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New体育論-Management Perspective-

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小学校で体育を指導しながら、スポーツ産業のマネジメントを学んだ私が、スポーツが発展するためにあるべき体育の姿を様々な切り口から解説するシリーズ。これまでにはなかった「新しい体育の…
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2020年12月の記事一覧

「New体育論」を現場で話してきた

「休職して大学院で学んできたことを、職員に報告してほしい」 校長から依頼を受け、職場の同僚に向けて報告会を開いた。 報告会では、普段から本アカウントで発信している新しい体育理論を伝えることにした。従来から学校では体育を「しつけ(生徒指導)」や「規律訓練」をする場として捉えており、「体育=教育サービス」という考え方が強く根付いている。しかし、スポーツマネジメントを学び、体育は本来お金をかけて消費するスポーツ体験を無料で体験させる場として捉えた私は、「体育=スポーツサービス」と

「タグラグビー」を指導するとき「ラグビー」を意識しているか?

学校は「文化」を扱う場所世の中には数々の文化(カルチャー)が存在する。そして、それらは大きく2つに分類することができる。 【それ自体を楽しむための文化】 スポーツ、料理、音楽、芸術、マンガなど 【他の文化を生かすための文化】 体育、教育、法律、税金など 学校教育は後者であり、様々な他の文化(カルチャー)を活用して、よりよい生活ができるようにするための文化である。例えば、 ●「文字」や「文学作品」などの文化を扱うのが「国語」 ●「歴史」や「政治」などの文化を扱うのが「社会」

体育における「エッセンシャル・スキル」という発想

「ゲーム」の定義学習指導要領では、体育において「ゲームの楽しさ」を伝えることが重要であるとされている。ここでいう「ゲーム」とは、次のような意味を持つ。 ゲーム:ある特定の条件下で、定められた行為の遂行を目指すこと つまり、「(条件)手を使わずに、(行為)ボールをゴールに運ぶ」ことを目指すゲームがサッカーであり、「(条件)100mの距離を、(行為)誰よりも早く移動する」ことを目指すゲームが陸上100m走である。このようにスポーツには必ずゲームの要素が含まれ、それを条件と行為