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自動車部品メーカー出身の私が考える中国のEV市場の未来

私は2004年から2016年まで自動車部品メーカーの中国市場開拓という業務を中国現地で実践していました。

その時から中国の自動車メーカーの動向には注目していたのですが、今後はEVでの覇権争いが激しくなりそうです。

今回はそんな中国EV市場の未来を勝手に予想してみました

現状:2023迄はテスラが勝つ

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・2020年1~3月期モデル3が中国EV車の売上トップに
→今までBYDがトップを守っていたEV車の売上ランキングがついにテスラへ。中国生産を開始したテスラの猛攻は今後加速しそうです。


・テスラと上海市との契約は期間限定優遇
→上海臨港新区という上海南の何もないエリアへの大型投資案件。上海政府としては税収が確保できるし、サプライチェーン構築で工業エリアが発展するのでメリット大きい


・2023年からは上海市へ年間約350億円納税が必要
→つまりその時期までに販売台数を確保しておかないといけない。納税額から逆算すると20万台以上の販売が条件となる

・2020年テスラの中国販売台数予想は約15万台
→2020年はモデル3にモデルYも加わるので売上は更に増えるはず。今後の課題は部品の中国調達比率を上げて価格競争力をつけること。

・上海の南、臨海新区の工場がメイン工場で生産能力は15万台(1期工場)、現在2期工場着工中。完成したら年50万台の生産能力に。

・メインパーツとなるバッテリーは今までパナソニックだったが、寧徳(CATL)も2020から供給開始。中国車は寧徳のバッテリーがメインになりそう。
→CATLは中国リチウムバッテリーメーカーのトップで世界シェアも世界首位の28%のシェアをもってるグローバル企業


未来:2026年に中国EVメーカーが再びシェアトップに

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・2023年までにテスラへの部品供給を通じて中国内メーカーの実力をあげる。

→現時点は70%が輸入品。テスラも中国調達比率をあげると発表済。


・中国企業でサプライチェーンが構築できるようになり、中国メーカーの底上げがされる

→かつてiPhoneの中国生産工場が来た時と同じような現象が起こると思われる。


・2023年以降は中国国産EVメーカー(BYD他) VS テスラ の構図ができる

→最有力候補はBYDだと思う。その他にもNIO等新興EVメーカー等も多い


・中国政府の市場介入で中国国産EVを後押しする施策がとられる(2024)

・中国市場ではEVシェアをテスラから奪う(2024、2025)

・南米、中東、東南アジアの参入ハードルが低い国に輸出してシェア獲得(2025、2026)

・グローバル市場でテスラと競争(2026~)


以上、何となく今後5年位のスパンで中国EVが進む未来予想図。


EV車の未来予想図の中に日本車メーカーは入っていないのが悲しい



余談:7月8日のニュースで中国で予約受付開始したテスラのピックアップトラックがめちゃくちゃかっこいい

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https://36kr.jp/83525/

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