自然がもたらす不快感や鬱陶しさも引き受けた上で言うべきだと思うんですよ。

こっからは完全に田舎もんの僻み根性の発露なんですけど、うちらは毎年あっという間に膝の高さまで伸びる雑草と格闘しとるんですわ。

田んぼのあぜや用水路も、河川敷も、公園のグラウンドも、ほっといたらすぐ草ボーボーで害虫は湧くし、山から降りてきた獣がアンブッシュする温床にもなる。だからめんどくさくても、自分とこの領分は草刈りせなあかんの。どぶさらいもしますよ。
なんならちょっとした土木作業もやってるんで。それも別に一銭にもならんけど地域のインフラ維持のためにやらなあかんのでやっとるんです。人手も金もないんで、クソザコ自治体には。

当然泥にも塗れるし、虫にも刺されるし、草刈り機使う時は砂利とか小石が跳ねるから、それ対策で完全防備でやるわけです。作業服着て、ヤッケ着て、防塵エプロン着て、フェイスガード被って、夏場はこれに空冷服追加ですわ。ファンを回して風で涼めるけど微々たるもので、着込むことに変わりはないから基本地獄です。

キャンプなんかはさあ、人の手で管理されまくったキャンプ場で、テント張って、便利調理器具やら快適な椅子やら、なんかもうちょっとしたリゾートみたいな装いでやってることあるやん?

ほんでなんか山とか川とかぼーっと見てんねやろ。なんか焚き火する時に枝かなんか拾ってきてるけど、そんなもんやろ自然と“触れ合って”るの。

キャンプってめっちゃ観念的な趣味やと思います。
同じく「健康」とは言い難いサウナが肉体を“酷使して"快楽を得ているのに対して、キャンプは肉体を“隔離して"快楽を得ている。アウトドアに見せかけてめちゃくちゃインドアな趣味やと俺は思います。変な話やけど外に出てんのに引きこもってるんですよ。

構造的には、俺がDLsiteで購入した、CV:秋山はるるのドマゾ向け音声作品を聴いて、オホってんのと何も変わらん。
俺は耳中で低音ボイスお姉さんの罵倒と吐息を聴きながら、結局はイメージの中の女性と“触れ合えていない”のと同じように、キャンパーも山だの川だのを自分のテリトリーから距離を置いてぼーっと見てるだけにすぎん。

これでなんか軍隊の行軍みたいなことして、道なき道を切り開き、自然に開けた場所で拠点を張るみたいなことしてたら、そら自然と触れ合ってるってか、もう自然と一体になってると思うけど。

でもなんか流れてきた情報によると映画の『ゆるキャン△』は、大人になった野クルメンバーが、ボランティアでキャンプ場 (予定地) を整地するみたいな過重労働をしてたらしいっすね。オタクががっかりしてるのまとめで見た。

ざまぁねぇですね。俺は絶対そんなことしたくない。友達にそんな話持ちかけられたら速攻で縁切る。とか言いつつ似たようなことは俺もやってるから、野クルの面々も“自然と触れ合えて”よかったね!

まぁ別に何もそこまでせえと言うわけではなく、俺が言いたいのは、キャンプは「アウトドア」でもなければ「健康」な趣味でもない、部屋でアニメ見てんのと大して変わらん趣味やから、なんかインドア趣味とは違うみたいな顔せんといてほしいということです。

まさに『ゆるキャン△』。しかしゆるくないキャンプなど存在しない。なぜならキャンプはそもそもゆるいのだから。



7位『ブルーアーカイブ The Animation』モチベ:並盛


現状のオタク向けソシャゲコンテンツの覇権って認識ですけど合ってますかね?
いまはソシャゲ全くやらんのですが、昔ちょっとやってたので (『消滅都市』と『アクション対魔忍』) 何となくソシャゲのゲームシステムはわかってるつもりなんですが、ガチャの課金もほぼしたことないので (すぐ飽きたから)、基本的にはソシャゲエアプです。

原作ゲームがアニメにどれくらい反映されてるかは全くわからんのですが、一応周辺情報から俺がブルアカに対して持っている前提知識っちゅーか認識を述べておきます。

  • 韓国のゲーム会社がリリースしている、日本の「萌え」文化を踏襲した、美少女シナリオRPGであること。

  • とりわけ日本の「エロゲー」を参照しており、さまざまなヒロインとプレイヤーアバターとしての「先生」がコミュニケーションをとりながら関係性を深めていく要素があること。

  • キャラクターが近代的な銃火器を扱うなどのミリタリー要素があること。

  • 公式が二次創作活動を推奨しており、とりわけエロ絵がめっちゃ量産されていること。

  • ニコニコで悪いオタクどもにおもちゃにされていること。

  • でかいおっぱい

  • でかい尻

  • 小さいおっぱい

  • 小さい尻

ゲームのコンセプトはなんかTwitterとかでふんわりと知っている程度。

二次創作ってかエロ絵はPixivでフォローしてる絵師の方々が一時期から無限に『ブルアカ』流してくるから、キャラクターのビジュアルは結構覚えてます。名前は全然覚えてない。
好みの絵師さんの同人誌も何なら買ってるが、原作の情報は全くわからない。

ゲームデザインに関してはちょっとしたアクションを含むオートメーションのストラテジーゲームだという理解。必殺技を任意のタイミングで発動できて、あとはキャラが自動で戦闘を行うのだと思います。育成要素も当然あるでしょう。

DLsiteの一般向けASMRのランキングを侵食しているのも知ってます。俺はASMRと聴いたらDLsiteの成人向けページがいの一番に思い浮かぶ、ポルノに脳幹を支配された人間なんですが、売り上げランキングをブルアカの作品が席巻し始めているのに勝手に危機感を覚えてます。

俺にとってDLsiteはポルノアーカイブなんです。
成人向けページには一般向け作品も同時に表示されるのですが、そこで同人作品ではない商業プロダクトでかつプロのアニメ声優が演じる一般向け作品が、陽向葵ゅか野上菜月姉さんなどの大御所作品を差し置いて上位に食い込んでいるのを見ると忍びない。MOMOKA。: 旧柚木桃香、逢坂成美、涼貴涼、みもりあいの、佐倉江美、そらまめ。、分倍河原しほ…。
アニメ声優の名前はろくに覚えないくせに、同人声優の名前はスラスラ出てくる!!まぁやっぱシコリティに直結する娯楽ですから、演じる方の技量にはダイレクトに信用を置きたいですしね…。

無料作品は完全にアニメ声優の作品がトップを取ってしまってますが、有料作品はトップを同人音声作品が占めていて (2位にブルアカが食い込んでるんですけど…) 、勝手に安心しています。
こっぺぱんさうんど青春フェティシズム、頑張ってくれ。
あ、累計販売数ランキングしか考慮しません!人気順…?知らないですねぇ。

ちなみにエロゲ、いわゆる「抜きゲー」とは違う、しっかりしたシナリオがあってヒロインとの関係性を深めていくADV形式の「エロゲ」は『Fate/stay night』しかやったことないです。それも劇場版『heaven’s feel』の間桐桜に脳をやられてしまったから、これは原作も絶対やらねば!と復刻版 (高かった…) を買ったというだけで、エロゲ自体には全く興味がない。

世代的には『FGO』がっつりなはずなのに『stay night』しかやってないし、しかもそれだって『heaven’s feel』目当てだから、『Fate』と言うコンテンツにそこまで思い入れがない。『heaven’s feel』はマジで最高です。古きオタク概念である「俺の嫁」を定めるのであれば、俺にとってのそれは間桐桜ただ1人です。


話をブルアカに戻してとりあえず現状の所感としては、良くも悪くもソシャゲのアニメって感じです。

ソシャゲ原作のアニメ、『ウマ娘』、『FGO』、『プリンセスコネクト』、『マギアレコード』、『アークナイツ』、くらいしか見てないけど、これらの全体的な印象として、数多のプレイヤーの嗜好に合わせて、多種多様なキャラクターをいっぱい出すソシャゲのコンセプトゆえに、アニメのシリーズ構成での的の絞り方にかなり苦心していると言えますね。

主人公を決めづらいというか、実質主人公であるプレイヤーには固有の人格を認めづらいから、アニメにおいては脇役にならざるを得ないけど、でもゲームでは局面を変えるのはプレイヤーだし、それをドラマの中でどう処理するかにかなり苦戦している。

『ウマ娘』はその辺バッサリいってて、シーズンごとにフォーカスするキャラを決めてそのキャラを中心に話をまとめていく方針をとってましたね。

プレイヤーアバターであるトレーナーも複数登場させて、完全にアニメオリジナルのキャラとして動かすようにしていた。
なのでゲーム原作とは個別の世界観を有したストーリーが展開できていた。
まぁそもそも『ウマ娘』のアニメはゲームの内容より、実際の競馬の史実に基づいて作ってあったから、ソシャゲ本体の制約を受けにくかったのもある。
それに史実に基づくなら世代交代が起こっているはずなのに、別世代の馬のキャラが同時代に存在している時点で、もうどうとでもなるところはありますが。

『マギアレコード』はゲーム本編からしてどうやらプレイヤーアバターとなるキャラは存在せず、あくまで魔法少女たちを操作する方針をとっていたようなので、アニメは『まどか☆マギカ』の外伝的な立ち位置で世界観を構築していました。

ソシャゲの主人公をうまく処理するには完全オリジナル人格を登場させるか、そもそも登場させないというのが安牌なのかも。


さてそこにきてアニメ『ブルアカ』なんですけど、まずちょっと世界観が掴みづらいですね。
初見の人が大体抱く疑問に俺も大体同意です。

この世界はなぜ荒廃しているのか?
学園都市とはなにか?
あの世界における「学校」とはなにか?
なぜ銃火器がその辺で売り買いされていて、少女たちはそれを扱えるのか (少年兵でもなさそう)?
なぜ武力衝突をしょっちゅう起こしているのか?
なぜ実弾で撃たれても死なないのか?
天使の輪っかみたいなのは何なのか?
あの鳥山明ワールドさながらの獣人キャラと少女たちを分ける線引きは何か?

これらの要素は特に説明はなく、とりあえずそういう「状態」があるということだけ提示されて話は進む。そしたらまあこっちとしてはなんも分からんままドラマが展開してくから、結局この子らは何が目的なんでっしゃろっていう。

ただこちとら伊達にアニメ見てきてませんのでね。
「進研ゼミでやったところだ!」ばりに今までのアニメ視聴の経験からヒントを得つつこの『ブルアカ』の世界観を類推していきますよ。日本のアニメコンテンツへのリスペクトのもと作られているからヒントも手繰り寄せやすい。

まず「学園都市キヴォトス」の世界観に関しては、古代ギリシアのポリスのような都市国家群をイメージしたら分かりやすいと思いました。キヴォトスもギリシア語由来らしいですね。方舟を意味するのだとか。

先生らの所属する「アビドス高等学校」は別に教育機関というわけではなく、キヴォトス内に存在する一つの共同体の通称として捉えた方がいい。
そう理解するとかなり関係図がスッキリしますね。

要はあのキヴォトスの中にスパルタとかアテナイのように、さまざまな「学校」が国家のような組織として存在していて経済活動を行っている。

「生徒会」はそれらの「学校」同士の利害調整を行う調停機関のようなもので、国連とかその辺の組織だと思ったらいいのでしょう。

で、その生徒会が機能不全に陥っていて、その政治的空白に乗じて学園都市の覇権争いが始まっているって感じですかね?
「ヘルメット団」は根無草の武装勢力って感じか。

平然と近代火器・兵器が出てくるのは、美少女に武器持たしたら“萌える”から以上の理由はぶっちゃけないとは思いますが、アメリカ銃社会のめっちゃ発展したバージョンと考えておきましょう。戦車も出てくるけど…。

で、問題はどう見ても実弾や爆薬の類をもろにくらってなぜ生きているのか?ってとこなんですが、これは単にギャグ時空だからとかそんなんで解決するもんでもなさそうなので結論はあまり急ぎませんが、このアニメの世界観を類推するのにかなり適したアニメがあることを視聴中に思い出しました。

それが2011年に第1期が放送された深夜オリジナルアニメ『DOG DAYS』です。
俺が中学生の時に「チャンネル回してやってた深夜アニメを片っ端から見る」ってのをやってた中で見てたアニメの1つですが、これの世界観がかなりブルアカに近い。

久々に検索したら、主人公CV:宮野真守、メインヒロインCV:堀江由衣…時代!!!

まぁざっくり説明すると、異世界に勇者として召喚されたパルクールが得意な主人公が、その身体能力を活かして他国との戦争ゲームで無双するみたいな話です。

それでですね、この『DOG DAYS』の世界観における戦争、そしてその戦場で行われる戦闘がめちゃくちゃ『ブルアカ』っぽいんですよ。

剣と魔法の世界なので近代兵器こそ出てきませんけど、この『DOG DAYS』では剣で斬られようが、明らかに殺傷能力のある魔法で攻撃されようが、登場人物は死傷することはありません。

ちなみに異世界の人物はみな犬耳か猫耳で尻尾もついてるので、その辺はブルアカと似通っていますね。

どういうことかというと、『DOG DAYS』世界における戦争はスポーツのように興行化されていて、戦場となるフィールド (アスレチックのあるコートみたいなもん) の中では、戦闘不能なダメージを負うと、1頭身のSDキャラみたいなもんになって、戦闘継続ができなくなるってだけなんです。
そういう魔法かなんかが国土全体にかけられていて、その異世界の国同士は外交上の衝突を全部その興行化された死者のでない「戦争」で解決しているんですね。

これ初めて見た時は「え、こんなぬるい設定で話面白くなるん?」とは思ったんですが、あくまで死傷を避ける魔法の効力範囲内では無事というだけで、効力の範囲外に出たら普通にダメージくらうし、死の危険もあるってなもんで、そこでちょっとドラマに緊張感が出る局面がありましたね。

多分『ブルアカ』も似たようなもんで、キヴォトス内にいれば大丈夫なのか、あるいはあの少女たちが特殊な存在なのかは分かりませんが、とにかく死傷を避けるためのなんらかのギミックが存在していて、それが機能不全を起こすと普通に死んだりするのでしょう。1話冒頭のシーンから察するに。

おそらくその辺りでドラマに緊張感を出してくる事が予測されますが、果たしてこの学園都市内での利害衝突にそこまでのシリアスな必然性が伴うのかは怪しいところ。そこで不整合が起こったりしたらどうするのかは気になりますね。

もしかするんですけど、あの輪っかが少女たちにしかないのって、彼女らが実は死者だったりする暗示か何かですかね?流石にそれはありきたりすぎるのでないと思いたいですが。

ただ『DOG DAYS』と『ブルアカ』を雑に結びつけても理解できない部分はもちろん全然あって、そもそも『DOG DAYS』はまずちゃんと凄惨な戦争が過去にあった上で、それをスポーツ化しているのに対して、『ブルアカ』はあくまでも戦争があやふやに無力化されているだけで、彼女らはスポーツのつもりで戦っているわけではないところが明確に違いますね。

さて、世界観の類推はこの辺りにして、ここからは単純に映像作品のクオリティ、そして作劇のクオリティの面で、アニメ『ブルアカ』について感想を述べていきたいんですが、まあちょっと締まりの緩いアニメではあるなとは感じますね。

まず映像についてですね。

OPはすごかったです。
完全に『残酷な天使のテーゼ』のOP映像を意識した、フレーム単位で音楽に合わせたカット割の激しい映像でしたね。1カットごとのアクション、視線誘導もキレキレでリズム感に満ちたOPだったと思います。
ただ正直こういうのは目がチカチカして、見てて気持ちいいものではないですが。
1話冒頭の電車の問答は完全にエヴァオマージュでしたが、あれはあの構図をやりたかっただけで何か特別な意味合いはないでしょう。

やはりですが本編に入ってからのグレードダウンにどうしても引っかかるところはありました。
ここで絶対誤解してほしくないんですけど、俺は「作画が悪い」とか、ましてや「作画崩壊してる」とかそんなことを言いたいわけではないです。

そもそもアニメにおける「作画」というものが、多くの視聴者の間で誤解されて使われていることもあって、俺はなるべくその辺りの語彙は使用せずに、もっと端的に個別の要素を言い表せるように「アクション」とか「動作」とかそういうワードを選ぶようにしています。そしてそれらが「作画」の領分だと言うのが俺の認識です。

「作画が悪い」というと含まれる意味があまりに広範すぎて、全然真意が伝わらないというのが問題です。
それは例えば演出意図が伝わってこないという意味なのか、それとも単に見ていて気持ちよくない「動き」なのか、あるいは一時停止したときにデッサンが崩れているという意味なのか (でも一時停止のそれは「作画」を語る領域ではない)、そういう人によって受け取り方が変わってしまうのがアニメの「作画」というワードだと思っています。

演出意図が伝わってこないと思ったのなら、「演出意図が伝わってこない」とそのまま言うべきだし、気持ちよくない動きだと思ったのなら、「気持ちよくない動きだ」とそのまま言うべきだと思います。
皮肉なことにアニメの構成要素の1つである「作画」という言葉が使われるとき、取りこぼされる要素が、あるいは隠れてしまう要素があまりに多い。

そういう誤解のもとにアニメを批判したり、あるいは褒め称えたりというのは俺はなるべく避けたいです。ちゃんとどこかどう良かったのか、あるいはどこかどうダメだったのかを、最大限明確にするよう努めたいと、俺はアニメの感想を語る際は勝手に思っています。もちろんこれは自己満足です。

さて、本編を見ていて思うのは構図の弱さですね。
方方で指摘されてましたが、ショットとアングルの選定があまり練られていないカットが目につきます。

顕著なのはぼっ立ちのキャラを中途半端な画角で正面から捉えたショットが多いこと。

余白が多ければ当然キャラクターの後ろには背景が映ります。
そこに何かしらのオブジェクトがあって、例えばセルで処理されていたら、もしかしたらキャラクターはそのオブジェクトに何かしらの行動を起こす (手に取る、壊す、etc) ことを視聴者に期待させます(この期待感は背景の一部があからさまにセル処理されてて、「あ、ここ壊れるな」と思うのも含むかもしれない)。

奥行きが示されていたり、ドアがあったりするなら、そっちにキャラクターが移動するか、新たなキャラクターがそこから登場するなりして、視聴者の期待に応答します。

しかし、この『ブルアカ』ではその空白の多いレイアウトで、単にキャラクター同士の会話に終始して、特にアクションを起こすことがありません。かなり単調な画面を延々見せられて退屈する場面が少なくなかった。

例えば細田守は、横幅や奥行きを大胆にとったレイアウトでもって複数のキャラクターを同フレームに収め、その場全体に共有されている空気や時間を表現するのに長けていました。
そこではキャラクター同士の会話や単調なアクションしか行われていなくとも画は保ちます。『時をかける少女』のキャッチボールや、『サマーウォーズ』の団欒のシーンなどにそれは顕著です。動きのない画を豊かに演出してみせることにおいて細田守の腕はピカイチです。

『ブルアカ』は中途半端に収まった後ろの小物やら何やらをどうにかするでもなく、ミディアムよりちょい広めのショットの切り返しでの会話を頻発させるからかなり退屈です。単に変化のない画を連続で見せられても、カットを割ったときの快感があまりない。
おそらくゲームユーザーのために、そのキャラクターの1枚絵としての図像を見せる意図があるのでしょうが、アニメ勢としてはキャラにそんな愛着もないので、映像として面白くないことに変わりありません。

アクションシーンにおいても同様なことが言えて、突っ立って撃つのを真横から映したり、遮蔽物の後ろに位置取るものの、姿勢を低くするでもなく、大きく身を晒しながら撃ち合いをします (FPS用語でいうところの「射線を切る」ができてない)。これがかなり緊張感を削がれる。 なんなら司令塔の「先生」までぼっ立ち状態だったりしますから、あんた前線に出てくんなよとは思う。

『プライベートライアン』なら死んでる

彼女らは銃弾程度では死傷しないからという理由で、あのような危機感のない戦闘を行っているとするならば、遮蔽物など度外視で敵陣に突っ込んで制圧するくらいの戦闘力を見せてもらった方が説得力が出る。
でもどうやらダメージは受けたくないようで、じゃあもっと身をかがませて戦えよとは思います。

一定のダメージを受けたり、急所となる部分に撃ち込まれたら戦闘不能にはなるようなので、それこそめちゃくちゃなスピードで動き回って銃弾の雨をかわし、一瞬で敵の眼前に詰め寄って眉間に銃口を突きつけてズドン!みたいなB級映画風の荒唐無稽アクションをやってほしいんですよ (要するに「ガン=カタ」やって♡)。

銃弾受けてもばたんきゅ〜くらいで済むにしたって、やっぱバトルシーンにはメリハリほしいです。ミリオタほどのこだわりはないけれど、ドンパチ映画を見て育った人間なので、やっぱ緊張感のある銃撃戦を見たいのはある。
もちろんドンパチ映画も玉石混合で、このブルアカ以上に緊張感のない映画もありますけど。


この『ブルアカ』の緊張感のなさは今後の展開における布石でもあるのかもしれませんが、その辺の詮索は俺なんかよりも思い入れのあるファンの方がやることであって、俺のような新参はとりあえず今出されているものを正面から見るしかない。

あとこれは身も蓋もないんですが、現状キャラデザが刺さるキャラがいないのがかなりネック。
さらに個人的な問題として、こういう大勢のキャラが出る作品だと顔と名前が全然覚えられないのもネック。同時にいっぱいキャラ出されると分からなくなるんじゃ…。まぁこれは『ブルアカ』に限ったことではないので、ぱっと見のビジュアルで覚えるようにしてます。なんかあずにゃんの亜種みたいなデザインのキャラいますよね。


あずにゃん亜種
この子がメインのエピソード、キャラクターの心理変化に至る道程が雑過ぎた。急にキレて急に落ち着いて、仲直りとか以前の問題では?ってなったが、『けいおん!』2期でまんま同じような、突然喧嘩始まって突然仲直りみたいな回があるのを思い出してちょっと面白かった。べつにその回でキレたのはあずにゃんではないが。

それと「先生」と呼ばれるプレイヤーアバターであろうキャラも、あんまり作劇に貢献しているとは言いづらい。とりあえず指揮官的な立ち位置なんでしょうけど、戦闘シーンでも戦術らしき戦術を命じているわけでもなく、なんかとりあえず「君はこっち、君はあっち」みたいな配置くらいしか指示してないからかなり影が薄い。なんのタクティカルアドバンテージもないですねぇ…(蛇並感)。

キャラ押しのコンテンツでハマるキャラクターがいないのはまぁまぁしんどいんですが、実は期待している部分もあって、それは俺の好きなキャラデザの子がのちのち出てくるであろうことですね。

トキ (北斗三兄弟【表記揺れ】の1人ではない)ってキャラのイラストをPixivで見て、キャラデザがめちゃくちゃ刺さったんですよね。どういう性格なのかとか、いつ出てくるのかとか全然分かんないんですけど、ビジュアルがバチくそ刺さりました。ちなみにPixivで見たのはБ先生のイラスト (バチクソエロい)。無表情キャラだということはおおよそ把握してます。
もしかすると1期には出てこないのかもしれませんが、まぁ2期以降に出てくることを祈って視聴継続しようと思います。

ソシャゲはすぐ飽きるので原作をやる気はないです (シナリオがよかろうとゲーム性の面で絶対飽きるから。そもそもテキストベースのコンテンツが苦手だから、映像媒体見てる面もあるので)。



6位『怪獣8号』モチベ:小盛


1、2話はめっちゃ良かったけど、主人公が防衛隊みたいなのに入隊してからクソつまんなくなっちゃった…。

これ今更感ハンパないっすね…。
『NARUTO』や『BLEACH』のような、主人公が特異な存在であることを秘匿しながら組織に属する、或いは対峙するやつ (ていうか『ウルトラマン』か)。

『呪術廻戦』がそのフォーマットのリブーをやろうとして、逆張りを重ねた結果どんどん先細っていった感じはあるんですが、この『怪獣8号』に関してはもうちょっと捻ろうや!って感じです。

そもそも防衛隊に入らずに神出鬼没の「怪獣を殺す怪獣」みたいな感じで、主人公は普段は怪獣の死体処理の仕事を続けてたらよかったと思う。なんかやっぱり夢は諦められねぇ!!って王道の展開にするには、ちょっと動機が弱いと思う。だって女のケツ追っかけてるみたいなもんだもん。
俺には俺のできることがあるって路線で良くないっすか?ブルーカラーやってらんねぇ!3K仕事最悪!というのを誤魔化してません?

主人公が死体処理の仕事をやりながら非正規の怪獣退治に勤しみ、一方で防衛隊側にいるあの幼馴染みをもう1人の主人公にしたら、あの2人の関わりに両者どちらの方向からも必然性が生まれませんか?
お互いの仕事の範囲が被るところを利用して、「ひょっとしてあの怪獣の正体って…」みたいな展開にして、ある日政府から「あの怪獣を駆除しろ!」って命令がきて、さてどうする!?みたいなドラマにしてたらまだ見れる。

でも結局は主人公も入隊させて中忍試験みたいなのが始まったから「はぁーつまんね」って感じ。
しかもその中忍試験っぽいやつも主人公の覚醒イベントみたいなことを繰り返すだけで、特段話は進んでないし、いっぱい出したキャラも全然立ってないし (飛び抜けた奴らにビックリする役割こなしてるだけ)、群像劇として失敗してる。
主人公、後輩、ツインテの3人以外要らん。

なんかもうアニメ始まる前からこの先どんどんつまらなくなってるって聞いてて、マジでこれ以降上がることないなら切るべきか迷ってます。



5位『怪異と乙女と神隠し』モチベ:並盛


越山弱衰先生!!薫子さんのイラストをぜひ!!

原作はずっと追ってるんですが、アニメでわざわざ追い返すほどでもないかな。
ただやはり薫子さんが素晴らしすぎる…。



4位『この素晴らしい世界に祝福を!3』モチベ:並盛


俺が見たことある数少ないなろう系アニメの1つ。
1期も2期も劇場版も後学のために見たようなもんですが、ドタバタギャグをずーっと崩さない姿勢はなかなか好印象です。

これずっと思ってたんですけど、キャラデザが西川貴史っぽさありませんか…?
実際にやってるのは菊田幸一という方だそうですが、どうしても西川デザインを感じてしまう。
アニメーターの名前と特徴全く覚えられないマンの俺がなぜ名前を覚えているかといえば、俺の好きなエロアニメのキャラデザをこの人がやってるからです。『オトメドリ』、アニメも原作も最高!!(NTR注意)



3位『響け!ユーフォニアム3』モチベ:並盛


うおーん、田中あすかが居ない『響け!ユーフォニアム』がここまで微妙だとは…。

まだ原作読みきってないから見るのやめとこっかなぁと思ってたんですが、1期、2期の時点で原作とかなり違うのでもう見ようと思ったら、ここまでノれないとは参った…。

俺は基本的に特定のキャラクターに感情移入せず、なるべく作劇を構成する要素として、キャラクターの機能的な部分を見るんですけど、たまーに例外的に、あるキャラクターを中心としてしか物語を見れない、それほどまでに惹きつけられるキャラクターに出会うことがあって、その数少ない内の1人が田中あすかなんですね (もう1人は『ブルアカ』の項で述べた間桐桜)。

俺にとって『響け!ユーフォニアム』1期、2期は田中あすかの物語、つまり『響け!田中あすか』なんですよ。久美子と麗奈の「引力」とかそんなん脇に置いちゃって、もう田中あすか中心にしか見てない。

『響け!田中あすか』がどんな物語かといえば、端的に言って「田中あすかが私情のために北宇治高校吹奏楽部を利用してその願いを叶え、ちゃっかり後輩からの尊敬まで手に入れちゃう勝ち逃げ物語」です。

聞こえ悪過ぎだろ、って感じなんですけどマジで俺はこれがめちゃくちゃ刺さっちゃって。
本当にイタい話ではあるんですけど、田中あすかのムーブが10代の俺そっくりなんですよね。

ひょうきんな風を装って絶対に他人に本心は明かさず、自分の問題は自分で全部解決できると思い込んでいて、故に他人の問題には非干渉を貫く。そのくせ自分が心を許せると思った相手には、急に内側のドロドロしたものを開示して、でもノータッチでお願いね♪ってやるカスムーブ。

マジで登場シーンからずーっとお前は俺か!!って爆笑しっぱなしでした。


10代俺と田中あすかの共通点

  • 自分と他人との線引きのために、おちゃらけた人格を演じる(もう染みついたムーブなのでほとんど無意識だし、他人にそれがバレてると思ってない)。

  • 線引きを超えてきた瞬間に「興味ない」判定を下して徹底的に距離を置く。

  • 父性からの承認を求めている。

  • 同級生には絶対に心を開かない。

  • 後輩から雑に扱われると嬉しがる。

  • 部活内での実力は上位ではあるが、別段全国レベルで通用するものでは全くない。

  • ハーフリムメガネ。

  • 卒業式から速攻で帰る。


10代俺と田中あすかの相違点

  • 家庭環境。        

  • 学業成績。

  • 田中あすかは美少女だが、俺は美少女ではない (血涙)。


いやあマジで2期の田中あすかの持って行きっぷりには胸の空くものがありました。
俺みたいなやつが、俺が同じようなシチュエーションでできなかったことを、全部叶えていきやがりましたから。基本ことなかれで傍観者決めてた久美子からあそこまで踏み込まれて、しかも存在を必要とされてましたからね。どんだけ幸せ者なんだ。

田中あすかが卒業後どうなったかはまだ以降の展開を知らないのでなんとも言えませんが、俺の中では田中あすかは卒業後はユーフォニアムやめてますね。別の楽器やってるかもしれないけど、ユーフォニアムだけはやらない。だって田中あすかの中でユーフォは自分の屈折にケリをつけるための手段だったから。ユーフォが好きな気持ちは変わらんとは思いますが、積極的に関わろうというモチベはもうないんちゃいますかね。

田中あすかの話しかしてないけど、まぁいいや。
これ中途感想だし (?)、3期の内容については最終感想でまたじっくりやろうと思います (また田中あすかの話しかしない可能性大)。



2位『忘却バッテリー』モチベ:特盛


※原作のネタバレ含みます。

めっっっっちゃおもろいやんけ!!!!

原作は帝徳の練習試合までしか読んでなくて、その時点でも面白いとは思ってたんですけど、ジャンプラ離れに伴って読まなくなってたんですよね。
なのでおおまかな流れは知ってて、アニメが始まってもすんなり入れたんですけど、改めてこれめちゃくちゃ面白いわ。

ということでジャンプラで最新話まで一気に読んじゃいました。神漫画です。

野球全然見ないし、スポーツにはさほど興味ないんですが、甲子園は毎年やってたら見るくらいのにわか高校野球ファンなので、球児たちの友情努力勝利には結構熱いものを感じるんですよね。

『忘却バッテリー』の発想は今までのスポ根野球漫画からちょっとズラしたテイストをおり混ぜつつ、でもきっちり王道の野球漫画してる時も面白くて、このバランス感覚めっちゃ凄いなと思います。

要圭の記憶喪失設定がきっちり野球と絡んでるのが良いんですよね。
頭いい参謀ポジションが記憶喪失でアホになっちゃった!って1発ネタで引っ張るかと思いきや、めちゃくちゃキャラのパーソナリティを形作る要素になってんのがすごい。

要圭のアホモードと知将モードのせめぎ合いのドラマが、小手指高校野球部の甲子園までの道のりに謎の緊張感をもたらして、シリアスな流れを寸断しないギャグとして成立している。

そして他のキャラクターの描き方もめちゃくちゃ魅力的。
基本は最強バッテリー2人にプライドをへし折られた球児たちの再起がメインだけど、その再起のやり方が最強バッテリーを倒すことでその自尊を回復するのではなく、最強バッテリーと同じチームになって2人を支えるポジションになることで、最強だと思っていた存在が実はそれ単体では成り立たない危うさを含んでいたことを、野球というチームスポーツを通じて実感していき、自らの野球愛を思い出していくという流れにしている。

「僕たちはこれから辞めたきっかけの背中を守るのだ」

↑これ、痺れましたねぇ。
劣等感をバネにする物語じゃないんですよ。

そしてシンプルなリベンジ物語は他校のキャラクターでバリエーション豊かに描いている。最強バッテリーに敗れたかつての球児たちの十人十色の心情が、グラウンド上のドラマをより熱くしてるのたまんねぇ。

作者の人、めちゃくちゃ作劇上手くね?
全キャラ魅力的なんだが。

あと高校野球を取り巻く状況もテーマに盛り込んでるのがいい。

「高校野球おじさん」の存在ね。

確かに予選中継とか見てるといるわ、おっさん。
めちゃくちゃ笑った。


俺もこうなるんか…?



あとSNS時代における球児たちの精神衛生対策とかもガッツリ触れるし、成長期におけるスポーツの過剰な身体酷使問題とかも取り上げてて、そういやスポーツって身体性をかなり度外視した動きを要求するよなと改めて認識した。体壊す選手なんてしょっちゅうだし。

「スポーツが身体にいいなんて嘘だ」
いやほんまそれ。
格闘技は言わずもがな、激しい動きを要求されるスポーツ全般は、選手の運動能力と細心のケアで成り立っているのであって、ワンランク上の健康のためであれば適度な筋トレとジョギング、食事管理で十分。



さて原作の魅力語りはこの辺にして、アニメの感想。

MAPPAさん、恐れ入りました。
めっちゃ面白いです。

正直なところMAPPA制作のアニメ、特に週刊少年漫画のアニメ化には若干乗り切れないところがありまして、映像演出の方向性が俺の好みとあんま噛み合わなくてですね、『進撃の巨人』や『呪術廻戦』で顕著なんですけど、アクションをダイナミックに見せたいあまりにカメラワークをアクロバティックにしすぎて、映像に目が追いつかないのが難点だったんですよ。

『ドラゴンボールZ』のヤムチャ視点みたいな演出とは違う (無の空間で音だけ鳴らすやつ)、ちゃんと見せたい動作があるのに、カメラぶん回して訳分からんみたいなやつ。あれがどうしてもキャラの「動き」を見たい人間としては受け付けにくかった。『チェンソーマン』は逆にカメラはそこまでぶん回さなかったけど、変なタイミングで引いたり寄ったりを使いすぎて映像のリズムが微妙だったし。

でもこの『忘却バッテリー』はアクションとカメラワークのバランスが見事!
見せたい動作とカメラワークのダイナミズムがばっちり融合してて見応え抜群。

東堂と千早のキャッチボールのシーンは良かったですねぇ。
フットワークと肩口の動きをシームレスに繋ぐカメラと、キャラごとの投球の個性を描き分けたアクションが素晴らしい。

清峰の剛速球をリリースポイントからの主観視点で描くのもケレン味あって良き。一瞬のアクションとこういう演出は相性いいのかも。

空をバックに頂点をあおる象徴的なアングルからの
カメラが球の真後ろに切り替わり
放たれた瞬間
ミットがドアップ

なんか狙撃のシーンとかで弾丸の軌道をスローで追うみたいな演出ありますけど、投球の速さを演出するのにここまで効果的とは思わなかった 。ボールが放たれた瞬間にスローやめて、ミット手前で急加速するからめっちゃ球威あるんやなってわかる。

キャッチャー側の視点もあって二度おいしい。

怖すぎぃ!!!

いや~スポーツアニメ久々に見たけど、見せ方良すぎてどハマりしてる。

それと見出しの桜蘭高校野球部ってのは完全にCV:宮野真守つながりです。アニマックスキッズだったころを思い出すぜ。『桜蘭高校ホスト部』、フルでリメイクしねぇかなー。



1位『ダンジョン飯』モチベ:特盛


相変わらず面白い。

ちょっと今回は内容の話は置いといていいっすか。映像にしろ作劇にしろ、前回、前々回と同じような感想なんで。


では本題。


越山弱衰先生!!(2回目) マイヅルのイラストをなにとぞ!!なにとぞ!!

マジでシュロー率いる一団が出て来てから、俺の性感帯アラートが「おいおいおいおいおいおい」って警報音鳴らしっぱなしでやばい。

幼い頃からシュローの世話役でシュロー父の愛人、ってそれなんてエロ漫画?
なんかそれに近い設定の音声作品に思い当たる節しかない。すみません、マジで今回ばかりは性欲の話しかできない。
MCUスパイディのメイおばさん以上の衝撃が来てる。

オヒョ~😊


アヒャ~😇


そして俺のアラートに引っかかったのがもう1人 (匹?)。

おいおい
おいおいおいおい
おいおいおいおいおいおいおいおい
おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい


みぞね先生!!イヅツミの、イヅツミのイラストをなにとぞ!!なにとぞ!!

イツヅミが出てるカット全てでずーっとニチャニチャしている。全然話入ってこねぇから、1回イヅツミにニチャり倒したあとに改めてもう1回見てる。

あの、これはむしろケモナーの方々の矜持を穢さないための弁明なんですけど、俺自身はケモナーを自称するつもりはなくてですね、メインの性癖 (NTR、催眠、おねショタ、人妻、男の娘、常識改変or元々狂ってる常識) に付随する形でケモを摂取してきたから、ケモキャラもイケるってだけで、特段ケモナーとしてのこだわりもないし、あったら嬉しいなくらいなやつなんですよ。Pixivでも目についたらブクマする程度で、積極的に探しにいってるわけじゃないんですね。もっと絞って獣人キャラが好きって言ったほうがいいですかね。ともかくイヅツミのような類型のキャラがいたらいたで嬉しいだけであり (マズルあってもいい)、単にちんこの向いた方向にたまたまイヅツミのようなデザインの獣人キャラ"も"いたってだけで、要はそれがみぞね先生の作品だったりしたわけですが、本当にケモナーの皆様の領分にズカズカ分け入って訳知り顔で語るつもりはいっさいなく…(ここまで一息)。

イヅツミの、一挙手一投足すべてが、俺の脳を焼き付くす。
自己中心的な性格、きったねぇ食い方、嫌いな部分を容赦なく捨てる倫理観、獣性の色濃い行動様式、あらゆる面にぶち食らっている。

マジで最強のキャラデザなんだが?
『ダンジョン飯』はマジで近年でもトップに食い込むくらい好きなアニメーションの手つきをしているんですが、正直キャラクターに思い入れがあるわけではなかったので (キャラに思い入れを持てないこと自体は別に問題ない。むしろ変に思いれをもってしまうと、そのキャラ中心にしか作品を観れなくなるので避けたい情動ではある)、まさかここにきてドンピシャなキャラが2人も出てくるとは恐るべし『ダンジョン飯』。


ふぅ…なんの話でしたっけ?

あ、そうそう2クール目に入ってからの新OP/EDの感想をば。

OPは正直微妙ですね。
同じブラックミュージック路線なら前クールのEDの方が『ダンジョン飯』のもつ賑やかさを表現できてた思います。新OPはちょっとドタバタしすぎ。

EDはマジ最高です。
てか、これはもう完全に俺が90sオルタナのサウンドとギターの手癖が好きなだけ。
リーガルリリーも近年のリリースは完全にそっち寄せていってるからってのもある。

これとか


これだし (イントロのオマージュは公言済み)。

Pavementはそこまで好きってわけじゃないけど (ちゃんと聴いてないし) 、でもまぁ「こういうのに影響受けました! 」って堂々とやる曲は大好きです。


これはコメ欄でも言われてたけど


これね。


で、この『キラキラの灰』は

Aメロ【 A♭I×4 -  D♭IV×2 - D♭mIVm×2 】

サビ【 A♭I×2 - CIII×2 - D♭IV×2 - D♭mIVm×2 】

っていう、どシンプルなコード進行で、サビなんてキーとBPMちがうだけで、RadioHeadの『Creep』の進行まんまなんですけど、YouTubeでこの曲をひっつかまえて「パクリじゃんw」とか言ってるコメント見たときは、流石に「おめぇはChuck Berryから聴き直せバカアホボケナス乳首」とブチギレざるを得なかったですね。てか、ブルース聴け。

あのね、形式っつーもんがあるんですわ、様式美っつーもんがあるんですわ、問題はその上でどれだけ面白く踊れるか、あるいは土台そのものをぶっ壊せるかってとこにあって、それをおめぇメロディーがちょっと似てるからとか、コード進行いっしょだからとかで、「これはパクリです、パクリはいけません!」なんてちゃんちゃらおかしいの!!


仮にパクリだとしても面白いパクリ方してたらむしろすげぇってならんか?
マジで作曲 (0→1の作業) を過度に神格化して、編曲 (1→10→100…の作業) を蔑ろにしてるわ、すぐパクリパクリ言うやつ。

だいたい作曲だって、過去の膨大な音楽の累積から意識的に、あるいは知らず知らずのうちに編曲する工程がどっかに組み込まれているのであって、こういう「無から有を産むのが真の創作」みたいなオリジナリティ信仰はぶっ飛ばすべきですよ。
「これはあれのパクリ」論法を突き詰めたら、そのパクリ元はこれのパクリなんですけどね、いやいやこちらがパクリ元ですよ、いやいや大元はこれですよ…みたいな知識自慢バトルにしかならねぇんだよボケが!!!

すみません、“一部の”音楽好きアンチが出てしまいました。

みんなも過度なパクリ糾弾には中指立てていこう!!
どうせそいつがパクリ元だって言ってる“それ”もなんかのパクリだぞ。



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