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透明日記「雀・開発・架空の存在」 2024/04/11

強欲な小雀がドリルみたいな声でぼくの心に欲望をねじ込む。ぼくは痩せこけた召使いになって部屋の引き出しに走り、殻の剥かれたエサを取ってベランダに戻る。

皿にエサを盛ると、小雀は召使いの目を気にしながらガツガツと飯を食っていた。

アプリの設計をする。だらだらと慎重にやる。でたらめな設計はのちのち膨大な時間となる未来を孕んでいる。時間の種子はできるだけ刈り取っておく。種子は雑草となって開発の道中を覆い、人間と対峙するようになるからだ。

ベランダで、外壁工事の作業員が足らんかも、足りるかも、やっぱり足らんかも、いや、足りるかもとさわがしい。

夜はどよめく。車が道路をこする音は空によく響く。未来の音のように。空飛ぶ車の音のように。ずっと聞いていると頭の中で鳴っているように響く。自分が架空の存在のような気分になる。現実はどこにあるのか、分からなくなる。

架空の存在で考える未来の風景は傷だらけの空みたいに殺伐として、妙にきれいで、ずっと見ていられるものでした。

「機動戦士Zガンダム」
監視下に置かれ続け、自由を奪われ、奴隷根性が染み付き、去勢されきった、言い訳ばかりのアムロ・レイ。が、劇的な行動に出る。

Zガンダム13〜14話をもう一回観る。アムロとシャアが再会する印象的な場面はすごくいい。戦闘機を簡単に奪うアムロもいい。

今後の見所は、シャアの心境、カミーユの戦争観、アムロの心のED治療。

「クレオパトラ」
新版と希望コミックス版の『石の花』が揃った。昨夜は漫画版の『クレオパトラ』を読んだ。政争の渦中で愛と自由を心から求めるが、ついにそれを享受できなかった哀しい人間として、クレオパトラは描かれていた。

手塚仕込みの曲線のシンプルさ。その曲線で描かれる女体の明るさ。情事の場面の曲線のうごめき。曲線に知性を感じる。

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