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夏に重宝する飲み物、出汁+梅酢。#佳日のほとり Vol.03
残暑お見舞い申し上げます。まだまだ厳しい暑さが続いておりますが、みなさま、いかがお過ごしですか。
わたしは涼しげな飲み物づくりをあれこれ試して、暑さをしのいでいます。緑茶や紅茶を水出しにしたり、杏のシロップ漬けを炭酸水で割ったり。そのなかでも、今年の夏にたくさんつくったのが、冷やした出汁。梅酢を入れて飲んでいます。栄養もあるし、リラックス効果もあるのでおすすめです。
昔は「出汁を取るのって難しそう」と思っていたのですが、手軽な出汁パックを適当に煮るとおいしくできると知って、細かいことを考えるのはやめました。まずはおいしく飲む! その先のレベルアップはまたそのうち(ずっとレベルアップしてないんですけど)。
いつも、出汁を仕込むのは夜です。深夜、家に帰ってから。冷ます時間が必要なので、帰宅後、手を洗ってすぐに取り掛かります。
琺瑯(ほうろう)のミルクポット(容量1L)に、水と出汁パックを入れて火にかけます。出汁パックもいろいろ売ってますよね。わたしはいまは、ヤマキの「鰹節屋のだしパック」を使っています。Amazonのセールで安くなっていたのと、原材料が「かつおぶし、そうだかつおぶし、こんぶ」の3つだけなのが気に入って購入。味も好きです。
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濃いめの出汁にしたいので、ぜいたくにパック2つ。1つも試したのですが、たまに氷を入れて飲むときもあるし、薄まることを考えて2つになりました。
これがいろんな具材を入れる味噌汁とかだったら、具材からも出汁が出るし味噌の旨みも加わるので出汁パック1つでいいのですが、基本そのまま飲んでいるので、ここはケチらず使います。
沸騰して数分したら火を落として、しばらく放置。時間も計らず適当です。このとき、すごくよい香りがキッチンから部屋中に広がって、癒やされます。出汁を取ることのよさをしみじみ感じる時間です。
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この文章を書くにあたって、出汁についての論文を読んだのですが、出汁を飲むと心拍数の減少や副交感神経活動指標の有意な増加がある、つまりリラックスの効果があると書かれていました。しかも、飲む以前に香りを嗅ぐだけでも同様のリラックス効果があるみたいです。
つくるときの香り、飲んだときの味、どっちもうれしいのが出汁のいいところ。
出汁が取れたところで、HARIOのフィルターインボトル(容量750mL)に注ぎます。この工程があるから、注ぎ口のついたミルクポットが活躍しています。しかもこのボトルは耐熱硝子なので、熱いものを注いでも大丈夫なのもうれしいです。
ひと肌ぐらいの温度になったら、冷蔵庫へ。一晩冷やしてから飲みます。
翌朝、よく冷えたのがこちら。
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使っている出汁パックは塩分が入っていないものなので、飲む前に梅酢を足しています。梅酢は梅干しをつくるときにできる、うれしいおまけ。梅から出るエキスに塩が溶け込んだものです。
冬場には、あったかい出汁に梅干しをひとつ入れて、箸でくずしながら、どんどん旨みが増してくるのを味わいますが、冷えた出汁には梅酢のほうが手軽で、しかもグラスで飲むときにも澄んで美しく見えます。
梅酢はジップロックで梅干しを漬け終わったら、液垂れしないボトルに移して使っています。紫蘇を加えていないので、梅酢も完熟した梅の色そのまま。出汁の色もそんなに変えません。
冷やし出汁をつくりはじめた当初は、塩や醤油で塩分を足していました。ですが梅酢のほうが、酸味が加わって味も引き締まりますし、クエン酸などの梅の栄養も溶け込んでいるので疲労回復にもいいです。
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ああ、おいしいなあ。
この夏までは、ジャスミン茶や緑茶などをメインでストックしていたのですが、夜には睡眠のためできるだけカフェインを摂りたくないのと、味にハマって出汁がメインになりました。
それに深夜、家に帰ると、けっこうお腹が空くんです。そんなとき出汁は空腹感を和らげてくれるので、助かっています。
朝には、梅酢入りの出汁をトマトジュースと割って飲むことも。これも好きです。鰹節に含まれるイノシン酸と、昆布とトマトに含まれるグルタミン酸は、相乗効果で旨みが強くなる組み合わせ。意外といいですよ。
そうめんや蕎麦を食べるときにキンキンに冷えた出汁があるといいです。たまに出汁を温め直して具を足し、スープをつくることも。溶き卵に出汁を混ぜてレンジ加熱をし、なんちゃって茶碗蒸しにするのもあり。冷蔵庫に出汁のストックがあると、心に余裕ができる気がします。
この夏はあまりに過酷で外に出るのも億劫ですが、わたしは出汁+梅酢に助けられつつ、なんとか暮らしています。
まだしばらくはこの暑さも続くようですので、みなさまどうぞご自愛ください。
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【ENAMEL MILK POT】
オーストリアの琺瑯メーカー『RIESS』社製のミルクポット。スープやチャイのほか、袋麺をつくるときにも活躍! 深さがあるので、ちょっとだけ揚げものをするのにも油はねの心配がすくない。汚れが気になるときは重曹ですっきり落ちるのもお気に入りポイント。
『RIESS』は1550年創業。オーストリアで唯一の調理器具メーカーであり、オーストリアで最後の琺瑯製品をつくるメーカー。ちなみにこの爽やかなカラー「AIRFORCE」はロンドン発の生活雑貨店『LABOUR AND WAIT』の別注カラーとのこと。
【フィルターインボトル】
『HARIO』のワインボトル型の水出し茶ボトル。耐熱ガラスで、蓋の部分はシリコン。水出しのお茶もおいしくつくれるし、出汁をストックするのにもよく使う。たまに水とレモンを入れてレモンウォーターにしたり、ワインと果物を入れてサングリアにしたり。横置きはNGなのでお気をつけて。
『HARIO』は1921年創業の日本の硝子メーカー。安心安全な素材でつくってくれているので、信頼してます。いまは硝子の浅型ボウルを狙っているところ。
参考文献:日本栄養・食糧学会誌 第71巻3号「出汁がヒトの自律神経活動および精神疲労に及ぼす影響」
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