マガジンのカバー画像

New体育論-Management Perspective-

49
小学校で体育を指導しながら、スポーツ産業のマネジメントを学んだ私が、スポーツが発展するためにあるべき体育の姿を様々な切り口から解説するシリーズ。これまでにはなかった「新しい体育の…
運営しているクリエイター

#イベント

運動会の「係児童」は全員にさせるべきではない

運動会では、必ずといっていいほど「係児童」が存在する。応援団をはじめ、用具係、1~3着を誘導する係(決勝係などとよばれる)、放送係など多様にある。多くの学校は、運動会を「子供たちがつくり上げるもの」と位置付けているため、1人でも多くの子供に何らかの「係」を割り当てようとする。しかし、この形式的な「係」による役割委譲は非常に危険である。本稿では、①係を担う子供の経験価値、②運動会全体のクオリティーの2つの観点から、運動会における係児童の意義と適切な運用について述べていく。 特

運動会の「二層構造」を解き明かす

昨年度は多くの自治体が運動会の中止や縮小を余儀なくされた。新年度になって、新しい運動会の形を模索する必要に迫られている。「新しい様式」への変革が言われるようになって早一年が経ったが、本質を残したまま上手く「フォルムチェンジ」できた運動会はどれだけあるだろうか?本質を理解していない人が勝手に表面だけをいじくり、結果的に「骨抜き」状態で身もふたもない運動会になってしまった学校はないだろうか? 新しい運動会の姿を模索する前に、まずは「運動会」という年1回の特別な行事が持つオリジナ