Zenbeatsの全ビーツ

はい。はいじゃないですね。
今回、電音部×Zenbeats主催のリミックスコンテストに参加しました。その条件としてRoland謹製のDAW『Zenbeats』を使用とのことだったのでアレンジメントからミックスダウンまで行いましたので、使用感を書いていこうと思います。


1)立ち上がりが早い

このDAWはまずこれが印象的です。サクッと立ち上がってプロジェクトもすっと立ち上がる。自分の場合途中からサードパーティをどんどん突っ込んでいったのでプロジェクトの立ち上がりは徐々に遅くなりましたが、ストレスになるほどでもないです。

2)Ableton Live的なアレンジメントビューの扱いやすさ

今回はアレンジメントビューのみで作業しましたが、やっぱり⊿を引っ張るだけでループがコピペできるのは非常に楽です。ちなみにコピペも右クリックメニューから他のDAWより簡単で多機能になっています。

3)ドラムトラックの独特な立ちふるまい

ドラムエディタで打ち込むと、独特の挙動をします。特に音色変化が顕著で、同じベロシティで打ち込んでも音が違います。ただ音色変化がないほうがいいという人もいると思うのでここは賛否が分かれそうですが、実機に近い動作をするという考えもできます。

4)スウィング操作が簡単

大体のDAWはトラック単位でスウィングの調整をすると思いますが、これは左上のトランスポート・セクションからおこないます。曲全体にかけることができて非常に便利です。またドラムエディタからはスウィングのオンオフが可能です。

5)波形のテンポ追従が容易・音色の劣化がかなり少ない

波形音源は貼り付けるだけだとデフォルトでテンポ追従します。また、オーディオ・エディターから同期のオンオフ・ピッチの変更が別々に行なえます。かなりこのあたり優秀なのが音色変化しにくく、他のDAWから抜きん出ているんではなかろうかと思います。

6)ミキサー画面でフィルタ処理ができる

これはかゆいところに手が届く機能だと思います。特に電子音楽でさっとサウンドの雰囲気を作れるのがフィルタなので、予めそれがついているのはわかっていますね。

7)フォルダ参照機能がほしい

やっぱり手持ちの波形データをさっと貼り付けたいのでそのブラウザはほしい。今回はKomplete Kontrolをスタンドアロンで立ち上げて対応しました。ただ、オールインワンで作業するのであればたしかに充分。

8)オーディオ・エディターで波形の状態を確認しよう

作業中、一番仕様に気づかなくて手間取ったのがオーディオ・エディターでした。ループする必要のないものはあらかじめオフにしておいたほうがいいと思います。ずれたり、途中で音が鳴らなくなったりすることがありました。

9)フリーズ化するとエフェクトが掛けられないため、バウンス機能がほしい

自分の場合、Ableton Liveを使っていたときはミックスダウンの前に全部ステムアウトしていたので気にならず、また今使っているStudio Oneではフリーズ機能がない代わりにMIDI音源のオーディオ化という機能があり、その後にエフェクトを掛けられたので気にならなかったのですが、Zenbeatsではフリーズ化したらエフェクトを追加できなかったのが苦労しました。せめてオーディオトラックへとバウンスできるとやりやすいですね。

10)ドラムエディタのパラアウトがしたい

もっとも、これはAbleton Liveでもそうだったのですが、ミックスダウンのとき個別にサウンドメイクしたい性分なのでパラアウトができるようになってほしいですね。ちなみにドラムエディタには音色ごとにエフェクトを最大4つまで挿入できますが、個人的には足りないのとミキサー画面で扱いたいところです。


ざっくりいいところ、改善がほしいところを書いていきました。UIデザインがシンプルだとやはり作業に没頭できるところが良いと思います。実際、リミックスを作る作業は昼から始めてそのまま午前2時までやっていました。まだ生まれて数年のアプリケーションなのでこれからどんどん使いやすくなっていくことだと思います。気が向いたらiPhoneでも使ってみたいと思います。

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