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『王様戦隊キングオージャー』 第35話「泣くなスカポンタヌキ」 感想


概要

放送局:テレビ朝日系列
放送日時:2023年10月29日(日曜日) 9時30分~10時00分

脚本:高野 水登
監督:加藤 弘之
アクション監督:渡辺 淳
特撮監督:佛田 洋 (特撮研究所)

番組公式サイト リンク

感想

序盤ワイ「昔のシオカラくんめっちゃ男前」
→中盤ワイ「・・・シオカラの馬鹿。」
→終盤ワイ「シオカラー!!😭」

 ヤンマ総長とシオカラくんに感情を動かされっぱなしでした。総長とシオカラくんの回想を挟みつつンコソパ奪還へ向けて歩みを進め、やがて衝撃の結末へと。シンプルながら巧い構成だと思いました。

 ヒルビルの洗脳によって籠絡されたンコソパ。「耳元で囁くようにしないと能力を行使できない」という弱点は出てきましたが、ンコソパ中の音楽デバイスをハッキングすることでそれを補い、最小労力で最大効果を発揮するとは。敵も考えたものです。
 上記の手段に加え、"情報網"という狙い「世界放送で一斉に洗脳するのでは」という懸念を子供にもわかりやすく、それでいてわざとらしくならないような塩梅の台詞でで説明する。流石キングオージャーです。

 そして総長とシオカラの過去。ンコソパが他国(おそらくほぼシュゴッダム)の下請けばかりさせられて荒れまくっていた、というのは第2話でも語られていましたが、闇組織に偽札作りに釘バット。想像以上の荒みぶりです。
 それでも、前を向いて「0から1」を作ろうとしたヤンマ、彼の何度打ちのめされても立ち上がる姿勢に感銘を受けたシオカラの手によって、ンコソパはここまでの国に生まれ変わりました。
 まさに『カイジ』の「今日をがんばった者・・・・今日をがんばり始めた者にのみ・・・・明日が来るんだよ・・・・・・!」と言う名言を彷彿とさせる、希望を抱いて歩む者へのエールとなる回想でした。

 一方のンコソパ奪還作戦。カグラギの洗脳されたふりやヤンマの遠距離攻撃などで一矢報いるも、なかなか突破口とはいかない。
 そんな中、シオカラはうっかり耳栓を外す痛恨のミス。もちろんヒルビルに洗脳されますが、嘘発見器で文字通り決死の抵抗。ここは千綿勇平くん(シオカラ役)や沢城みゆきさん(ヒルビル役)の演技もあって、ものすごく痛々しいと同時に熱くなるシーンでした。シオカラくんの「自分が死んでも、国を救えればそれでいい」という覚悟が画面の向こうにもビシビシ伝わってきます。
 最終的に、ヤンマはシオカラを救うために"テッペンコンピュータ"を破壊。"国"より"仲間"を選んだのです。その後シオカラくんが責めたように、厳しい言い方をすればこの決断は「王」としては最低最悪。なにしろ私情で"王としての責務"を放棄したわけですからね。ヤンマ総長の返しは「見えないモンに動かされてた」「俺も贅沢者になったのかもな」。かつてヒメノ様に「死んだ人を想えるのは、恵まれた者の特権」と言う旨の台詞を言った彼が、「大切な人を死なせないため」の行動をとった。"2人の友情"だけで見れば間違っていない、少なくとも「0点の解答」ではないのかな、とは思います。
 正直、僕自身の中でも賛否両論です。

 しかし、王国奪還が初戦から失敗に終わるとは。『仮面ライダーギーツ』とは違う方向性で、先が読めないというか落とし所がわからないというか。

(次回予告を見た)
 なんで?

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