『斉木楠雄のΨ難』 5巻 感想
概要
著者:麻生 周一
初版発行:2013年
デジタル版発行:2013年
発行所:集英社
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発行者による作品情報
感想
上述の作品情報を全部使って紹介されていることからもわかるように、この本のメインディッシュは「第42χ Ψを振れ!波乱の期末テスト」です。
まず、超能力を駆使してちょうど真ん中の順位を取ろうとする(本人曰く「高校レベルのテスト位自力で満点取れる」らしい)斉木の努力がある意味涙ぐましい。目立ちたくないとはいえ、ちょっと欲を出して"中の上くらい"にはならない…ですね。そんな俗物からあんな面白いツッコミは出てこない。
そして、当然ながら留年の危機に立たされた燃堂の"秘策"がもう酷い。コロコロ鉛筆ってお前。たしかに(事前から努力を重ねたうえで、それでも踏ん切りがつかない問題に出くわした時の)最終兵器として使う学生は多いけれど。「ここに入る時も世話になった」ということは、入試の時もコロコロ鉛筆100%で合格したのか…!?福本作品風に言えば"理"の外の存在だ、燃堂力。
結果。燃堂は無事留年を免れました。コロコロ鉛筆半端ないって。アイツ半端ないって。その鉛筆にはある(ズルではない…であろう)"仕掛け"があったのですが、それは今作を読んでのお楽しみ。ちなみに、斉木も自身の目的は果たせました。苦いオマケ付きで。
それ以外の話も面白いです。個人的に笑ったのは「第44χ 仲Ψ無用!?燃堂 vs 海藤!」と「第50χ クソゲーΨ新作!オルファナスストーリー」。
前者は海藤の頭脳プレー(笑)が実にしょうもな面白い。そして次のページの分身燃堂とオマケページのプリクラも腹筋に悪い。
後者は「テレパシーでネタバレを回避できないがゆえに、人気作は楽しめない(=誰にも見向きもされないクソゲーしかできない)」という悲しい設定で少し「お、おう…大変だな」となりましたが、さすがの斉木でもキレる"クソゲーあるある"の嵐でそんな同情も無事吹っ飛びました。まあオチは語弊を恐れず言えば自業自得と言えますが。
「第51χ おかえりなΨ!真魔」に登場した海藤母の教育ママ(と言えば聞こえはいいが、正直"毒親"に片足突っ込んでいると思う)っぷりがキツイなと思ったくらいで、全編通して笑えること間違いなしです。
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