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「生きることは物語を作ること」
小川洋子さんの本を何か読みたいと思っていた時に見つけた河合隼雄さんとの対談本。
対談は河合隼雄さんがご病気になられて途中でおわっており、とても残念に思った。
なんだか最近ものごとに深く入ることができなくて、感覚の感度の下がり方が激しくて、この本を一度読んでみて、ほとんど何も感じることができず、途方に暮れた。
唯一、はっとしたのは、長いあとがきの中で、小川洋子さんがインタビューでのことを「投げ込まれた球を打ち返すため、ただ無茶苦茶にバットを振り回していた」と書かれていて、これは私の日常のことだな、と思った。ひたすらに何かを打ち返さなければ、と思い続けている。
この文の前に「相手の質問を受け取り、その言葉を響かせ、そこから聞こえてくるものに二人で一緒に耳を澄ませる」という、望ましい姿勢が書かれてあるのだけど、本当にこう言うことできていない。
どれたけ強く遠くに打ち返せるか、みたいなことしか考えてない気がする。だから人の話もうまく聞けないのかもしれない。
読み返したりし、くまさんのnoteを読んで、本をぱらっと読み返し、気になったところを。
河合 私は、「物語」と言うことをとても大事にしています。来られた人が自分の物語を発見し、自分の物語を生きていけるような「場」を提供している。
河合 人間は矛盾しているから生きている。全く矛盾性のない、整合性のあるものは、生き物ではなくて機械です。命というのはそもそも矛盾を孕んでいるものであって、その矛盾を生きている存在として、自分はこういうふうに矛盾してるんだとか、なぜ矛盾してるんだということを、意識して生きていくより仕方ないんじゃないかと、この頃思っています。そしてそれをごまかさない。
のぞみのない時は、ひかりです。
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