音楽のレシピ(その17) -リズム-

先日、仕事の最中に、リズムのことをふと考え始めてしまった。0.5秒の躊躇や数mmの手元の狂いで、どんどん仲間の仕事の流れから離脱していってしまうようなキビシー状況なのに! でも、だからこそ、考えちゃったのか。

他人との共同作業の場合、ルールはひとつ。「相手を思いやること」

やっつけたってしょうがない。あわれんだってしょうがない。ないものねだりもしょうがない。りそうをおってもしょうがない。いまここでやれることしかしない。

そこでやっと、ひとつのリズムが生まれる、のかな。
そうか、リズムって、独りだけの・・ひとつだけの要素の産物ではない。
onとoff、二つの相反する事項の賜物。

発した音と発しない音が等しく重要な意味を持つ。それこそが我が理想の音楽。

リズムを生み出す人に憧れ、沢山の打楽器奏者を見聞して来た内で、最もその理想に近く、そしてそこから溢れ出す ”自由“と ”寛容“を感じたのは、1991年の矢野顕子ライヴ・ツアーでドラムスとパーカッションを担当したこの人、ミノ・シネルの演奏だった。

「だいじなことはめにみえない」
ならば、
「だいじなことはみみにきこえない」
とも言える、よね。
そんな「だいじなこと」を、ぼくは、きみは、かなでられるかな。

(次回 -沈黙 4'33"- に続く)

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