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New体育論-Management Perspective-

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小学校で体育を指導しながら、スポーツ産業のマネジメントを学んだ私が、スポーツが発展するためにあるべき体育の姿を様々な切り口から解説するシリーズ。これまでにはなかった「新しい体育の…
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2023年8月の記事一覧

運動会の表現種目に関する一考察

ここ数年はさまざまな分野で「あたりまえの見直し」がされてきている。学校もその例外ではなく、各校の努力で様々な部分にメスが入れられていることだろう。特に大きな見直し点の1つが学校行事であり、運動会の在り方は多くの学校で再検討がなされているはずである。 しかし、なかなか大幅な変更に踏み切れないのは、ある意味運動会の象徴ともいえるだろう「表現種目」の存在がかなり大きく影響しているのではないかと思う。実際、運動会準備や練習の大半がこの表現種目に向けられたものであり、正直表現種目さえ

「面白い!」「うれしい!」「楽しい!」の意味とその違い

私の記事を読んでくださっている方は、少なからず体育や子どもの運動指導に関心があるだろう。多くの方があるいは教師や指導者として子どもの前に立っていると想像する。自らが指導者として子どもたちに運動の場を提供したとき、やはり気になるのは子どもの生の反応である。わざわざ感想を記録させる人もいるが、それよりも実際の表情やついこぼれる一言の方がより多くの情報を与えてくれる。 当然、提供する側としては子どもにポジティブな体験をしてほしいし、ポジティブな言葉や反応が子どもから聞きたいもので

体育は「study」か「play」か

体育をなんとかしたいと考えている教員はとても多い。積極的に研修に参加して専門性を高めようとしているモチベーションに満ち溢れた教員は、体育にとって希望の光である。私もその中の一人だが、いざ研修会に参加してディスカッションをすると、多くの場合で次のような質問がとんでくる。 「評価はどのようにしたらいいのですか?」 「学習カードはどのように活用していますか?」 「楽しい体育にしたいけど、どうしても技の指導もしなくちゃいけなくて…」 非常にまじめである。まじめといえば聞こえはいい