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ゴーストの詩

つぐみちゃんとの共同マガジン「ペチカ」。
あの、わたし、前回のつぐみちゃんのnoteを見て、驚きました。

いろいろ詩のことを教えてくれてるんですけど、つまり超要約すると「いいから、いっぺん詩を書いてきて」っていう指令のnoteでした。

わたしとつぐみちゃんのあいだで、「このマガジンに10個のnoteをつくろう。その記念すべき10個目に詩を書こう」っていう話をしていたんです。密約です。だからわたしは、油断していました。言葉を飾らずに言えば、つぐみちゃんの裏切りです。でも、なんかわくわくしちゃうんだから、不思議なものですよね。

ということで、とてもとても遅くなってしまいましたが、わたしも詩を書いてみました。これが詩なのか、自信がありませんが、まだ詩がなにかもわかってないわたしが書くのだから、ゆらゆらしたゴーストの詩だと思って、えいやと投げます。

「じぶんの心の中にあるものを率直に吐き出す言葉」が詩だと、つぐみちゃんは言いました。心の中を素直に吐き出すって、こんなにむずかしいのか、と痛感しました。

もうとにかく大変で、心がダークサイドに落ちてると、詩が暗いのなんの。恐ろしさしかないです。ふだんの生活で落ち込んでることを表に出さないようにしても、詩を書こうとして正直になると落ち込みが顔を出す。ゲームのモグラ叩きのようでした。なんとか持ち直して、すこしはお天気のよい心持ちで書けたと思います。

詩のお題は、マガジン名にもなっている「ペチカ」です。
ロシア語で暖炉、オーブンっていう意味。レンガでできてて、すごく大きいらしいです。部屋と一体になってて。見たことは、ないんですが。見てみたいものです。

ではどうぞ。

ペチカ、ペチカ、
わたしをあたためるもの。

ふくらんだ気持ちがプラネタリウムになって
じぶんのなかに光があることに気づく。
集めた星を焚き口へ投げたら、
ぼっ!と火がよろこんだ。

醒めて冷たくなっていた、ちいさなきみも、
気持ちを火にくべて、あたたまるといい。
化石になった気持ちも、しずくで湿った感情も、
くべてしまえば、炎の一部になるだろう。

かたわらで春の日のように寝そべる彼女。
炎のたねが、うれしさでも、さみしさでも、
こうして熱エネルギーになれば、ただの平和になる。
どのじぶんもうれしい昼下がりに、星が生まれる。

まどろむ彼女のまつげがうつくしく空を向く。
ほっぺはいちごのように赤く色づいている。
穏やかに暮らすよろこびを、ただ夢見てほしい。

窓からの陽射しにひとさし指をかざすと、
ささくれがピンと立って、白く光っていた。
時空も思惟もかさぶたも超えて、ぬくもりはここにあるよ。

いくつもの感情が、
揺れて集まって燃えて、
灰になったようで、熱になっている。

ペチカ、ペチカ、
わたしたちをあたためるもの。

もう、もう、わたしからはこれ以上、恥ずかしさで、なにを書いても言い訳しか出てきそうにないので、この詩みたいなものを投げて、終わりにしようと思います。

あとは、つぐみちゃんに任せましょう。
「一回、noteに出す前に見ようか?」と彼女は言ってくれたんですが、それじゃあおもしろくないよな、と思って、ここではじめて彼女も見ることになります。
煮るなり焼くなり切るなり、すきにしてください。
つぐみちゃん、ほんとうに遅くなってごめんなさい!

それでは、またね。

さいごまで読んでくださり、ありがとうございます! サポートしてくださったら、おいしいものを食べたり、すてきな道具をお迎えしたりして、それについてnoteを書いたりするかもしれません。