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筆ペン習い始めの感想

久しぶりの書写に戸惑う

2か月ほど前、筆ペンを習い始めたことを書いたが、そこでも述べたように、まずは、3回のお試しレッスンに通った。

お試しレッスン用の手本は、基本の運筆・楷書漢字・行書漢字・かな文字の4構成になっていた。教室では、それらの手本を書き写して見てもらうのだが、子供の頃、あんなに簡単にこなしていたこの「書き写す」作業が、なかなかうまく進まず頭がぐるぐるする。どうやら、普段働かせているのとは違う脳の部分を、動かさなければならないらしい。

点線で十字に区切られたマスの中のどこに筆先を置くべきか、数秒は考えていたと思う。ここかなぁと思って筆を置いたが、動かしてみると想像とは違う方向・太さ・長さの線になってしまう。筆を動かすたびに呼吸が止まる。筆を止めると大きく息が吐き出される。そんなことを繰り返しながら、初日は約1時間で、運筆練習用のごくごく簡単な楷書12漢字を3回ずつ書いた。

はじめての行書

あまりに書き写す作業に苦労したので、自宅で書写の練習をしてみることにした。何度か書くうちに、楷書の書き方は少しずつ思い出してきた。問題は行書だ。知識はほぼゼロ。自分の中に何も基準がない。

例えば「愛知」という文字。「夂」の左右の払いが止めになったり、えぐるカーブが膨らむカーブになったりと、楷書と全く違うのでとっても混乱する。繋がる線も基礎知識がなく、都度都度確認しながら書くので時間がかかる。うわぁ、これは大変そうだと心の中をバタバタさせていたが、何度も何度も書いていくうちに、案外、行書って楽なのかもと思い始めた。

左:行書・右:楷書 習い始めて2か月なのでご容赦のほど

最初は戸惑いしかなかった「止め」だったが、慣れてくると結構リズム感があって面白い。ゆくえの定めにくい楷書の「払い」より、行書の「止め」の方が終着点を決めやすい。だんだん楽しくなってきたので、しばらく集中的に行書を書き続けてみた。そして再び楷書に戻ってみたら、楷書が恐ろしく難しく感じるようになってしまっていた。

行書に興味がわく

どうやら楷書は厳格なルールがあるし見慣れているため、上手下手を敏感に感じてしまう気がする。それに対して行書は、楷書に近い書体もあれば草書かと思うような書体もあり、非常に表現の幅が広い。同じ文字を楷書と行書で書き比べてみると、行書の方が上手に見える。表現の緩やかさが、見る側にも余裕を持たせてくれのかもしれない。

大人になってから使う行書を、子供の頃に学んだ楷書より優しく感じるなんて、全く思いもよらなかった。ただし、学びやすさという観点からすると、構成要素が明確な楷書の方が理解しやすいと思うので、子供が楷書から学ぶというのは理にかなっていると思う。

ちなみに、行書の方が楷書より先に生まれたらしい。象形文字の成り立ちから想像するに、あるものが漢字に変化する時、途中課程では様々な形で表現され、それが行書のような書体となったが、やがてそれらをまとめたルールが出来て、楷書のような構成要素のしっかりした書体が生まれたんだろうか。でも、書体がそんな単純な流れでまとまったりするんだろうか。

などと考えていても答えにはならないので、図書館で「行書」に関する本を借りることにした。近日中に近所の図書館に届く予定。しばし、行書について学んでみる。

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