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編集しているときに勝手に思っていること。

5月からはじめたnoteマガジン『KUKUMU』と、最近7月からひと月ちょっと連載する、金子ゆうきさんのnote。どちらも企画と編集をしていて、同時並行している。仕事じゃないけど、仕事じゃないからこそ全力を注いでいる案件だ。

こんにちは、こんばんは。栗田真希です。

会社の仕事が終わったあとに、ちょこちょこ作業している。楽しい。ライターとして自分が文章を書くのとは違う楽しさだ。冒頭に挙げたふたつの企画ほど濃厚な朱字を入れることって普段そこまで多くなくて、自分の血肉にもなっているなと思う。わたしも成長させてもらっている。

もう何年前だろう、自分がコピーライター志望だったときのことを思い出した。一流のコピーライターの先生が言ったことだ。

「企画をもらったその日にコピーを書くことはない。すくなくとも1日は寝かせるようにしている」

とのことだった。そのときは、よく意味がわからなかったのだけれど、いまはわかる。

ライターさんからもらった文章に、その日のうちに朱字を入れられないのだ。

それぞれが魅力的だし、一生懸命書いてくれてるのがわかるし、ファーストインパクトに浸りたいし、「わあああ、ありがとうございます!」という気持ちが強い。最初は単なる読み手でいたいというのもある。

しかし、「ありがとうございます!」だけじゃ朱字じゃない。と思う。

文章をもっとおもしろいものに磨くために、考えるには時間がいる。無意識の海に放流しておく感じ。

わたしはこの時間を経ずに編集することが、どうやらできない。簡単な誤字脱字チェックとは違うから。

編集しているあいだ、その相手の人生のことを考えている。

わたしは書き手の文章を輝かせたい、というより「その人の人生がもっと輝くための手伝いがしたい」となんとも勝手で傲慢なことを思っている。

書いて、新しい階段を登ってほしい。そしてその景色をわたしにも一緒に見させてほしい。

そんな気持ちで編集していると、いい影響がいろいろあった。自分が書くときにも推敲しやすい。それだけでなく、読んでるときに自分にはない論理展開を吸収することもできる。さらに自分の考えを言語化して説明するので、「こうやって普段ジャッジしてるんだ」と客観的に捉えられたことも大きな収穫だ。

金子ゆうきさんのnoteの編集は映画評を含めれば今年の1月から、『KUKUMU』は5月からやっている。多少慣れてきたけど、ちょっと遅れ気味になるときもあるけど、できるだけ原稿の深いところまで潜って朱字を入れ続けているつもりだ。

だって、書き手は人生の一部を注いで、書いてくれているのだから。

30minutes note No.1038

さいごまで読んでくださり、ありがとうございます! サポートしてくださったら、おいしいものを食べたり、すてきな道具をお迎えしたりして、それについてnoteを書いたりするかもしれません。