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【美術】バロックとフェルメール

4日目はバロックとフェルメール。バロック期には何人もの有名な画家がいますが、日本で最も有名な画家の1人、フェルメールを取り上げます。

バロックの難しさはその二面性にあります。16世紀には免罪符をはじめ、カトリック教会の腐敗が顕著となり、人々の反発からプロテスタントが誕生します。
質素倹約を旨とする原理主義的なプロテスタントでは、キリストや聖人の絵画を教会に飾ることは偶像崇拝にあたるとして禁じられました。したがって、プロテスタント世界(特に当時貿易都市として栄えたアムステルダム)では、富を持った裕福な市民階級の邸宅の壁を飾る肖像画や風景画が描かれるようになりました。
一方、復権を目指すカトリック世界では、かつてのような宗教画をさらに劇的ににする絵画を推奨し、人々の心に訴えていこうとする気運が高まります。

フェルメールはもちろん前者に位置付けられます。

フェルメールはカメラオブスキュラという光学機械を用いて絵を描きました(と言われています)。カメラオブスキュラは、ピンホール現象を利用したカメラの原型のようなもので、この技術によっめ遠近感を正確に表現できるようになりました。

『牛乳を注ぐ女』の大きさは45.5cm×41cmほどです。教会や宮殿ではなく、市民の家に飾られることを想定して描かれた作品に、大きさは必要なく、日常の風景にマッチする美が求められていたのでしょう。

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