見出し画像

サンチャゴへの道 巡礼振り返り(2) 荷物の準備【2023年夏】

サンチャゴ巡礼を無事終えて、準備段階を含めて振り返りたいと思います。今回は荷物についてです。

荷物は人それぞれ

荷物については共通に必要な物も、人によって必要な物もある。私は近視で、海外旅行には必ず予備の眼鏡を持っていく。眼鏡が壊れたりすると、美術館に行っても意味がないからだ。また、肌が日焼けに弱いため、夏にはアロエジェルも必須だ。荷物になるが仕方がない。人によって譲れない物があるのは当然だ。だから荷物の話は歩く季節、年齢、男性か女性か等により、また個人的な事情により変わってくる。そこを押さえた上で他人の話を参考にして欲しい。

7キロ以下達成

よく荷物は体重の十分の1まで、或いは7キロまでにおさめること、などと言われる。出発前にバックパックの重さを確認したら7キロを切っていた。これは身につける服や帽子、トレッキングポールなどを差し引いた重さだ。実際には、これに水と食料が加わるので7キロを超える。

エクセルで重さを管理

荷物の重さの管理は、noteのサンチャゴ巡礼の投稿をされていたナガイさんのアイデアを拝借した。(ナガイさんの投稿も大いに参考にさせてもらった)一つひとつの品物の重さをはかり、エクセルに入力していく方式だ。

持っていきたい物を無造作に積み上げていくとすぐに予定の重量を超える。各品物の重さを意識して取捨選択したり、より軽いもので置き換えたり、工夫が出来たのはとても良かった。

※実際に持って行った物を写真入りで紹介した投稿はこちら

持って行って良かったもの5選

スマートフォンや夏の帽子は必ず持って行くものの類で意見が分かれる物ではない。次の物は人により要る要らないと意見が分かれる物だが、自分の経験では役に立った。

①トレッキングポール
振り返り(1)で書いたが、膝の負担を軽減してくれ、下りでは特に役に立つ。但し、使い方に慣れていないと、却って邪魔に感じるかもしれないので、持っていくなら使い慣れておくことだ。

トレッキングポールは慣れておく

②へッドライト
朝早く歩き始めるなら必要だ。特に小さな町や村を出ると街灯もなく、真っ暗で照明がないと歩けない。スマホで代用する人もいるが、ヘッドライトを使えば両手があき、足下の悪い所ではトレッキングポールも使える。視線の先が常に明るいので歩きやすい。また、赤色灯を使えば眩しくないので、室内で他人にあまり迷惑をかけずに出発準備ができるという利点もある。その点スマホは明るすぎる。


③防虫インナーシーツ
アルベルゲでは使い捨ての紙製シーツを用意している所が圧倒的に多い。布製シーツを使うところも中にはある。また、少ないけれどシーツが有料のアルベルゲもある。有料の所では自分のシーツを使った。また、寝袋で寝るには暑い時に、その代用としてインナーシーツを使う時もあった。何より防虫仕様なので安心感があった。

防虫、シルク、重さ160グラム

④S字フック
シャワーブースに荷物を掛けるフックが用意されている所もあるが、何もない所もある。そういう所ではS字フックがあると便利だ。貴重品や着替えなどをドアなどに掛けておける。また、ビニール製の手提げ袋があると中が濡れないので更に便利だ。

こんな風に使える 
左:着替え 中:貴重品 右:タオル石鹸

⑤ナイフ
果物の皮を剥く、パンを切る、袋を破る、などあれば便利だ。リンゴや桃をよく買って食べたので大いに活躍した。日本から持って行く場合は機内持ち込みができないのて、預け入れ荷物の中に入れておく必要がある。また現地でナイフを調達した場合は帰路で同様に預けることになる。

こんなに機能がなくても良かったがナイフの切れ味は抜群

優れもの3選

持って行った物の中で使い勝手が良かった、便利だったと思うもの。

①コロンビアの帽子
帽子を選んだ際の条件は、風に飛ばされないようあご紐があるもの。つばが広く首や耳も日差しから守れるもの。行き帰りには必要ないので、折り畳めるもの。この3つの条件で探し、ぴったりだったのがコロンビアの製品。お陰で、日焼けによる肌のトラブルもなく巡礼を終えることが出来た。

②モンベルのUVカット長袖シャツ
日差しから肌を守るため、モンベルの長袖シャツを2枚用意し、毎日交替で着た。生地がとても薄く、軽くて風通しが良いUVカットだ。洗ってもすぐ乾くので巡礼には便利だった。夏でも朝は十数度という肌寒い日もあり、多くの巡礼はTシャツの上に長袖のスウェットなどを着ていて、気温が上がれば途中で脱いでいた。そんな時も自分はいつもこの長袖シャツ一枚ですませることができた。日焼け止めを何度も塗りなおすというストレスから解放されるのも大きなメリットだ。

薄くて軽い、UVカット、値段もリーゾナブル

③パーゴワークスのウエストポーチ(大)
貴重品を入れて肌身離さず身につけておくのに利用した。パスポートとクレデンシャルは濡れないようにビニールケースに入れた上で奥のコンパートメントに入る。サイフ、ティッシュなどの小物は前方の大きなコンパートメントに入れておける。容量も結構あり、行動食やロールペーパーなどその都度必要な物を入れておくことが出来て便利だった。一番気に入っていたのが身体と接する内側のメッシュのポケット。スマートフォンを入れておくのに丁度良い大きさで、写真を取りたい時にすぐに取り出し、また仕舞えるのが便利だった。腰の周りに着けるよりたすき掛けにする方が扱いやすかった。


機能が充実
これが案外便利

持って行ったが使わなかった物

予備メガネ、救急用品の大半、アイマスク、替えのインソールは使用しなかった。予備メガネと救急用品については、使わずに済んで良かったということで問題はないだろう。救急用品の中で、ロキソニンは喉が痛くて服用し、役立った。アイマスクは使わないだろうなとは思いながら軽いので持って行ったが案の定使わなかった。800キロも歩けばインソールもヘタってしまう、と聞いて予備を用意したが無駄だった。また、また万一の場合は現地でも手に入れられるので持って行く必要はないと思った。

現地で買い足したもの

唯一、石鹸を買った。持参した石鹸は洗髪と身体を洗うために使ったが、一つでは足りず、スーパーで買いたした。3個のセットで売っていることが多くて困ったが、探し回ってDOVEの石鹸が一つずつ売っているのをようやく見つけることができた。

荷物の大きさは不安の大きさ

出発直前に巡礼から帰って来たばかりの人に話を聞く機会があった。その方の荷物は4キロにも満たないもの。たとえば服や下着などは、着ているものと替えが1つのみ。「荷物の大きさは不安の大きさ」という言葉を教えて下さった。巡礼を終えた今は、絶対に必要な物というのはそんなに多くはないと感じる。


このマガジン「サンチャゴへの道」が本になりました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?