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ネッツのキリン

#ネッツトヨタ と言う名のカーディーラーをご存知だろうか。

愛知県だけなのかは知らないが、
キリンの親子の像がデーンと置いてある。
実物のキリンさながらの、
大きさもリアルさも中々なものだ。

昨年の秋頃、家族でドライブしていた際、
たまたま信号待ちしていて、このキリンが目に入った。

ん?と思いよくよく見ると、
キリンの親子の像、その胴体にロープが何重にも巻かれて固定されていた。

折しも台風シーズン
近々台風が南方から北上して来る予報
キリンの像は道路の傍にある。
倒れては大変と、その予防措置なのだろう。

凄いなぁと感じた。

何に対してか、
いつもそこにあるキリンの像、
それを「台風で倒れる危険があるもの」と認識できるネッツの方々に対してである。

当社は、鉄を削り出して様々な工業部品に価値を変えている。
その為に、様々な機械や刃物を使って鉄の価値を削り出す。

当然のことながら、
鉄を削れる刃物である。
もし動作中の機械や刃物に手を入れたら、
人間の手や指などひとたまりもない

人は、最初は恐れ、そして慣れる。
【慣れ】は大切だ。
【慣れ】が無ければ、効率も成長もない。
でも、

頭にアラームが鳴らなくなる【慣れ】

これはマズイ。
【危険】なものを毎日見て触れる中で、
【危険なもの】という認識がいつしか
【当たり前の事】になっていく。
目に映っても、【認識】しなくなる。

でも、当然のことながら
【危険度合い】は何も変わってない。

社長をやっていると正直思う。

幾らでも都合よくごまかせてしまう事が何と多いだろうと。

決算的な数字も、
様々なデータも、
正直言って幾らでもごまかせてしまう。
そっちの方が短期的な利益が出ることもある。

でも、したくないし出来ない。
それに慣れて、
【頭にアラームが鳴らなくなる】
そうなるのが怖い。
そうなった頭で、
経営する自信は、小心者の私にはない。

ネッツのキリンの親子像は、
ずっとそこにある。
ネッツの方々にとっては、
見慣れた風景だと思う。
でも、
ネッツの方々にはアラームが鳴った。

台風が来たら倒れるかも、と
固定しとかなきゃマズイかも、と

ネッツの方々凄いなと心から思う。
同時に、
キリンの親子を見るたびに、

【私自身アラームが鳴るか】

見つめなおさせて頂きたい。



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