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『ブラックペアン シーズン2』 第5話「お前は死ねない!50億円オペの結末は?」 感想

概要

放送局:TBS系列
放送日時:2024年8月4日(日曜日) 21時00分~21時54分

原作:海堂 尊『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』(講談社文庫)

脚本:槌谷 健、守口 悠介
音楽:木村 秀彬
主題歌:小田 和正「その先にあるもの」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監修:山岸 俊介(イムス東京葛飾総合病院)
プロデュース:伊與田 英徳、武藤 淳、佐久間 晃嗣
演出:西浦 正記
製作著作:TBS

番組公式サイト リンク

感想

 戸島先生の手術が未曾有の危機に陥った前回ラスト。花房さんが"賭け"に負けたので天城先生の助太刀はなし…と思いきや(アクシデントでコインが"表"になったので)アッサリ助けに入りました。しかも"エルカノ"の指示を元に「石灰化部分の除去」といういつもの(ダイレクト・アナストモーシス手術)とは違う手術で。よく考えてみれば再現性がないほど難易度の高い"ダイレクト・アナストモーシス手術"を難なくこなせるのだから、他の手術ができても不思議ではないんですけどね。ちょっと意外な一幕でした。
 そして「意外」といえば天城先生が「医者のプライド」を語ったシーン。「自分(の技量・オペ)に対するプライド」を持っていると推察できるシーンはこれまでもありましたが、「医者(と言う職業・職務)に対するプライド」を語るのは意外。他者に対してはむしろ冷笑的な印象のある天城先生でしたが、彼の中にも「患者の『生きたい』という執念」やそれを汲む善性、並びに「医者として『その執念を反故にしてはならない』という使命感」があるんだなということが伺えました。

 戸島先生との対決は一件落着となりましたが、また新たな問題が。それは「新病院建設への資金不足」。天城先生が「派手さは正義」と言わんばかりの奇妙なデザインにしたことが原因なのである意味自業自得なのですが…。
 資金調達も兼ねた今回の患者はKDグループの木崎大吾社長(演:恵俊彰)。お隣韓国で成功を収めた経営者…なのですが、その経緯でソヒョン、ミンジェ親子と因縁あり。その他のシーンでも伺えるように、我田引水な人間性をしていそうで、正直なところスポンサーとしては好ましくない印象です。

 その一方で、ソヒョンさんの容態にも悪い変化が。手術後、僧帽弁閉鎖不全症を発症。"スナイプ"を使用すれば手術可能だが、費用は1,200万円程かかるとのこと。その手術費用を木崎社長が出してやると言い、パク親子を焚きつける言動をしたことで一触即発。ソヒョンさんが折れたことでその場は落ち着きましたが、木崎社長への印象は最悪です。
 ところが、それは天城先生が仕組んだ"罠"。木崎社長の裏帳簿を暴くためにソヒョンさんと組んで偽の検査データを作り、敵味方を欺いたというわけです。「USBメモリを金庫に保管していたこと」や「ソヒョンさんのことを木崎社長にばらしたこと」はもちろん、「KDグループの飲食店があまり繁盛していないこと」「木崎社長を集中特別治療室に移したこと」までもが伏線だったとは!さすが海堂先生、その腕前に脱帽です。
 全てを白日の下に晒され、無様に悪あがきする木崎社長。オペ室で自傷を図った彼に対して天城先生が投げかけた言葉にもまた、彼なりの「医者としての矜持」が表れていると感じました。相手が誰であれ患者は救う。その後に生き地獄が待っていようと、神聖なオペ室での自死など許さない。そういった矜持が表れていました。

 一方、新病院を巡る政治劇にも進展がありました。天城先生は高階先生と菅井教授が懇意なことを見抜いていました。院内政治に興味がないところは渡海先生も天城先生も共通ですが、そういうところの目敏さは天城先生の方が上手な印象ですね。

 そして次回、いよいよ渡海先生が登場するのか!?黒白の悪魔が並び立つのが楽しみです。東城大に登場(激寒)

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