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誰是大英雄?香港麻雀入門

皆さんは麻雀、やりますか?

最近は日本でも若い女流プロ雀士が何人も台頭してきたりして、一時期低迷気味だった麻雀復権のきざしがあります。
やったことのない人はこちらをご覧ください。ルールを知らなくても解説が何を言ってるかわからなくてもいいのです。麻雀は美しいゲームですよ。

お見事!

私は学生時代にそれなりにやりました。
でも香港人の麻雀好きはそれなりなんてものじゃありません。
大晦日にも麻雀。旧正月にも麻雀。結婚式にも麻雀。

大体、大晦日や旧正月ならいざ知らず、「結婚式で麻雀」なんて普通の日本人にとっては思いもつかないことなのですが、私が知っている限り昔から結婚式と言えば麻雀で始まっていました。あのデカい牌でジャラジャラやるのは今も昔も変わらぬ光景です。テレビドラマなどで結婚式のシーンがあれば、麻雀が映っていました。
この習慣がいつから始まったのかは不明ですが、未だに廃れないのですから今後も伝統行事として続くんでしょうね。

麻雀を打つことを広東語の言い回しでは「遊干水」と言うそうな。妙な言葉ですが、腕の動きが水泳のクロールみたいだからなんだとか。

さて、香港で麻雀を打ちたいとなれば、廟街みたいな下町をウロウロすれば雀荘がいくつか見つかります。ただ、日本人で香港の雀荘に入った人はほとんどいないと思います。
結婚式の麻雀は社交の意味合いがあるのでほのぼのしていますが、雀荘で打つ麻雀はほぼ100%現金決済のギャンブル。黒社会関与の噂もあるちょっと怖い所です。あまりお勧めの出来るところではありません。
そんな怖いところに出入りしなくても、かつては街のそこここで麻雀を打つ姿を見かけました。ブリキの缶からジャラジャラと牌を出して広げるのですが、あの大きさですから重いです。

持ち運びに便利な紙の牌もあります。

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(Shin-EI私物です)

もっとも最近の若い人は昔ほどやらないようです。日本と同じくスマホに夢中の若者には麻雀を打つ時間の余裕はないのかも知れません。なにしろヒマ人4人が揃わないと始められないですから。

香港の麻雀はなにしろペースが早いです。ルール上半荘で終わらず必ず一荘やる(結婚式は除く)のですが、判断力が鍛えられるゲームだと言えます。
いや、もしかしたらちゃんとした判断なんてしていないのかもしれません。彼らは実によく鳴きます。日本の麻雀で「哭きの竜」のマネをしたら100%勝てませんが、香港人は全員「哭きの竜」(但しセリフは名言でもなんでもなくただの粗口)なので、門前でていねいに役作りなどしていると先に上がられてしまい、賭け金を支払う羽目になるのです。安くても早く上がるのが鉄則です。
お金を賭けない麻雀は衛生麻雀と言うらしいのですが、普通はまずやらないそうです。

日本の麻雀と香港の麻雀は細かいところでルールが違っています。
そもそも普通は「麻雀」とはあまり書かず、「蔴雀」と書くほうが多いです。「麻雀」とはスズメを意味するため、「麻」の字に草冠をつけて区別しています。ちなみに大陸では「麻將」と書きます。
ルールを説明するのは大変なので、まずはYou tubeをご覧ください。日本の麻雀が打てる方ならおおよそ理解出来ると思います。
(尚、この映像は実戦ではなくビデオ撮影のために遊んだようです。)

基本は同じです。映像で分かるように、花牌も使います。

このビデオによれば花牌を手元に置くときは「補花」、捨牌の時は「打」、鳴いた牌を手牌に入れる時は「入章」、ツモった牌を手牌に入れる時は「摸入」と言っています。

以下テキトー意訳。
「なんでワンズばっかりツモってくるの?(イラッ)」「ついに4ソー鳴けた」「7ソーまた入っちゃった」「テンパった!(喜)」「2ワンイラネ、しっしっ」「どうしよう?東切る?」「ピンフにしておきたいから東切り!」「もしかして5ピン?やった!5ピンキター!ツモ!」

鳴いても平和が成立するのが香港流です。ですから上がりは混一色、平和、ツモと立派なものなんですが、よく見ると789のピンズで一盃口が出来ているのに役に数えていません。一盃口は無いのでしょうか?せっかく出来たのにもったいない。
又、花牌は集め方によって一翻つくようです。

字幕の「番」は「翻」のことですね。なぜ日本では「翻」を使うのに香港では「番」なんでしょうか?逆なら分かりますが…
それに字幕のとおり「和」は「胡」に置き換えられています。「天和」「地和」「人和」もそれぞれ「天胡」「地胡」「人胡」になるわけです。日本の麻雀用語はイーリャンサンスーをはじめ北京語から来ているものがほとんどで、確かに広東語だと「平和」をピンフと読ませることは出来ませんが、いつどこで「和」派と「胡」派に別れたんでしょうか?調べるのは難しそうです。

尚、符計算はしないみたいです。日本でもローカルルールで符計算しない所があります。実は私も昔はしないルールでやってました。

こちらは実戦しているところ。

一局終わった後で、後ろで見ていたおばちゃんがゲラゲラ笑っているのはよくある光景。

見て分かるとおり、牌が大きいので山も大きく、雀卓の縁に対して斜めに並べています。日本と一番違っているのは捨牌を河にして並べずに、雀卓の真ん中にポイポイ投げることです。
つまり、フリテンがないのです。誰が何を捨てたかなんていちいち覚えていられないので物理的に不可能ですよね。当然リーチも先付ルールもありません。
でも、一度見逃した牌で上がれるということは3人のうち特定の相手を狙い撃ち出来るのですが、そこは良くしたもので直撃されなかったほかの2人も四分の一ずつ支払うことになっているのです。
とにかく自分が上がらないとダメなんですね。「哭きの竜」だらけなのも納得です。

そんなわけで、基本的なルールとしては

1. フリテンなし、リーチなし
2. 日本で言ういわゆる「アリアリ」。喰いタン、後付あり
3. ドラはなし。当然ウラドラもなく、王牌も残さない
4. 役がなくても上がれる。但しかなり安い

この辺でしょうか。
もしかしたらほかにもローカルルールがあるかもしれません。

ところで、数年前にこんなホステルが出来ています。

コロナがおさまったらどうですか?
麻雀出来るかもです。




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