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閑話休題:日向坂46の"目標"と"キジュン"を考えよう

はしがき

本稿は巷で話題(?)の日向坂46の現状と展望を私なりに解釈した痕跡となります。
乱文乱筆ですが、「「ライブで最強になる」ってどうやねん」と考えておられる方には是非お読みいただきたいです。
各章なるべく無責任な言及とならないよう努めましたが、不快感を与えることがあれば申し訳ございません。




炙り出された目標の"不明瞭さ"と"不統一さ"

「日向坂のライブを体感して欲しい」「ライブで最強になる」と打ち出した2ndアルバムのトレーラー。
今となってはそこまででもありませんが、当初のコメント欄は各所での日向坂46の現状についての議論から、目標や展望に対しての疑念の発言まで様々な内容が散見され、"不明瞭さ"を憂慮されているファンが少なくない数いらっしゃるのが見て取れました。

他方、遡れば東京ドーム公演以降、グループ内で目標の"不統一さ"が露見する機会がこれまた少なくない数ありました。
直近発売の日経エンタテインメント内でも、「まだ見つかっていない」「ドームツアー」など語られる目標が様々であることからもそれが伝わってきます。

なお、高瀬さんによるタイトルからまなふぃ(概念)なブログで、憂慮するファンには「心配かけて申し訳ないけど、私たちを信じて」、目標については「今模索中、見つけるまで諦めない」と、どちらにもまなふぃ(概念)なアンサーをしてくれています。

「ライブで最強になる」は統一された目標に足り得るか

が、目標が統一されていない現状が改めて明らかとなったことはやはり重要でしょう。

心理学には「集団実体性(集団の認知される存在感の程度)」なるものがあり、そこでは「共通目標(集団内での目標の共有の程度)」が正の相関をもたらすとされています。

平易にすれば、「メンバーが目標をしっかり共有できていればいるほど日向坂46の存在感が増す」ということ。つまり、客観的事実として目標はできる限り統一する方がグループとして望ましいと言えます。

さらなる理想としては、ファン側もその目標を(一端で構わないので)共有できていること。
そうすると更に広い範囲に影響を及ぼす=ファン層の拡大に繋がります。

言うまでもないほど極めて直感的なことですから、このような学術的なことを考えずとも「統一された目標の模索」が進行形で行われているわけですが。

そして周知の通り、目下統一された目標の一大候補として「ライブで最強になる」が挙げられています。というかこの方向に進んでいますね。

これに対して様々な意見があることも先述の憂慮や迷いの一因であることを承知の上で、あえて自他にこう問いかけてみたいと思います。

「ライブで最強になる」は統一された目標に足り得ると思いますか?

そもそも論、「ライブで最強になる」はあまりにも抽象的かつ突発すぎるゆえに、現段階では目標として広く受け入れられにくいのかなと色々見聞きして感じています。

メンバーは多かれ少なかれその志を持って動いているようですが、現状のままでは「ライブで最強になる」は一定数のファンにとっては目標に足り得ない、すなわち統一された目標にはなれないというのが見解です。

今後の日向坂はこの方向に進んでいくでしょうから、そういった方々は残念ながら離れていってしまうのかなと。

そうしてファンが少なくなることや、本来なるべくファンも目標を共有できた方がいいことを考えると、この現状には勿体なさを感じます。

加えて私個人としてはどこが始点にしろ日向坂から発されたものをそうして無下にしたくない派なので、「「ライブで最強になる」はちょっとよく分からんな…」という方々に向けて、次章でひとつ提案をさせていただきたいと思います(強要ではございません)。

「ライブで最強になる」を"最上位の目標"として据えてみよう

改めまして、「「ライブで最強になる」がちょっとよく分からん」となっておられる方々へひとつご提案させてください。

「ライブで最強になる」を"最上位の目標"として据えることで目標として受け入れてみる、というのはいかがでしょうか?

ちなみに私の考える最上位の目標とは、「完全な達成ができないもの」です。恐らく日向坂もこの意図で「ライブで最強になる」を掲げたのではと考えています。

「いやいや、それではダメでしょ」とのお声が聞こえてきますが、達成できないからこそ良いのです。永久に追い求めることができますから。
最上位の目標にゴールするとどうなるかは、ここ1年と少しで十分明らかになったはずです。

メンバーも"分かりやすさの担保"のため、ドームツアー等といった「ライブで最強になる」と親和性のある具体的対象(それこそ東京ドームのような)を探そうとしているようですが、あまりそこは意識しすぎず「ライブで最強になる」を追い続けることに愚直になればいいのでは、と思います。

というのも、大切なことは最上位の目標に向かう過程で何を残していくかであって、目標自体はただただそのベクトルでしかない、という考えが私にはありまして。

東京ドームが最上位の目標であった『約束の卵』を叶えるまでもそうだったのではないでしょうか。

もちろん東京ドーム公演は非常に素晴らしいものでした。
ですが、「私たちにはまだまだ先の夢」と正しく現状を見つめながらも、「でも諦めない、頑張るのでついてきて欲しい」と彼女たちが切り拓いた過程がなければ、あれほど感動するライブにはならなかったと思います。
私の知っている日向坂46はそういうグループですし、そんなグループだからこそ好きになりました。

決して悪い事ではないでしょうが、同様にライブ会場等を最上位の目標にするのにはいつか限界が来ると思います。

『約束の卵』と「ライブで最強になる」は、目標としての明瞭さに雲泥の差はあるものの、それはむしろ今の日向坂にとっては好都合であり、遠く離れたものを追いかける点で私の中では重なる部分も多いです。

分かりやすい最上位の目標でなくても、『約束の卵』を経験をした日向坂46であればファンを巻き込み素晴らしいものにしてくれるだろうと思います。

ただし、「ライブで最強になる」があまりにも抽象的すぎることには変わりありません。なんとなくでも「そうかもね」と思って頂いた方に少しでも納得していただくためにも、この問題は解消しなければなりません。

そのためには「ライブで最強になる」までの説得力ある過程を設計・評価することが欠かせません。次章ではその方略について考えていきます。

最上位の目標までの過程=下位目標を設計・評価しよう

具体的な最上位の目標までの過程の設計・評価の方略として、「いつ、何を、どうやって」を項目数の下限として、到達度および過程を評価していくものさし=「ライブで最強になる」の下位目標を設定し評価することが必要だと思います。

要するに、千里の道も一歩より・結果は後からついてくる理論です。これまたどことなく直感的ですね。
突発的だった横浜聖地化や『知らないうちに愛されていた』での〆も、押し通している間になんやかんやでじわじわと進んでいたり惜しまれるようになっていますし。
同じように「ライブで最強になる」ための下位目標も丁寧に設定していきたいところです。

さて、目標を東京ドームと仮定してその理論の「いつ、何を、どうやって」および下位目標の例を考えてみると、

・いつ→東京ドームまでの各ライブ
・何を→応募総数
・どうやって→東京ドームのキャパシティー分集める
→達成するまで過程の評価(未達の原因の分析・検討・改善)を行う

安直ですがなんていうのが思い浮かびました。もちろん実態は分かりかねますので、見当違いであれば申し訳ありません。

一方、応募総数などの評価として分かりやすい(想像しやすい)数字たちとは別に、数値化しきれないメンバーの表現力・歌唱力・実感・手ごたえなどの過不足も評価へ加味していかなければなりません。

また東京ドームを例にしますが、開催が決定した2020年には既に数字上は勝てる算段があったと考えるのが妥当です。
しかし、「希望と絶望」などで当時の状況を垣間見る限り、メンバーの心身が2021年の公演に追い付いていたようには到底思えません(コロナ禍の影響も大きいと思います)。

もし同じような事象が起これば、「ライブで最強になる」というのはメンバーにとってもファンにとっても到底歓迎されない最上位の目標になってしまうことは明らかです。

このことも踏まえると、何であれ最上位の目標までの経過には、やはり数字とそうでないもの両方の観点からの評価が必要と言えるのではないでしょうか。

ただ、これらの決定は運営サイドのことですので、ファンとしては提供されるライブの"良い空間づくり"に積極的に寄与していきたいところです。

話が逸れましたが、次章では数字とそうでないものの評価観点について、教育業界の視点から論じたいと思います。

ふたつの"キジュン"

教育業界では、前章で論じた主として数字などによる量的な評価の観点を「評価基準(もとじゅん)」、数値化しきれない(文章化しなければならない)質的な評価の観点を「評価規準(のりじゅん)」と言います。

一見どちらも同じ"キジュン"ですが全くもって質が異なっていること、前章で私が提唱したふたつの評価観点にほぼピッタリ当てはまることがお分かりいただけるかと思います。

ということで、余計煩雑になるかもしれませんがこれら"キジュン"の図解を一応試みました。

目標と評価基準/評価規準の関係性
特に規準を目標達成まで分析・検討・改善する→どうにもならない場合は基準の修正
(余談ですが空色ってキレイですね)

「ライブで最強になる」を最上位の目標として据え、「意図を持った目標までの評価基準/評価規準の設定とその達成のための過程」で示していってほしい、というのが本章のまとめです。

とは言ったものの、こうして客観視すると「ライブで最強になる」ことは評価基準(下位目標)の設定がかなり難しいなと思います。

単純に考えると参加したファンとメンバーの満足度的なものを調査して指標とするのが妥当な気がしますが、「ライブで最強になる」経過を評価する到達度って他に何があるでしょうか…。

距離は遠くなりますが結果満足度に繋がりそうなので集客率もアリっちゃアリですかね。あとは単純にライブ数なんかも挙げられるかもしれません。
そうすると「ドームツアー」や「新国立」等も自然と「ライブで最強になる」までの下位目標に据えることになるでしょうね。

他に評価基準(下位目標)の良案があれば是非コメントください。

ファンに"キジュン"は見えない話

と意気揚々と語っておいて何ですが、ここまで日向坂46を大きくしたチームが、またまたこんな当たり前のことを考えていないはずがないので、「ライブで最強になる」までの過程(下位目標)は明示されていないだけなのでしょう。

悲しいかな、基本的にメンバー発信を待つ以外は知る由がありません。

だからこそ、ただ現状を憂うだけに留まらず、この観点から憂いている内容を鑑みたり改善案を試案することができれば、発信内容も自然と建設的になるでしょうし、結果目標達成へと早く繋がるのかなと考えたりしています。

見えない部分を悲観するのも期待するのも自由ですし、色々な関わり方や考え方があって然るべきです。
SNSの声は確実に届いているようなので、せっかく発信するならそういうものの方が日向坂は喜んでくれるかもしれません。なんて思ったり。

"キジュン"の存在価値と個人的な展望

もう少し"キジュン"に踏み込んでおくと、本来それは設定して評価する側が、評価される側の"キジュン"への到達度に応じて、現状のモノ・コトの質をチェックし改善を図るサイクルを回し、相手を目標達成に近づけるためにある指標です。

分かりやすいものはテストと授業の関係性で、最終目標に対する評価基準(テスト)への到達度を踏まえ、評価規準(授業で教える内容)を教師側が改善していく、という塩梅です。

それゆえに"キジュン"は目標を目標たらしめる存在であり、腰を据えて熟考しなければいけない存在なので、やはりここには心血を注いでほしいなあと思いました。

また、『「ライブで最強になる」は統一された目標に足り得るか』内でも少し触れたように、私自身は日向坂46が掲げたものであればおそらく何でも大手を振って賛成し応援します。

するのですが、それは決して盲信では無く、ここまで記載してきた通り拠り所が過程を大切にできているかどうかにあるからです。だからといってメンバーが無理をする構図は論外ですよ。
結局、(無理なく)頑張る姿を見たいだけの人間なのです。

前章で"キジュン"は見えないと言いましたが、ライブを体感して欲しいと宣った2ndアルバム収録の新曲を連日連夜聴き、「ライブで最強になる」を本気でめざす運営チームの心意気を少なくとも私は感じました(でも『きたじ』は全編入れて欲しかったな)。
一旦没にしたこのnoteを再び書き起こしたのもこれが大きなきっかけです。

となれば、「ライブで最強になる」ための過程を最高の形で表現していきたいというメンバーの熱意と活動もこれからますます目にすることが増えるでしょう。

そんなチーム日向坂なら、頑張る姿が見たいだけなどと言っている私の想像以上の過程を提供してくれたうえで、目標なんて何でもいいなどと言っている私がぶっ飛ぶような素晴らしい目標を叶えていってくれるだろうと信じています。

それが「ライブで最強になる」という道なき道の行く先であることを願ってやみません。

あとがき

最後までお読みいただきありがとうございました。
結局言いたいことは「目先の結果や分かりやすい目標よりも、もう少し期間と精度を丁寧に顧みて過程を批評してみようよ」ということです。

冒頭で掲載したブログで、まなふぃはこうも語っています。

何を言っても、何を言われても、これが今の日向坂です。

お時間のあるときにぜひ読んでください☀』 より一部抜粋

ハッとしました。過程などと悠長なことを言っていられないのも事実ですが、誰よりも高く跳び「ライブで最強になる」には、その分深く深く屈まなければいけません。屈んでいては結果は出ないこともまた事実です。
詳細は見えてきませんが、「今の日向坂」はまさしくその最中なのではないでしょうか。
私はそうであることを信じて待ち、なおかつ屈んでいる状態も楽しんでいく所存です。

他方、四期生は絶賛新参者で活躍中です。
参加した方々の反応を見ていると、「今の日向坂」にとって「新しい風」となることを願い続けた彼女たちが、まさしく新しい風として「ライブで最強になる」ことを先頭を走って示しているような気がします。
幸いなことに配信日が2日ありますので、変化を含めこの目でも直接確認したいと思います。

先輩は先輩で「四期生にいいところを見せなきゃ!」と思っているし、四期生も「先輩たちに早く追いつかなきゃ!」って気概を感じるので、お互いにいい刺激を与え合える関係になっているんじゃないかな。

こちらより一部抜粋

そうなると次は先輩たちの番でしょう。そして次は全員で。
「ライブで最強になる」ためにどこまでも高く跳ぶ日向坂46が楽しみです。

いよいよ年の瀬が近づいてきましたね。今年もそうでしたが、良い事も寂しい事もひっくるめて、来年もグループには少なくない変容があるでしょう。
とりあえず1年後、「ライブで最強になる」という最上位の目標はどんな轍を作っているでしょうか。
期待に胸を膨らませながら、今だからこそこの2曲を添えて筆を置きたいと思います。

ということで、日向坂46の"目標"と"キジュン"を考えようでした。
ではまた次の機会で。


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