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一時帰国 そして

先日、5年半ぶりにドイツから日本へ帰国しました。
3年間の職業訓練後に一度帰国する予定だったのが、コロナ禍で2年以上待つことになったからです。

9月中旬の東京は蒸し暑く、蝉が鳴いていて台風が接近していました。ドイツの気候に慣れてしまっていた体には少し堪えたけど、さすが日本の商業施設は空調が管理されていて快適でした。

コンビニ、自販機が当たり前の様にあって、おにぎりやお惣菜が安く手に入る。物価が高騰しているとは言っても、ドイツでの生活と比べたら気になりませんでした。5年半の間に消費税が10%に上がったこと、ものによっては8%のままだったり、値段が税抜きで表示されているのはちょっと不便でしたが。

家族や古い友人(大学卒業以来)との再会も果たす事が出来、2週間という短い一時帰国の間に様々な思い出が蘇りました。

ドイツには日本人の知り合いが少し居ますが、友達と呼べる人は居ません。職場にも日本人は居ません。居たからと言って仲良くなるかはまた別の話ですが、ようするに母国語を話す、聞くことが私にはほぼ無い生活でした。

日々の何気ないことを気軽に話したり、笑い話をするのもドイツ語だと頭を使わないといけなかったり、面白おかしく伝えたかったのにつまらない話になってしまったりということがたまにあります。

当たり前のことが出来なかった5年半の反動は思ったよりも大きかったようで、日本滞在中の私は喋りっぱなしでした。ドイツへ帰る日、羽田空港へ向かう電車の中で既に寂しくて悲しい気持ちになり、飛行機が離陸する時は涙が溢れていました。

5年半前に、人生で始めてドイツに渡った時も、職業訓練中もその後も不思議とホームシックになることは無く、母の手料理が食べたいと思うことはあっても日本へ帰りたいと思う程ではありませんでした。

渡独当時は目標があったし、何より日本での社会生活から開放されたこともあってホームシックになる暇が無かったのだと思います。ドイツ語をほとんど知らずに来てしまったので、日常会話すら出来なかったけれど、新しいことを吸収する日々は充実していたし、日本から出られて良かったと思う気持ちがとても強かったように思います。

今の私はというと、生活の為に仕事へ行き、帰って来るのを繰り返すだけでこれといった目標もなく、相変わらず趣味もなく。日本で働いていた時よりも余暇が増えたのに、横になってテレビを見るだけで時間を潰してしまう。あえてドイツの不便さの中で暮らす理由が減ってきたように思います。とは言いつつも元々人付き合いが苦手な私には、ここでの社会生活の方が楽で、精神的にも救われることの方が多いのも事実です。

今一度ドイツでの生活を見直して新たな目標をたてる、もしくは楽しみを見つけることが出来れば里心もまた薄れるかもしれないと思いつつ、とりあえず日本で買ってきたドイツ語の教材をやってみようと考えています。

私の文法レベルの低さがここでのコミュニケーション力に大きく影響している事実を見過ごすのは今年限りにしよう‥とここまでダラダラと書いてから思うのでした。


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