思い出の旅 西安・敦煌
その3
2004年8月17日 天気☀
何の手違いか7人のうちの2人にだけに弁当が付くといった騒動ののち、敦煌空港に到着。他のツアーの日本人客が空港で倒れる。幸いにも、しばらくして、車椅子で移動できるようになる。旅の途中でこういった状態になると本当に困るだろうと他人ながら心配する。(まさか、この後、夫の身に起ころうとは思いもよらなかた…。)
名残惜しい敦煌に別れを告げ、機上の人となる。
西安の空港に着いて、男性ガイドと行き合う。すぐに昼食。偶然にも、昨年食べたレストランの隣の店であった。
昼食後、昨年とは比べものにならないくらいきれいになった市内に戻り、西城門の見学。完全に保存されている世界最大の古代城壁だ。城壁の幅広さに驚く。高さより厚さのほうが大きいのだ。街を守る城壁としてはこのくらい必要なのだろう。長安を舞台とした色んな話を思い出す。
西門は、シルクロードの発着点だ。城楼内の土産物店の窓からシルクロードへと続く道を見ることができる。 城門内部の国営の店に、「平山郁夫原画」という絨毯が売られていた。
一度ホテルに戻る。ロビーを飾る壁画は、日本人画家 田村能里子さんが描いた朱色主体のラクダの絵だ。田村さんは、このホテル「唐華賓館」だけでなく、客船「飛鳥」の壁画も手掛けた日本を代表する画家だ。彼女の作品には逞しく生きるアジアの女性をモチーフにしたものが多い。ホテルの部屋の小物は全てこの絵でパッケージされていた。
荷物の整理をしてからお茶の店〈和楽〉に行く。お茶の入れ方が雑で、美味しさが半減。第一、部屋の雰囲気がよくない。(昨年訪れた店と格段の差)それでも茶葉を買いたかったので「目の前で詰めてほしい」と依頼し、3種類の茶葉を買う。
市内の中心地で夕食。敦煌で食べたものより味が良く、食べやすい。麺作りの実演を見る。包丁を使わず見る間に細い麺ができる。
私と夫は、足マッサージへ。送迎付き70分で200元。かなり痛いけれど疲れがほぐれていく。
ホテルに帰ってすぐに腹痛。体を温めてすぐに休む。夫はこの時点では、すこぶる元気。
2004年8月18日 天気☀(西安は晴れていてもすっきりした青さはなく霞がかかった感じ)
朝、私の体調は回復、ところが、今度は夫が体調不良だと言う。兵馬俑坑へ向かうころには更に悪くなる。悪いことに、駐車場から兵馬俑坑までは昨年の3倍くらい歩くように変わっていた。 昨年、ゆっくり見た所なので、夫は、休憩していることにする。西安のガイドは簡単に説明するだけ物足りない。昨年のガイド魏苓(ぎれい)さんは、とてもわかり易く丁寧だったことを思い出す。
秦の始皇帝陵に移動する。グループの人たちが見学している間、私たち夫婦は衛兵交代のセレモニーをやる場所で休憩して待つことにする。コーラやスプライトなどのボトルで夫の頭や首を冷やす。
続く華清池は、池の上に舞台を建設中で写真を撮りにくく残念だった。待機すると言う夫を木陰に残して私は見学へ。ここでも、ガイドの説明が大雑把すぎて残念。
昼食後、翡翠とシルクの店に行く。ここで、なんと昨年のガイドの魏苓さんと会う。今日は、香川県から来た中学生の通訳をしていると言う。とても忙しそうだったので、記念写真を撮って別れる。
夫はベッドで休むことにし、私たちは大雁塔見学へ。晴れていてとてもよく見える。今回は、汗だくになることを覚悟し、塔の上まで登ることにする。7層まであり、暑くて大変だ。登りながら、何年もかかり1200余巻の経典を漢訳した玄奘のことを思う。彼のインドへの旅を書いた「大唐西域記」(西遊記の元)に出てくる孫悟空と猪八戒のモデルの僧侶の像も見る。
塔を降り涼んでいると、ガイドが「どうしてもトイレを使え」と言う。何しろ5つ星のトイレだそうだ。鍵がかかる、エアコンが利いている、水が自動で流れるまではよかったが、ペーパーはない。
「徳発長」で餃子尽くしの夕食。夫は、少しだけ食べる。食後、バスで横になって待つという夫を残し、デパートへ。私は地下の片隅の食品売り場で少し買い物をする。日本のデパ地下とは全くイメージが違う。
ホテルに戻ると魏苓さんから電話が入る。仕事が終わらず、話をする時間がとれそうもないので、お土産を届けてくれるという。そして、夜中に病院へ行くようなら電話してほしいと嬉しい言葉。
夫はダウン。今晩一晩で熱が下がるだろうか。
2004年8月19日 天気☀️
夫は、昨夜は眠れたというが、相変わらず調子はよくない。熱も下がらない。出国できるだろうか。
心配しながらバスで空港に向かう。
上海の出国では検疫検査がなく素通り。ひと安心。このまま一人中国に残留となったらどうしようと本人が一番心配していたのだから。
無事飛行機に乗り、名古屋空港に向かう。台風のニュースを聞いていたので心配したが、名古屋上空は晴れ。
☺️ちょっと横道へ
1年ぶりの中国、そして、念願だった敦煌への旅。3組7人のツアーで、皆さん、とても穏やかで親しみやすく、楽しく旅を終えることができた。私たちが撮ったビデオを編集して送ると、それぞれから写真が送らてきてしばらく交流が続いた。そして、その中の一人とは17年経った今でもメール交換していただいている。ありがたい。