2023年に観た映画について
2023年に劇場で観た映画は141作品でした。
そのうち複数回見た(ガーディアンズ・オブ・ギャクシー、バービー、怪物、君はどう生きるか、市子、キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン、イコライザーは複数回見たと思うので160回は観たと思います)その中で印象に残った作品を部門別のまとめてみました。
身につまされる部門
「バービー」
最高すぎて4回見ました。男性は後半の女性に知識をひけらかそうとする所が身ににつまされますね。(僕もペイブメントについては語りません)女性も「何も考えないでビール配るの最高!」なんていう所は思い当たったりするんですかね。マチズモ反対、フェミニズム万歳でもなく、どちらも2023年の今、フラットに描いてるのが最高です。
それとサントラからこれだけヒットが出るというのは、2000年代以降あまり聞いたことがないですが、凄くないですか。
OSTのプロデューサーのマーク・ロンソンはどこまで良い仕事するんでしょうか。それと吹き替えのバービー役は高畑充希さんがやっていてこれの最高でした。
吹き替え脳の機能を使わずの住むので好きなんです。もっと広く観られて良いと思います。
奇跡の映画部門
「THE FOOLS 愚か者たちの歌」
メンバーがほぼ全員ジャンキー(歯がない)という日本とは思えない80年台から活動を続けたロックバンドのドキュメンタリー。
成立したのは監督が彼らの大ファンで関係性を作り、映像を昔から撮り続けたからだと思います。
冒頭がメンバーの出所シーンの実写なんでヤクザ映画以上です。。
ロック・ドキュメンタリーの世界的傑作だと思います。メンバーの一人が獄中死し、その扱いについて裁判になるのですが、その顛末も奇跡的です。
再会の喜び部門
「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」
ヒット記念上映で満員の観客の中、続編制作の発表には、あの2人にまた会えると歓喜しました。
1作がヒットして予算がつくと面白く無くなるというのは結構あると思うのですが、この映画、その低予算感の良さは残しつつ、アクション・シーンだけはグレード・アップしていると思いました。3の制作も発表されて生きる楽しみになってます。(あの二人は本当に死んでしまったのか?)
ブレイク前の新しい学校のリーダーズが出てるのも流石です。配信のドラマシリーズ化も期待したいです。
爆笑部門
「宝くじの不時着」
韓国兵士が当たった6億円の宝くじを北朝鮮に飛ばされてしまい、それを奪還するために北朝鮮兵士と騒動を起こす話。
韓国は内外の過去、現在いろんな社会問題があるのは事実なので、それをコメディーでもシリアスでもネタのすれば面白くないわけがないんです。
それと役者が全員チャーミング過ぎますね(特に北朝鮮の女性兵士役のパク・セワン)色々あってもみんな幸せになって欲しいです。
松尾スズキさんが字幕監修してるのですが、大人計画の30年来のファンですが松尾さんテイストは特に感じなかったのですが、そのせいで面白みがアップしてるのかもしれないです。
これも続編希望です。
白熱演技部門
「市子」
杉咲花さん、好きなんです。彼女が出てれば大体の作品は4割り増し良くなると思ってるんですが、これは最高ですね。
貧困、戸籍問題、難病、自殺、DV、社会的な問題を取り上げているのに、言いたいのはそこじゃない。人が人として生きていきたい願望がテーマかと思いました。
彼女のファム・ファタル的な側面に着目してしまい、そこが受けつけにくいという声も聞くのですが、そこのバランスも杉咲花だから市子に味方してしまうように思いました。
こっちの方が良いのでは部門
「テイラー・スイフト THE ERAS TOUR」
169分の彼女のライブ映像
最高のエンタテイメントが最高の音響、映像で堪能出来ました。
高い金と時間を使って豆粒みたいなライブを見るより、こっちの方が客観的に見れば絶対良いのではと思いました。最近の特に洋楽のライブでファンでもないのにライブを見るよりSNSに上げるために写真撮っている馬鹿どもにもイラつかなくてすむのもありがたいです。
ほぼなにも起こらない部門
「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」「パーフェクトデイ」
2作品とも、ちょっと体調を崩した、親戚とちょっと揉めた、ちょっと傷ついた、くらいの事しか起こりません。若い女子が生活に入り込んで来るという設定、過去に華やかな日々があったのだろうと思わせるのも共通してますね。
前者の映画を主役の深川麻衣視点ではなく、おっさん役の井浦新視点で見るとほぼ同じ映画だと思いました。
人間のクズ部門
「レッド・ロケット」
良い映画は主人公が成長する話だなんて事を聞きますが、主役のマイキーのクズっぷりは映画史に残るんではないですかね。ここまでクズだとどこまでクズになるかもって見たいですね。ストロベリー役の子のなんとも言えないエロ味、プッシャーの女系家族などサブキャラも最高でした。
悲しい過去部門
「ガーデイアンズ・オブ・ギャラクシーVOL3」
基本的に全員悲しい過去しかない人生のキャラクター達なんですが
特に全く感情移入出来なそうな、ただの暴れん坊のアライグマに、こんな悲しい過去があったなんて誰が想像するんですか。
さらにブラック・ユーモアとの対比も余計にそれを際立たせます。
ハートにレインボーといつもの過去の名曲の音楽使いも最高でした。
国に怒り部門
「福田村事件」
行商の永山瑛太、船頭の東出昌大は本当はこんなイケメンのはずでは絶対ないんですが、キャスト目当てに来るお客さんにこの事件を知らせるために必要なのではという町山智浩さんのコメントにうなづきました。
息が詰まりそうな展開が素晴らしかったです。
後述のジャニーズの俳優が出てたらもっと来たのにと思った次第です。日本人同士でも殺し合ったという史実を隠蔽しようとしている政府に怒りです。
驚いた部門
「Gメン」
映画レビューサイトを見ていたら得点4,5(ゴジラ-1が4)ユーザーレビューが814(バービーで388)で漫画原作のビッグ・タイトルでもないのにどういう事を思って調べたら元キング&プリンスのメンバーが初映画主演でファンが組織票で応援してるんですね。
一応見ておくかと公開2ヶ月後くらいでもまだやっていたので見に行ったんですが、30~40代女性で7割の入(男性は僕一人でした)
終わった後に会場からなんと拍手!
ファンが、この映画を商業的にも評価的にもあようとする涙ぐましい努力をしているワケですね。ジャニーズを使うわけが納得出来ました。
映画は吉岡里帆がベタですがブチ切れたり、泥酔するシーンは良かったです。
最低部門
「キリエの歌」
酷過ぎてびっくりしました
まず「歌えるけれど話せない」という設定をどう演出するかと思ったら前日のカラオケ5時間歌いましたくらいの声では話せるんです。
あげるとキリがないんですが、意味ないランジェリーカット、豪華すぎるプレゼン現場、謎のマネージャー(男性)の立ち位置、喫茶店で歌い始めたらお客さん絶賛、無許可ではありえない野外ライブ、謎の演奏者、普通の昼間襲わないだろう、刺されてるなら誰か警察呼べよとか、宇多丸さんがワーストやらなくなったのは残念なのですが、最近、最低映画を見たとコメントしていたのですが何か知りたいですね。多分本作ではないかと思ってます。
次回ずっと作待ってます部門
イ・チャンドン監督「バーニング」しか観てなかったので、レトロスペクティブで全作品鑑賞。この監督すごいですね。5年に1本くらいしか作れないのも分かります。
今は公言するのもタブーになっているキム・ギドクにも感じる本当のタブーに挑戦する姿勢に痺れっました。準備中という新作、震えて待ってます。
他に印象に残ったのは
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」「イコライザー」「狼の家」「イノセンツ」「パール」「スパイダーマン・アクロス・ザ・ユニバース」「異端の純愛」「AIR」「ザ・ホエール」「デビット・ボウイ・ムーンエイジ・ドリーム」「Winny」「エブエブ」「パーフェクト・ドライバー」「She Said」「サニーデイサービス」「1秒先の彼」「ゆとりですがなにか、インターナショナル」「ミュータント・タートルズ・ミュータント・パニック」「ジョン・ウイック」「ウイッチ」「別れる決心」
こんな感じでした
今年も面白い映画がたくさん見れますように。
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