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#12 プライド

飲みの席で、どれだけ頭が回ろうが、眠かろうが、シラフを保つようにしている。

正確に言うとシラフではなくちゃんと酔っているのだが、プライドが高すぎる故に酔っている姿を人に見せることができない。

だから、いつも会が終わるまでひたすら耐える。

「顔に出ないし、お酒強いよね〜、酔っているところ見たことない」と言われることが多いから、バレてはいないはず。

店を出て解散し、最寄駅の改札を1人で抜けるまでが勝負。

家に着いた途端、ガチガチにコーティングされた体は腑抜けになり、おもしろいようにベットに沈み込んでいく。



何でこんなことを書いたのかというと、先ほどまで渋谷で、あるHip hopアーティストのライブに行っていたのだが、それが最高に楽しかったからだ。

興奮が冷めやらないうちに、この文章を書いています。

こんなご時世なので、入場時の検温、消毒はもちろん、座席は1つ飛ばし、声出し禁止など、入念な感染症対策が取られたライブだったのだが、そんなことを一切、感じさせないようなものだった。

手垢がベトベトについているベタな言い方だが、歌詞が本当に真っ直ぐで、聞いていて本当に気持ちがよかった。

何故こんなにも真っ直ぐなのかと考えたとき、それは本音を綴っているからだと感じた。

取り繕うことや媚びるとは遠い世界のものの対極として本音は存在する。

自分は本音を言えているだろうか?

言えてないのであれば、その理由は何だ?

そんなことが問われているようなライブだった。

答えはもちろんプライドだ。



思えば、自分が好きなものは全部、本音が垣間見えるものだなぁと帰りの電車に乗りながら考えている。

本や映画や音楽といった作品には嘘がない。

嘘が通用しないのだ。

時に本音を綺麗事だなんて吐き違えたりするけど、それは間違っている。

人に笑われたり、馬鹿にされたりして、諦めたものが、生まれてこの方いくつあっただろうか。

見栄を張ることで、どれだけ自分が本当にやりたいことに対して、今まで背中を向けてきただろうか。

そろそろやめにしないといけない、自分を裏切ることに。


ここまで書けたのも、本音が詰まったライブに参加できたからです。

ほんとに最高だったな。

あー

次の飲み会、楽しみだけど、だるいなぁ。

これも本音か。



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