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毎日坂道を歩いたら苦手が少し克服できた

遠足が嫌いだった子供時代

私は坂道が苦手だ。平坦な道はどれだけ歩いても平気なのだが、坂道となるとすぐに足がだるくなり、一気に苦しくなって歩けなくなってしまう。そんな私は子供の頃、遠足が大の苦手だった。遠足の多くが山登りだったからだ。毎回みんなについていくことが出来ず、目的地に到着する頃には友達がお弁当を食べ終えて遊んでいる。到達してから自分がどうしていたかの記憶もない。たぶん、嫌な思い出しかないので忘れてしまったのだろう。

在宅ワークがきっかけで始まった「お散歩」

2020年秋、コロナをきっかけに在宅ワークが始まり、そのまま現在に至るまで家で仕事をしている。朝の通勤時間は近所のお散歩時間に変換され、毎日30分から1時間ほど景色を楽しみ、面白いと思う風景をiPhoneで切り取っている。我が家は丘陵地にあり、お散歩コースの中には高低差のある道が随所にある。その中でも出来る限り緩やかな坂道を選んで歩いていたが、やっぱり辛くて苦しい。苦しいと思いながらも毎日毎日坂道を歩いたのは、コロナ禍で暗くどんよりした気持ちを、外気を吸うことで少しでも軽くしたかったからかもしれない。

お散歩を始めた頃はそんな気持ちで歩いていたが、毎日続けるうちに朝の散歩時間は習慣化され、歩かないと何やら気持ち悪さを感じるようにまでなっていった。歩いているだけではつまらないので、お散歩のお供にVoicyの音声コンテンツをプラスしたらこれがなかなか楽しくて面白くて、最近はVoicyを聴くために毎日坂道を歩いている。

きつめの坂道に再挑戦

我が家の近くには、自宅との高低差が実にビル8階分の坂道がある。散歩を始めた頃はこのコースを毎日歩いていたのだが、途中休憩を1~2回はさんでも辛くて頭がクラクラしてくるので、ある時から上がることを諦めた坂道だ。

お散歩を始めて2年あまり経ったある日、ずっと避けていたこの坂道に再チャレンジしてみようと思い立った。なぜそんなことを思ったのかというと、長崎という坂道の多い街に出かけた時、いつもお散歩する道より遥かにキツイ坂道を歩き回ったにも関わらずそれほど辛いとは感じることがなかったからだ。今ならあの坂道を休まず上がれるかもしれない。ちょっとドキドキしながら久しぶりの道を進んでみたら、休むどころか息を切らすこともなく、想像以上に楽に上がりきることが出来た。これは長年坂道が苦手だった私にとって「奇跡」だ。

自然の歩みに任せる

この「奇跡」が得られた一番の理由は、毎日散歩によって体力がついたことにある。しかしもうひとつ、坂道をどう上がればよいかのコツがわかったというのもある。そのコツとは何かというと、とても単純で、「歩く速度を遅くした」というものである。

以前の私は平坦な道も坂道もほぼ同じ速度で歩こうとしていた。だが、歩き方を自然に任せると、坂道に差し掛かった時には速度が遅くなり、平坦な道に戻ると速くなる。そこに気づいたので、坂道は無理せずゆっくり歩くよう自然の速度に任せるようにしてみた。その結果、苦手だったビル8階分の坂道を息切れすることなく上がりきることが出来たのである。感動的だった。

その後、その坂道はお散歩の通常ルートに取り入れられ、今ではほぼ毎日歩いている。

継続は力なり

「お散歩」と書いている通り、私が行っているのは「ウォーキング」のような早歩きではない。冒頭でも書いた通り、景色をゆっくり楽しみ、時には撮影のために立ち止まるようなのんびりとした歩き方である。そんな歩き方でも2年以上続ければ、高低差のある坂道だって息切れせずに上がりきることが出来るようになる。子どもの頃から苦手で辛くて避けていた坂道を、毎日歩こうと思えるまでに成長できる。何事につけ、小さなことでもコツコツと積み重ねれば向上する可能性がある。改めて「継続する」ことの大切さを学んだ。

なお、タイトルに「少しだけ克服」と書いたが、今回の坂道は高低差はあれど緩やかなコースである。その坂道を上がりきった同じ場所に行くのに、急激な坂道を上がるルートがある。あまりに急なので通ったのは1度だけだ。その急激な坂道も息切れすることなく上がれたら、たぶん、どんな坂道でも大丈夫な気がするし、その時初めて「坂道を克服した」と言えるのではないか。

そんな小さなことを目標にしつつ、今日もゆっくり坂道を上がるのであった。

トップの画像は、お散歩中、直線デザインの鉛筆タワーに直線デザインの雲が添えられてて、面白いなと思って撮影した写真。雲ってどこかクリエイティブですよね。

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