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ポテト欲、爆発中。

クラッカー5枚入り、2袋。
粉末味噌汁。
小さいおにぎり。
チョコレート3つ。
干し柿。

これはとある日のわたしのおやつである。
これで普通に朝昼晩も食べているからこわい。

吐きづわり、食べつわり、眠りつわり…。
妊娠中、様々なつわりがある中でどうやらわたしは、空腹になったら気持ちが悪くなる「食べづわり」らしい。

なんせ、少しでも空腹になるとしんどい。
横にならなければいけないほどではないが、車酔いのような何とも言えないような不快感…。
あの感覚が嫌で堪らないので、しんどさの波が押し寄せてくる気配がする前にいそいそと食べ物を口に運ぶ。


よって仕事では、45分授業をしたらほぼ休み時間ごとに職員室に戻り、急いでクッキーやらパンやら何かしらをもしょもしょと口にしている。

なんとか仕事を終えた帰り道でのことだった。

あ、ポテトが食べたい。

唐突に生まれた欲求に素直に従い、気がつけば帰宅途中にあるモスバーガーに吸い込まれていた。

モスのフライドポテトはマクドのそれとは異なる。ふっくら太くてほこほこ美味しいお芋感の強いポテトで好きだ。

マクドのポテトも悪かないけれど、同じジャンクフードなら、油で揚げた表面積が少ない方がいくらかヘルシーな気がする。

「サイズはいかがされますか。」 
そう店員さんに尋ねられ、一瞬躊躇する。

そうモスに寄る頻度は高くないが、買ったとていつもはSサイズである。

しかし今日わたしは心からポテトを欲し、ここに立っている。ちまっとしたSでは到底足りない気がする。

Mサイズでも、もし足りなかったら嫌だ。
L?
でも今日一日散々いろいろなおやつ食べたし、ここでLはさすがにカロリー摂り過ぎ?

…いや待てよ、夫もモスのポテトが大好きだ。
多めのLサイズを持ち帰って、残りを夫にあげたらいいではないか…!

瞬時にいろいろな考えが交差したが、Lを買うべき理由を叩き出せた。

「…Lでお願いします。」

3分後には揚げたてほかほかの紙袋が手に。

店を出るや否や、血の気を失ったゾンビ顔で紙袋に手をつっこんで、もしゃもしゃと咀嚼する。 

お行儀が悪いのは百も承知だが、食べながら駅まで歩く。

今、ここで屍と化すかポテトゾンビになるか。

この二択なら仕方あるまい。

ああ…うんまっ。

塩味とポテトのほっくりした風味が、不快感をゆったりと包んでゆく。
ポテトってさ、こんなに美味しかったっけ……。しみじみとその美味しさに浸る。

口からポテトが消えゆく前に、次のポテトを補充。手は止まらない。
そうしてわたしはただただ無心でポテトを口に運び続けた。
気がつけば、紙袋は空っぽ。


あちゃー…と結構量のあったポテトを完食してしまった罪悪感がかすめたものの、先程までの気持ち悪さは、どこかへ遠のいている。

ポテトのおかげでわたしは気分良く、帰路に着くことが出来た。



そして気付けば、翌日もポテトLを手にしているいう有様……。

…いつものモスバーガーで陰で「ポテトL女」なんて渾名がつくのも時間の問題かもしれない。


つい先日は、夕方から気分が優れていたので、出先でわたしの大好きなロイホすなわちロイヤルホストに立ち寄った。

久しぶりに大好きな「アサイーヨーグルトパフェ」食べるんだ〜!なんてるんるんで入店したものの、席に腰を下ろすとアサイーヨーグルトパフェの気分は儚く消え去っており、勝手に口が動いた。

あ、ドリンクバーとフライドポテトで。」

このポテト欲、いつまで続くのだろうか…。



※これは8週目のときに書いたものですが、
今も尚続いております、ポテト欲いやポテト愛。

#妊娠
#マタニティライフ
#エッセイ部門



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