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自分の過去作を読む苦痛と快感

先ほど、『狼少年は嘘をつかないquesution』もしくは長いので、略称『狼少年Q』第1話を更新いたしました。
以前この作品の生まれた経緯をまとめた記事も上げましたが、この作品は私の連載デビュー作の続編です。

クラウドファンディング中から、続編の内容をまとめるために、既刊の『狼少年は嘘をつかない』もしくは長いので略称『狼少年無印』を読み返していたのですが……読み返すのがめちゃくちゃ恥ずかしかった…!!!

当時はどうやって描いていたのか

『狼少年無印』連載当時は、隔週連載で20ページを完全アナログ、1巻分の原稿はアシスタントさん無しの1人で描いていました。
今思うと本当に、何考えてんの?それできると思ったの??というペース配分でした。当然ストック原稿(3話くらい描きためてあった)はあっという間に尽きて、次のお話を考える時間はものすごく短くなり、打ち合わせには徹夜明けの頭で臨み、案の定何も出てこないというポンコツを毎回担当さんに披露していました。

なぜ私はこの体制で隔週連載できると思ったのか…

▼当時のアナログ原稿。トーンが貼ってある。トーンは塗るものじゃなくて貼るものだったんだ…!


読み返してみてわかること

「自分の過去作を読むのは苦痛〜」というのは漫画家あるあるだと思うんですが、そう言っている作家さんの顔を見ると、みんな苦痛苦痛言いながら、なんかちょっと笑ってたり…妙にその話したがったりして、あれ?本当は楽しんでるんじゃないか?と思ったりもするのです。そう、かくいう私も… 。

というのも、未熟さはさておき、過去作を見ると、過去の自分に対してまず「こんなによく描いたなあ〜〜!!」という親みたいな気持ちが味わえるのです。これが結構楽しい。というか正直…‥‥気持ちいい…。

当時は特に後半時間的に厳しくて、打ち合わせで担当さんにかなり誘導されながら描いていたので、これ、自分で描いてる気がしない…とまで思っていたのですが、今読むと紛れもなく自分の好きな漫画なのです。

担当さんの手腕がすごいのと、本当に好きに描かせてくれたんだなあ〜!というのもあるんですが、当時好きだったものって、当然今も好きなものなので、時間が経って細部を忘れた頃に改めて読み返すと、自分の好みにピッタリな漫画描いてるこの作者だれ!?………私か……。みたいなことになるわけです。(これは自画自賛なのか……)

そりゃ読んだら気持ちいいよ!でも未熟すぎて苦痛!!
というせめぎ合いの中、今回何度も読み返しました。
非常に痛気持ちよかった……。

続編『狼少年Q』で新しくなった所

今回続編1話では4兄弟全員出てきます。やっぱり1話目だから全員登場させよう。思い出してもらうためにも!と張り切りました。1人だけ人間の顔出てこないですが。

▼いつもの居間でわちゃわちゃする4兄弟

そして…今回彼らの住居である森家の屋敷は、3Dで作ってもらったのです。やったー背景描かなくていい!

『狼少年無印』を読み返して一番感じたのが、画面白い!!!ということ…。いくら何でも白すぎでは??今回はそこを解消すべくお願いして作っていただきました。ありがとうございました。嬉しい…。

▼赤塚さんと鉢合わせしたお風呂場まで完璧です。3Dすごい。

それと、私が楽しいだけですが、今回からは前作では描写できなかった(単純に忘れていた)犬歯を強調して描いています。続編では狼成分をもっと出していきたい。

▼一応狼だからね……。


『狼少年無印』では最終回付近で、主人公満四郎と赤塚さんとの関係が急展開したので、それを受けての続編となります。進展するよう頑張るぞ…いや頑張ってもらおうか…。

ご感想はいつでもお待ちしておりますので、2話以降もなにとぞよろしくお願いします!

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