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ソーシャルディスタンス

写真は関係ありません(いつの日かの越中詩郎ヒップアタックの瞬間まで)

今日、とあるお店でレジに並んでいましたら僕の前にお爺さんが現れました

「並んでるのか?」

「はい」

「じゃあもっと(間隔)つめろ!」

突如、お爺さんが怒った

「…間隔を空けて並んでるんです」

「いいんだよ、そんなの!前行け!前行け!」

まじかー…やばい人じゃん…

視線を切り固まる僕

お店の設けたバミリに従って並んでいるんだけどなあ参ったなあ…

僕に文句を言い続けるお爺さん

よし、話をするか

視線を戻す

…あれ…ちょっと待てよ

お爺さん…マスクしてないじゃないか

高齢でマスクなしは危ない

それと目の前で怒られている僕も飛沫がイヤだなあ

そこに頭がいってしまう

お爺さんマスクは…!?マスクは無いのか…!?いや、安倍のマスクは?安倍のマスクはあるはずだ!!

要らないことに頭がまわってしまう

ソーシャルディスタンスはマスクをしてる場合、必要ないんじゃないかみたいな見解もちょうどこの間、聞いた

色んな見解があって、ああ確かにそれもわかるなあって流されながら僕もいま生きている

もし、お爺さんがマスクをしていたら前の人がいやがらない程度に僕も前に詰めたかもしれない…

第一次結果論を導き出す

僕の真横に来ていまだ文句を言い続けるお爺さんがいる

お爺さん、まずはマスクだ。さすがにあなたはいま話し合う土俵にいない

僕たちの世代は、お爺さんの世代の人に結構気を遣ってマスクをしているとこもあるんだ

要らないことに頭がまわり続けている

人間みんなそれぞれ信じるもの、考え方、いろいろある。こんな情勢でストレスもあるだろう。みんなが足並みを揃えるのがさらに難しいのがわかる

だけどお爺さん、悪いがそれじゃ話が出来ないと思う

やがて文句を言い切ったお爺さんは僕の後ろに並びに行った

僕に少し余裕が生まれる

だが僕の後ろには既に一人、女性が並んでいる

その女性のお爺さんへの眼差しは鋭いものだった

その空気を読んだのか割り込まないで僕の後ろの女性の後ろに並んだお爺さん

順番は守った

だけどピタっと女性の後ろに待機している。惜しい。ソーシャルディスタンスはやはり守れない

女性の視線が流し目でさらに鋭い

そのお爺さん、ソーシャルディスタンスは守れなくても順番は守れています…!

女性へ心の声を飛ばす

お爺さんにも守れるものがある…いや…そもそも僕がお先にどうぞと言えば後ろの女性のソーシャルディスタンスは守れ、あっという間に終わる話だった…

第二次結果論

ようやくそこに気付く

たった一言だ

後ろの女性は勝手に譲ってんじゃねえよって思ったかもしれないが、今より結果は良かっただろう

高齢の方からしたら、たかが一人二人の列もソーシャルディスタンスのせえでひどく長いものに映るのだろう

乗っけからの怒りはそういうことだったんじゃないか

みんな大変なこと、わかっているようでわかってなかった

「マスク」「ソーシャルディスタンス」「高齢者」「重篤化」…

コロナが僕たちを困惑させている

コロナがなければ僕とお爺さんと後ろの女性はこんな出会いをせずに済んだだろう

普段の僕ならこんなケース、ただイラっとしていただけだろうが、店を出た後怒りの感情は湧いていなかった

なんだろうか…

気遣いやおもいやりの在り方を考えていた

今後、コロナ本体はワクチンが倒す

コロナの幻影は思いやり気遣いといったもので今から倒せる

未熟だったなあ…

梅雨明けしたばかりの綺麗な空が目に飛び込む

暑い

クワガタ

カブトムシ

風鈴

店頭のスイカ

嘘みたいな世界がやってきているが

今年の夏は今年も夏らしくいる。

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