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手術をするのか?……入院しています。 「入院3日目」


入院三日目。

寝れるか〜!

夜型の生活をしている西森に対しての、22時消灯は、、
普通のサラリーマンの19時消灯に値することを知れ! 
大部屋だけど、このように叫びたい。

寝れず……日が明けて2日土曜日、0時30分。
前日の日記の終わりから、まだ三時間ぐらいしか経っていない。

腹腔内膿瘍で入院しています。 血中炎症反応が半端無くて、入院しています。
血液の中の「身体のどっかが炎症を起こしてるぞ、やばいやばい反応」
が、通常は0.4以下なのに、、僕は12、もあり入院しています。 
おまけに、貧血でも、あるそうです。

よって、全く仕事を出来る状態では無く、安静にしています。

そういえば、前日に、検便(けんべん)して下さい、と言われていた。 
それを夜中の今、思い出しました。 

ブラックコーヒーみたいな、サラッサラの茶色い液体しか出ない人間に、何を求めるのだ!
思うが、、
便意が来たので……部屋の中では無い、少し離れた共同の大きい便所へ。

車椅子でも入れる、大きな個室便所だ。

部屋の便器が、コーヒーまみれになってしまう最悪の可能性を考えての、遠征だ。 

これを「ジェントルマン検便」と名付ける。

見たことの無い「検便キット」だった。 
「ウコンのチカラ」サイズの、ふた付きプラスチックケースと、、
ランチョンマットサイズのビニールと、病院で喉を見てもらう時の木のヘラ。

の、三点セット。 

バイタリティ皆無で、説明書を読む。 夜中0時半に、目をビー玉にして説明書を読む。

普通の点滴と、抗生剤の点滴を、キャスター付き鉄柱にブラ下げたまま、、
物音一つしない広い便所で、説明書を読む。

クラブで踊り狂っている人と、ちょうど真逆の行為。 
これを「逆ドゥンドゥン」と名付けます。

静かに読む。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

洋式便器の中に溜まった水の上に、、笹舟の如く、このビニールを敷け! と書いてある。

そして用を足し、上にのった便を木のヘラですくい、ケースへ入れろ! と書いてある。

数分以内に、速やかに便を取るのだ! と書いてある。 

心配するな! そのビニールはやがて、水に溶けるから! と書いてある。

溶ける前に、速やかに便を取るのだ、急げ! と書いてある。

そんなに沢山は、入れるなよ! と書いてある。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


見たことの無いキットだ。 

検便開始。

ビニールを笹舟する。 浮いている。 プラスチックケースと、ヘラを、、手の届く場所へ。

便を出す為、きばる。 いや嘘。 殆ど、きばらなくても出る。

「シャ〜〜〜〜〜」 大量に出たよ。 途中で止めれず全部出たよ。 

たくさん出過ぎて、ビニールが底に沈んでいったよ。
元々あった便器の水に……
コーヒーの「シャバシャバ、ゲリ便」が流れ混んで、ビニールが沈んでいったよ。

そして……とても薄〜い茶色の……大量の……うんこ汁が……完成したよ!

大失敗さ! 

軽くケツを拭いて、便器の端に置き……フルチンのまま、、
一応……木のヘラで、シャコシャコしてみる。 

この世で一番、情けない行為。  
夜中にフルチンで……薄まった自分の便を……木のヘラでシャコシャコ……。 

もう、記念撮影して欲しい。

これに勝る、情けない行為があれば、教えて下さい。
全く、意味なし。 全く、固形物もなし。 

取りようがないし、便器に元々あった水も混ざっているので、余計な雑菌だらけだろう。

検便失敗。 豪快にシャ〜〜して、大失敗。

一分ほど、ウンコ汁を黙って眺めた後、、不本意なまま退室、、そして就寝。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜おやすみなさい。

♦︎朝、7時30分…………検便成功。

というか、簡易便器を用意して頂いたのだ。
離れの大きい、個室便所の片隅に『西森検便成功祈願用簡易便器』を用意して頂いたのだ。
子供が使う『オマル』の巨大なヤツ。 成人用オマル。
それに向かって、なんの疑いもなく、、
「激くさブラックコーヒー」を、シャ〜〜と、やって、蓋を閉めただけのこと。

情けない。 
看護師さんに「後は、こちらでやっておきますので」と言われた。 
情けない。

オマルに、シャバシャバウンコしただけ。 そりゃあ成功する。 誰でも成功する。

あのシャバシャバを、看護師さんが、ケースに入れるのかと思うと、申し訳ない。

僕なら、舌打ちをしている。 何なら、ツイートいている。


♦︎14時。
塩分が恋し過ぎる。 男梅の飴、いやタブレットを舐めたい。 
あれは旨い。 あれを舐めたい、絶対に。

玄関に置いてある、僕のゴルフバックに……ネットで大量に買った中の、最後の一袋が入っている。

ヨメとは昨日、大喧嘩をした、、今日は、特殊工作員してくれない。 

入手不可能。 今日は売店は休み。 こんな点滴まみれでは、外出も出来ない。 

明日、売店が開く、朝九時まで待とう。
普通の男梅の、何かは売っているだろう。 なかったらどうしよう?  塩、直接買おうかなぁ。


♦︎18時になりました…………今は三度の食事は何もありません。 常に点滴を打っています。 
そこからカロリーを摂取しています。 
そして、周りの入院患者が、ご飯の時に、、
僕だけは、絶食のまま……朝、昼、晩と、抗生剤の点滴が追加されます。

食事の代わりに……抗生剤、頂いております。

直接血管からなので、味なし。 
美味しくは無いですが「頑張れ抗生剤!」とエールを送っております。

通常のポカリ的な点滴は、500mlありますが、定期的に追加する抗生剤の点滴は100mlぐらいです。
ヤクルトみたいな感じで、頂いております。

それプラス、口が寂しいので、お茶などをかなり飲みます。 
口を湿らす程度、と言われていた約束を、即、なかった事にして、もうガブガブ飲んでいます。

自分でも「気合の入ったクズ」だなぁと、感心します。

おかげで、身体が水分でブヨブヨ。 
ブヨブヨ過ぎて、ハイソックスの、ゴムの所の凹み方が半端ない。 

フクラハギが、砂時計みたいになっている。 怖すぎて、慌てて靴下を脱ぎました。
端から見たら、靴下にムカデが入ってきた人です。

すかさず、フクラハギを擦ります。 原始人でも同じ事をすると思う。
そして、至る所に、敵が潜んでいるぞ、という感覚になる。
あの味方だった靴下までもが! という感覚になる。
これがエスカレートすると
「私は宇宙人に狙われているの!」などと言い出すのでしょう。 


♦︎そして夜……点滴をぶら下げる「キャスター付き鉄柱」のキャスターがキコキコ煩い、、
と、看護師さんに言われる。
なので、音なくスムーズに動くものに交換させられた。 
ナースセンターでも「あいつキコキコ煩いなぁ」
「ほんで、煩い割にめっちゃ、ウロウロするやんけ!」
と、なっていたと思われる。

ナースセンターに、貼りだされる項目が増えた。

「西森飲み物監視」と、「飲食物強制廃棄、可」、に付け足して
「キコキコ騒音過多」と、「鉄柱付属徘徊頻繁」が増えた。

今夜も、ガム噛みまくって就寝。

絶食、72時間突入。


おやすみなさい。

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