28話名刀の主のこと〜鎌倉殿の13人を見たあとのクソデカ感情を吐き出したい〜

お盆の機会に、今まで稽古だったりなんだったりで見れていなかった鎌倉殿を一気見したんですね。(録鎌?追い鎌?)

もうね、何ぞこの地獄。

頼朝がうんち男だったがために、頼朝生存中は「おおぉいずみぃぃ!!!」ってなっていれば溜飲の下げどころもあったもんですが、

もうね、それ以降の地獄は、もう、地獄。

ツイッターでは語り尽くせない地獄。

そんなこんなで、ぼちぼち地獄を見て処理しきれないクソデカ感情を吐き出していきたいと思います。

まずは28話、名刀の主です。

もちろん以下ネタバレです!見てから読んでください!




というか本当にこの辺から、近年の大河クラスタにとって未知の領域の始まりである梶原景時の変。

義時が景時を京都に行かせられない理由(義経の考えた、そして鎌倉幕府滅亡時に実際に行われる鎌倉攻略法を知っている)も、ツイッターではさんざん議論され、中村獅童景時と、小栗義時の演技の裏を読む考察で盛り上がりました。

個人的に、梶原景時のパーソナリティ、超共感しちゃうんですよね。

自分の頭脳に自身があって、でもあくまで自分は支える側で、故に、自分の上司が自分を以下に上手く使いこなせるかを常に試している。

そう、景時は常に相手を試している。

名刀の主は、その景時が相手を試し、とことんまで破れ去る回であったとも言えます。

試していた相手は誰か。

無論、新しい主である頼家です。

景時の頼家に対する失望は、すでに27話鎌倉殿と13人のラストで現れていました。

結城朝光の件も、その失望の中から頼家を試したのではないかと。

そしてその自分という鋭利過ぎる刃物を手放すか否かもまた、試していたのだと思うのです。

そう考えると、謹慎が決まった時点で景時の腹は決まっていたのではないかと。

小四郎に京からの書状を見せたのも、その気もないのに一幡を誘拐してみせたのも、そうすれば小四郎がどう動くかを全て読んでの上でのこと。

「ひけらかして失敗しちゃった。」とか「告げ口しただろ、お前信用できんもん」とか言ってみてるのも、手下の手前のブラフだと考えたほうがスッキリするんですよね。

というより、これもまた、小四郎を試したんだと思うんですよ。

「名刀」としての立場を継ぐことができるかどうかを。

そして、後継者としての小四郎を見届け、善児(暗殺用の“刀”)を預け、あと戦で死ぬからよろしく!と去っていくのです。

作中何度も出てくる、「二君に仕えず」。景時にとっての主とは、梶原景時という刀を良くも悪くも使いこなした頼朝であり、そのワードは、誰よりも景時自身に響くものであったのではないかと思うのです。

それを他でもない頼家に言われたことで、彼は「二君に仕えない」最終の決断をしたのではないかと。

そもそも、名刀とは誰のことだったのか。

梶原景時自身のことだ、いや、善児のことだ、とタイムラインも盛り上がりましたし、そのすべてを含んでいるのだと思います。

ですがもうワンセンテンス。平家との戦争を戦い勝った、坂東の荒武者達すべてを指している、とも考えられるのではないでしょうか。

彼らの主たり得ない頼家と主足り得た頼朝の重しから放たれつつある武力。

物語はその頼家に主眼をおいた(そしてさらなる地獄の前置きたる)ままならぬ玉につながっていきます。

本文の最後に、ここまで物語を支え、その最期を見事に演じた中村獅童さんに心からのリスペクトを表します。


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