M-1グランプリ2016ドキュメント〜優勝が見えた瞬間〜最終話

noteをご覧頂きありがとうございます

スーパーマラドーナ武智です

今回はM-1グランプリ2016ドキュメントの最終話でございます

2016に関しては全て無料で記事を公開しております

なので是非ご覧ください

そしてもし面白いと思ったら、有料ですが是非M-1グランプリ2015ドキュメントの方も見て下さい

その他にもたくさん有料、無料の記事を載せてますのでよろしくお願いします

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そしではM-1グランプリ2016〜優勝が見えた瞬間〜最終話をどうぞ

秋になっても勝負ネタが出来ないまま、何とかネタをつくり、首の皮一枚差で準々決勝を突破し

そしてついに

決勝進出が決まった

2年連続

我々のこれまでの芸人人生を考えると

紛れもなく快挙！

想いの強さでは何ともならない事を

何とかした

そして決勝の順番決め

7番！

一番良いところ！

大チャンス！

2015は3番を引いてしまい

正直順番に泣かされた、、

2015に7番を引いていたらどうなっていたか分からない

順番は

ネタと同じくらい

いや

それ以上に大事な事なのだ

そしてそこからは

決勝まで毎日毎日ネタを改良し詰めていた

本当に毎日朝まで

それもそのはず

ネタがまだまだ仕上がっていない

僕は色々と考えた結果、3本のネタを用意することに決めた

準決勝でやったエレベーター

３回戦でやった娘さんを下さい

そして

2009年に作った古いネタ

サムライのネタ

サムライのネタはどこのどの場所でやってもウケる

そして熟練度、仕上がり方が違う

後、去年のお客さんの層、笑い方の軽さなどを思い返すと、、もしかしてハマるんじゃないのか？

そう思っていた

もし軽いお客さんだったら、、

爆発するんじゃないか？

そう考えた

こればっかりは、当日決勝が始まってみないと分からない

だからは僕は3本目の予備として、一応サムライのネタも出来る様に準備をしていた

でも基本的にはエレベーターと娘さんを下さいの二本で行く心構え

そして毎日毎日ネタを改良する

だが

エレベーターは中盤が弱く

娘さんを下さいは全体的に弱い

考えても考えても思い付かない、、

ネタ作りは本当に甘くない

思うようにはいかない、、

決勝の前日も考える、、

もっと良いボケはないか、、

改良出来るところはないか、、

気付けば朝の５時

もう12時間後には決勝の生放送が始まる

流石に諦めて家に帰り睡眠をとった、、

そして次の日

大阪から新幹線に乗り朝日放送に到着

M-1出場者の楽屋に入った、、

去年と同じ場所

入った途端手足が震える

去年の凄まじい緊張を思い出してしまう

結局、、

エレベーターの中盤は良くならなかった

娘さんを下さいも納得いく所まで改良出来なかった

それが余計に緊張させてくる、、

ジッとしているのが怖くなり、相方とネタ合わせをする

みんなが2本のネタ合わせをしている中

我々は3本のネタ合わせをする

ネタ合わせを休憩して楽屋に戻ると、敗者復活戦をやっていた

誰が上がってくるのか、、

食い付くように見る

敗者復活戦が終わった

素直に思った事は

これはほぼ100%和牛が来る

そして

スタジオにお客さんを入れ

前説が始まった

もうすぐ

もうすぐだ

M-1グランプリ2016の生放送が始まる、、

ガチンコの殴り合いが始まる、、

緊張に押し潰されないように耐えながら

精神を整える

この１年

M-1グランプリに全てを捧げた

毎日365日を捧げた

全力を尽くすのみ

去年は

決勝に出る事が全てだった

今年は

優勝する事が全て

決勝が始まった！！

逃げ場のない生放送がスタート！

トップバッターのアキナが漫才をする

全組がその様子を瞬きも忘れて見る！

見ながら思った

今日のお客さんはかなりあったかい

1番で爆笑を取るアキナ！

最高の出来！

番組としても最高のスタート！

いきなり高得点を出し暫定席へと移動するアキナ

そして2番手は

僕が最も恐れている

カミナリ！

出だしから拍手笑い

そこから

どんどん面白さが加速していく

吉本のような常設の劇場が沢山ある事務所ではないのに、何故こんなにも面白い漫才ができるのか

吉本だったらこのコンビはどうなっていたんだ！？

そう思わせる程の面白さと笑いの量

そして

審査員の得点が出る

巨人師匠91点

礼二さん90点

大吉さん90点

松本さん89点

高い！！

やはりとんでもない高評価

漫才スタイルの新しさはもちろん

一つ一つの破壊力が半端ない

これはすごい点数が出る

と思っていた

上沼さん81点、、

驚きで出場者全員が一瞬目を見合わせた

81点、、

恐らく全国放送を見ていた視聴者達も驚いた場面

そしてカミナリはアキナに5点及ばず暫定2位となる

ネタや面白さ爆発力

どれもほぼ完璧に近かった

ただ、

2番と言う順番が審査員の点数にブレーキをかけてしまった、、

そして上沼さんの81点が余りにも響いた

M-1の点数とは

出場者にとって

ある意味で命よりも重い

たった1点で人生が変わる、、

そして

いつものM-1グランプリは審査員が７人以上いる

しかし今回は５人しか居なかった

例年のM-1より更に1点が重たい、、

しかしカミナリの漫才が好みではないと言われればそれまで、、

頭を強く叩く所が女性から見て嫌な気分になると言うのなら

それは仕方がない事

これもまた運、、

そして3番手で相席スタートが登場

相席スタートのネタは濃くて面白い所が多く

それがこの日の軽いお客さんとマッチする所もあればマッチしない場面もあった

しかし最後にとんでもない拍手笑いを取りネタを終え

続いて銀シャリが登場

この日のお客さんとネタの相性がバッチリ合う

次々と爆笑を取る

そして

巨人師匠96点

礼二さん91点

大吉さん93点

松本さん95点

上沼さん95点

とんでもない高得点を叩き出した！

ダントツの１位！

セット裏で出場者が騒つく、、

次にスリムクラブが出たのだが

銀シャリの高得点の煽りを少し受けてしまった印象

そして

軽いお客さんとあまりマッチしなかった

スリムクラブのネタはすごく面白かった

重たい空気の会場なら他のメンバーと差を付けてウケていたと思う

これもまた運、、

M-1は実力もさる事ながら

運もないと勝てない

そしてハライチが登場し漫才

失礼な話だが

僕は順番決めの時

何番が良いとかよりも、ずっとハライチの次の出番が良いと思っていた

必ず僕たちがやり易い場の空気になると確信していた

そしてハライチが漫才を終え

いよいよ我々の番！

予想は的中！

舞台上はとてもやり易い場となっていた！

あの出ばやしが流れる！

出ばやしに負けないくらいの心臓音！！

もう逃げ場などない！

やり切れ！！

無我夢中でしゃべる！

生放送だと言う事は一旦忘れる事にする！

審査員が見てる事は一旦忘れる！

人生がかかっている事は一旦脳から消去する！

気が付けば最後に大きな笑いを取って

ネタが終わっていた、、

点数が出る、、

期待してしまう、、

どうなのか、、

巨人師匠90点

礼二さん95点

大吉さん93点

松本さん89点

上沼さん95点

高得点が出た、、

この得点を見て最初に思った事

もしかしたら優勝出来るかもしれない

そう思った

しかし

やはりずっと悩んでいた中盤の弱さを松本さんに見抜かれてしまった、、

やはりM-1は甘くない

そして暫定席へ

本当に

本当にドキドキする、、

次のさらば青春の光に勝てれば

最終決戦は進める

さらばのネタが始まる

面白い！

本当に面白い！

しかし面白過ぎて

今日の軽いお客さんと合う場面もあれば合わない場面も出てくる、、

お客さんがついて来れない場面が出てくる、、

点数が出る

巨人師匠87点

礼二さん90点

大吉さん90点

松本さん90点

上沼さん91点

耐えた、、

さらばの猛攻を何とか凌いだ、、

ついに、、

初めて最終決戦に進める事が出来た

2015年、、

どん底のボロボロで

真っ暗闇で

生きている事すら辛くて

諦め半分で生きていたあの頃の僕は

１年後

M-1の最終決戦にいた、、

それを思うと

思うだけで

まだ終わってないのに

戦いの最中なのに

涙が溢れそうになった

情けないけど

色んなことを思い出してしまった

辛い毎日

辛い生活

でも

グッと堪える

こんなところで満足してはいけない

もちろん分かっている

分かっていても

ほんの少しだけ、自分を認めてしまい、、

その瞬間

感情が溢れ出てきてしまいそうになった

諦めなければ

前に進める事がある

周りにどう言われようが

どう見られようが

真っ直ぐ前だけを見てれば気にならない

前にあるものだけに集中していれば下らない野次など耳に届かない

いつだって何だって変えられる！

この大会はそうゆう大事なことも教えてくれる、、

しかし！

その感情は

敗者復活戦から勝ち上がってきた和牛の漫才を見た瞬間に

吹き飛ぶ事になる

あったかいお客さんと見事に漫才が噛み合う

とてつもないウケ方！

巨人師匠95点

礼二さん95点

大吉さん91点

松本さん93点

上沼さん95点

あっさりと抜かれた！

敗者復活の勢いと応援ムード

お客さんとの相性

2人の面白さと技術

全てが噛み合い

一気に優勝候補に躍り出た

すごい、、

素直に思った、、

どこまで行けるかわからない

でも戦い抜く！

今一度気合を入れ直す！

そして

いよいよ最終決戦

我々は決勝予選3位なのでトップバッター

トップバッターでの優勝はかなりきつい

だがそれが逆に緊張やプレッシャーを取り除いてくれた

そしてもう一つ緊張をほぐしてくれる出来事が

とんでもない話だが

相方の田中が

娘さんを下さいのネタを覚え切れていないので出来ないと言ってきた

本番中に

もうすぐ出番なのに

まさかのカミングアウト

それが何だか

笑えてきた、、

もう選択肢は１つ

サムライのネタをやる

自信があった

今日の軽いお客さんなら

サムライのネタがハマるんじゃないかと、、

そう思いながら

全ての欲を捨てて

漫才だけに集中する！！

そして

サムライのネタをいつも通りに

一生懸命やった

やり慣れたネタ

緊張はほぼ無かった

ネタを終えた、、

終わってすぐに思った事

優勝するんじゃないかこれ？

ハッキリ言って

とんでもないウケ方だった

M-1に挑戦して以来

いや、

今までの漫才人生で1番ウケた！

それ程の手応え！

ネタをやってる時より

やり終わった後の方が緊張してきた、、

やばい、、

本当に優勝するんじゃないかこれ、、

そしてセット裏で、和牛の漫才を見る、、

ノリに乗っていた！

先程の我々の凌ぐほどのウケ方！

完全にハマっている！

例年優勝する人のパターン！

ウケもさる事ながら

2人がすごい！

漫才中にお客さんの笑い声に乗せられてどんどんレベルアップしていってるような感覚、、

やはり優勝は簡単ではない

思い知った

僕は優勝への淡い期待を一旦沈めた、、

そして最後に銀シャリが登場

先程の和牛の煽りを少し受けているように見えたが

あれだけのプレッシャーを与えられ

優勝候補と言われ

優勝が目の前に見え

最後の順番を選び

これ以上無い緊張の中

よくいつも通り漫才が出来るなと、、

ここの底から尊敬してしまった、、

和牛と

銀シャリと

横に並んで結果を待った、、

不思議な感覚だった、、

昔から大阪の若手劇場で毎日一緒に立っていた2組、、

その2組と今

頂点を賭けて

全国ネットの大人気番組の生放送で並んでいる、、

劇場で何度も何度も横に並んでライブをしていた

この３組から１組が優勝？

信じられなかった、、

そして

いよいよ結果発表

やはり

やっぱり期待してしまう

緊張してしまう、、

やり切ったし悔いはない

でも最後の欲が出てしまう、、

ここまで来たら優勝したい！！

巨人師匠

銀シャリ

礼二さん

スーパーマラドーナ

大吉さん

銀シャリ

松本さん

和牛

上沼さん

銀シャリ

銀シャリが優勝した

本当に読めなかった

本当に誰が優勝してもおかしくないと思った

本当にそう思っていたから

銀シャリが優勝しても

素直に認める事が出来た

感極まる銀シャリ

晴れやかな顔で拍手をする和牛

少し悔しそうな我々、、

そりゃもちろん悔しさはある

もっとああ出来たかなこう出来たかな、後から思う

でも結局

この時は

これがベストパフォーマンスだったと思う

ただ

最後の最後

優勝が見えた瞬間

自分の人生にすごく感謝した

昔から自分の事はあまり好きでは無かった

何をするにも中途半端で

いつも程々で終わり

その不満を

他人にぶつける

そんな自分が好きになれず

こうやって歳を取って死んでいくのかなと思っていた

でも

M-1が変えてくれた

頑張らない自分を丸ごと変えてくれた

優勝が見えた瞬間

この瞬間だけは

自分という人間を素直に認める事が出来

自分という人間を好きになる事が出来た

嫌なこと、うまくいかない事がほとんどの人生において

あと何回こういう想いを作れるだろう

作りたい

作れないにしても

作る努力は決してやめない

1度きりの人生がもったいな過ぎるから

どんな困難にぶち当たっても

どんなに沈んでもどんなに情けなくてもどれだけ周りに何を言われようと

あきらめない

負けない

怯まない

前に進む事を辞めはしない

またいつか自分の事を好きになれる瞬間を作るために。。

M-1グランプリ2016〜優勝が見えた瞬間〜最終話をご覧頂きありがとうございました。

当時の想いを出来るだけ鮮明に正直に書くことが出来ました。

書きながら、やっぱり何事も正直に真っ直ぐ伝える事が大事だなと思いました。

少し時を置いて、次はM-1グランプリ2017のドキュメントを記事にしていきたいと思います。

良ければまた読んで下さい、そして良ければこの記事、この僕のnoteをもっとみんなに広めてもらえたら有り難いと思っています。