木は影も綺麗 石の壁に映っていた 水のゆらぎ かすかな物影が通り過ぎる
だれもいない午後 無い筈の草を 掻き分けて 猫が帰ってくる
夏が好きで 感覚派だった頃の My Melody インテリアは ホネガイ一個 Low Gのウクレレ 湯上がりの裸足 喫茶店のPurinを食べて あとは 寝るだけ
深い森に 居ります 刹那
なによりも公平な目で 観察されていたのは 私たちの方
野に居れば よい
高い窓に のぼって 青い空の方を 拭いてしまった
昼寝の途中 起きて また寝る 合間の 出来事
雨の夜 泥塗れの 白い車 揺れ動く泥が 楡の影絵だと 気付く迄 生まれては 消える 淡い 物語 誰も 居ない 街路には 未来都市の 灯が連なる セピア色 なのか 一晩中 揺れ動く 楡
自転車に 乗る とき オルガンを 弾く とき
ひきだしを 開けるたび 一粒の 真珠が いったり きたり する
ポケットに スマホ 無く 鈴 ひとつ
昼寝のあいだに のびている草 こころ草は 眠らなければ 育たない スヤスヤと 待っている 丘
水のすること 植物のすること 心に似て 歩イテ キタ 響きをたよりに まるで 誰かの
路傍の草 浮遊する塵のように しあわせだった
黙りはじめる午後 ひなた湯の ぬくもり