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『下剋上球児』 第7話「監督復帰!逆境を乗り越え夢を掴みとれ」 感想


概要

放送局:TBS系列
放送日時:2023年11月26日(日曜日) 21時00分~21時54分

原案…菊地 高弘『下剋上球児』(カンゼン刊)

脚本…奥寺 佐渡子
音楽…jizue
主題歌…Superfly「Ashes」
プロデュース…新井 順子
演出…濱野 大輝
編成…黎 景怡、広瀬 泰斗
製作…TBSスパークル、TBS

番組公式サイト リンク

感想

 2017年、12年ぶりに甲子園予選初戦を勝ち上った越山高校。しかし、2回戦では押し出し四球を始めとして大量失点し、精神面での脆さが露呈。越山高校の夏は呆気なく終わってしまいました。挑戦者側が土壇場に弱く描かれるのって、ドラマだと珍しいですが「イケイケムードを崩されたゆえの弱さ」と考えるとリアリティありますね(本作は「事実をベースにした作品」ですが)。しかし、南雲先生との「1勝したら越山に戻ってくる」という約束は果たされたため、晴れて彼が監督として復帰です。
 個人的に、試合後審判の判定を愚痴っていた生徒に対して横田先生の言った「審判がいないと試合ができない(だから審判の判定にいちゃもんをつけるな)」という言葉は心に来ました。同じことを元プロ野球選手の落合博満さんも著書で述べていたからというのもありますが、南雲先生以外も"ザン高"の(お世辞にも優秀とは言えなかった)生徒に対して"教師"として真正面から接してくれるようになったという変化が見て取れます。

 そんな中、犬塚家が野球部のスポンサーを撤退。中々甲子園に出場できないことに業を煮やしたのはあのおじいちゃんのことだから想像に難くないですが、前途多難。それでもやれることを頑張っているからか、チーム内の雰囲気は朗らか。「南雲先生が就職活動中に取った資格は(教員免許のように)偽装じゃないですよね?」はシャレにならない気もしますが、生徒が先生をいじれるし、先生も笑いながら「こらー(`Д´)」くらいの対応をできるあたり、課題は山積みだけど閉塞感がないのはいいですね。
 ただし、そうのほほんとしていられないのも確か。先述の2回戦で敗戦に繋がるミスをした楡くん(チーム屈指の強打者だが、守備は苦手)が退学届を出そうとするため、チームに波紋が広がります。楡くんなりに悩んで考えて出した結論とはいえ、性急というか諦めが早すぎるんじゃないかなとは感じてしまいました。それだけ内に秘める責任感は強い(=越山ナインであることへの誇りがある)ということでもありますが。

 紆余曲折を経て「甲子園出場」を目標に掲げた2018年度越山ナイン。不安がる生徒に南雲先生は「最初と比べたらみんな目まぐるしく上達している」と励まし自信をつけさせます。結果ばかりに目を向けるのでなく、これまでの努力や成長過程を肯定する、これこそ「自己肯定感を育てる方法(=教育における土壌作り)」であり、それを自然に出来る南雲先生が慕われる理由と言えるでしょう。
 そうやって野球はもちろん勉強にも、第1話からは想像もつかないほど精一杯取り組む彼らの姿には胸を打たれました。人間って変わろうとすればここまで変われる、そして自己変革のためには自己肯定感が肝要、それらのことを一気に実感しました。

 そして迎えた夏の大会。越山高校は2年連続の1回戦突破だけでなく史上初の2回戦突破も果たしました。ここから始まる「史上最大の下剋上」に期待大です。

 樹生おじいちゃん、学校には横暴だし家でも手術拒否やお金の無駄遣いなど、嫌なところが目につくけれど、孫の翔くんに対しては「自信をつけてくれる心強い味方」なんですよね。それがわかっているから憎みきれない、絶妙な塩梅の困ったちゃんですね。

 対戦相手だった伊賀商業高校と三重西高校の監督前田幸長さん(元 ロッテ、中日、巨人)イチローのストーカームネリンこと川﨑宗則さん(元 ダイエー、ソフトバンク 等)ですね!!第1話の鳥谷さんと違い、完全に知らない状態での出演だったので驚きました。

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