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出雲・竹野屋旅館に泊まる
コンサート&観光の旅へ
2023年7月7日に開催された島根県民会館「山下達郎 PERFORMANCE 2023」を鑑賞するために、島根県に出かけた。
コンサート前日の7月6日は、出雲にある竹野屋旅館に泊まった。この旅館、山下達郎さんの奥さんである竹内まりやさんのご実家だ。このダブルの楽しみを満喫するのが、今回の旅の大きな目的だった。
実は、5年前の2018年も、7月6日に竹野屋旅館泊、7月7日に島根県民会館で山下達郎さんコンサート鑑賞という、全く同じ日程の旅行をしている。
2018年は大変な豪雨だった
2018年7月6日がどんな日だったかというと、西日本の広範囲にわたって大雨特別警報が発表され、岡山県倉敷市真備町など、多くの地域で死者・行方不明者が出てしまった日だ。
2018年のあの日、名古屋もかなりの雨が降っていた。夫とふたり、朝早くに車で出発したが、時間が経過すればするほど、道路状況は悪くなる一方だった。立ち寄ったサービスエリアであれこれ検討した結果、「出雲までは無理だ」という夫の判断に従い、とても楽しみにしていた竹野屋旅館に泣く泣くキャンセルの電話を入れた。
しかし、翌日はコンサートがある。少しでも近くに移動しようと、大雨の中、島根方向に車を走らせた。西に進めば進むほど、どんどん高速道路は通行止めになっていく。車のルーフを叩きつける激しい雨音は、騒音に近い。雨雲レーダーを見ると、車の後ろから真っ赤な雨雲が襲い掛かってくる。止まったらこの赤い雲に飲み込まれ、先に行けなくなるかもと、夫が険しい顔で運転を続ける。隣で座っているだけの私だったが、不安と緊張で体は固まっていた。
下道を選んだり、日本海側へ遠回りしたり、通行止めをなんとか回避した夫の頑張りのお陰で、出雲に近づくことが出来た。一度はキャンセルした竹野屋旅館だが、これならたどり着くことが出来る。車の中から旅館にキャンセル変更の電話をした。すんなり承諾が得られたので、そのまま出雲大社すぐ近くにある旅館へと向かった。参道の道路にそびえる大きく白い一の鳥居をくぐる頃には、雨も小降りになっていた。駐車場に着くと、趣のある旅館の窓には、ふんわりと温かい灯りがともっていた。
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2023年はお料理を堪能
そんなこんなで、2018年の竹野屋旅館宿泊は、到着までですべてのエネルギーを使い果たしてしまったため、ぼんやりとした記憶しか残っていない。そんな薄い記憶の中でもよく覚えていたのが、お食事の素晴らしさである。
私たち夫婦は、夜は、あまり食べない。なので、前回は朝食のみのプランで宿泊したのだが、その朝食がとってもステキだったのだ。その名も「三宝膳朝食」。「三宝」とは「三方」と書くのが一般的だと思うが、神事でお供え物を載せる台のことである。その三宝に見立てたお盆の上に、出雲大社にちなんだお料理が配膳される。今年の場合は、以下のような内容になっていた。
・ご縁盛り(小芋・牛蒡・長芋・野焼きなど)出雲の縁起の良い季節野菜
・鶴山・亀山見立て 煮ひじき 鶴大根・亀人参
・出雲神在(ぜんざい)
・大山鶏南蛮漬け
・出雲の薬草ジュース
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三宝の周囲にあるお料理は以下の通り。これに白米がつく。
味噌汁 宍道湖産蜆汁 小口葱
焼物 出し巻 鯖みぞれ焼 甘酢生姜
深鉢 鵜鷺あらめサラダ(レタス ミニトマト コーン 胡麻ドレッシング)
中付 かためのきぬとうふ(国産大豆) 薬味 ヤマジョウ醤油
皿 宍道湖大和蜆海苔
香の物 三品
果物 オレンジ パイナップル
全体としては、前回も今回もほぼ同じ内容である。違いはというと、お盆に載っていたお料理が3品から4品になっていたこと、ご挨拶カードが増えたことぐらいである。基本的に野菜中心のお料理だ。
私は野菜好きなのだが、夫は野菜料理に不得意なものが多い。その夫が、前回「三宝膳朝食」を食べた時、「美味しい、これなら夕食も食べてみたい」と言ったのである。
「では次回はぜひ夕食も」と言っていたのだが、竹野屋旅館に宿泊するには、山下達郎コンサートとセットであることが、私たちの必須要件である。なかなか都合の良い日程が出ず、コロナ禍もあり、5年の時を経てやっと、希望を叶えることが出来た。
夕食は会席料理。膳菜・椀・造里・お凌ぎ・炊合・焼物・強肴・酢物・食事・留椀・香物・水菓子と、想像通り盛りだくさんである。
朝食の盛り付けをステキだと思っていたが、夕食の盛り付けはもっと美しい。そして、味はとても優しいのに、満足度が高い。それなりに高級と言われるレストランやホテルでお食事をいただく機会はあるが、これほど幸せを感じられるお料理はあまりない。
以下、写真付きで一部ご紹介。
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自家製苺酢
滝川豆富 枸杞の実 星オクラ 美味出汁
アカモク山掛け ベルローズ 土佐酢
鯛笹寿司 仲鱚松前揚げ 傘海老 南瓜カステラ 青梅羊羹 ミニトマト クリームチーズ添え
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[炊合]
小づち盛り 鰻薯蕷饅頭 翡翠茄子 巻き湯葉 香味野菜 美味出汁
[焼物]
のどぐろ塩焼 檸檬 はじかみ
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夫が苦手かもと思う食材がいくつかあったが、どれも美味しくいただけたようだ。私も実は牛肉が苦手なのだが、こちらでは大変美味しくいただけた。料理人の腕も素材も良いのだろう。
いつもの夕食からすると、数倍のボリュームなので、流石の夫も「苦しい」を連発していたが、しばらくすると胃はすっきりしてきた。私は食べ過ぎると軽い頭痛を起こすのだが、今回はそんなこともなかった。体に優しい料理というのは、こういうことを言うのだろう。
5年越しに叶った竹野屋旅館の夕食は、とても素敵だった。お陰で楽しい時間を過ごすことが出来た。よい旅だった。ありがとうございました。
次回は、「島根・旅の思い出」。ざっくりとした島根旅行の振り返り。
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