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夕暮れどき、完熟梅を仕込む。

「そうだ、実家にいるうちに、白梅干し仕込んでおこう」

ふとスーパーで思い立って、梅を1キロ買った。わたしは7月上旬には長崎県波佐見町へ帰るけど、夏バテ対策に父が食べられるようにしておこうと思ったのだ。

保存料も入ってない、はちみつも入ってない、昔ながらの梅干し。食べるとしょっぱくて顔がキュッとなるやつ。わたしたち親子はそういう梅干しのほうが好きだ。

梅干しづくりは、究極までシンプルにすると、とても簡単だ。

用意するものは、梅と塩と焼酎少々、それから容器のジップロック、以上。紫蘇を入れて赤くしたりしない、白梅干し。

しかも、干すこともしない。だから正確には梅漬けだ。干さなくてもおいしいし、一年で食べ切れる量しかつくらないから保存期間も問題ない(梅干しは干すことで日光によって殺菌できるのだ)。

わたしの手抜きなつくり方はこう。

①梅をきれいに洗って拭き、ヘタを爪楊枝で取る。
②ジップロックに梅を入れる。
③ほんのすこし焼酎を入れて混ぜる(消毒)。
④18%の粗塩を入れて混ぜる。
⑤ジップロックのなかで平らにして空気を抜く。
⑥放置。

ほんとにラク。これだけなのに、梅干しだけでなく「梅酢」まで手に入れられるのだ。梅のエキスと塩が溶け合った梅酢は、最高の調味料になる。炒めものにかけてもいいし、唐揚げの下味にもいいし、浅漬けにも使える。

今日、17時で仕事が終わってすぐに、父にも手伝ってもらって仕込みをした。ひとりでできるだけれど、わたしは父からの信用がないので「娘のつくった訳の分からない保存食」にならないよう、材料や工程を知ってもらう必要があったのだ。切ない。

「これだけでいいの?」と父が言う。いいんだよ、父よ。

「おれ紫蘇が好きなのに。入れないの?」と父が言う。紫蘇の処理するのめんどくさいんだわ、勝手に追加しといておくれ!

夕暮れどき、完熟して赤や黄色に染まった梅の実を仕込みながら、いつも通り情緒もへったくれもない会話を楽しんだ。

ちなみに、18%の塩というのは多いほうだ。塩の量が多ければ多いほど保存性が高まり、腐るなどの失敗確率が下がる。わたしは失敗したくないので、多めにしている。

それによって、しょっぱさ強めの梅干しになるのだけど、梅干しを単体で食べることはないので問題ない。

梅肉を叩いて切ったきゅうりと和えたり、梅昆布茶にしたり、ごはんを炊くときひと粒ポンと入れたり。使い方はいろいろ! そういうとき、紫蘇の赤みがないほうが材料としては使いやすいとも思ってる。白梅干し最高。

みなさまぜひぜひ、梅仕事について、簡単なものだけをわたしにも教えてください。よろしくお願いします!

30minutes note No.1034

さいごまで読んでくださり、ありがとうございます! サポートしてくださったら、おいしいものを食べたり、すてきな道具をお迎えしたりして、それについてnoteを書いたりするかもしれません。