『DEATH NOTE』 3巻 感想
概要
原作:大場 つぐみ
漫画:小畑 健
初版発行:2004年
デジタル版発行:2012年
発行所:集英社
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発行者による作品情報
感想
この巻では、月・L双方が積極的に攻め手に出るため、物語が大きく動きます。
月の「①仕込んだポテチで"情報を得ていない"かのように見せて殺人」→「②"情報を得た"時にも同程度の犯罪者を裁く」→「③事前に得た情報をもとに、日時をばらつかせて殺人」という二重三重の策には感嘆しました。(自分で言うのもなんですが)"石橋を叩きに叩いて渡る…とは限らない"くらい慎重な性格の僕でも、そこまでは思いつかないと思います。完璧主義というか、「危ない綱渡り」である以上、1ミリでも疑われないためにやれることはやっておく、ってことですね(実際、Lは①の時点で「今までと比べて罪の軽い者を殺した」点を怪しんでいました)。
一方のLも、やられっぱなしでは終わりません。月に急接近し、直接探りを入れようと試みます。月も(多分読者も)L自身が自ら表に出る(しかも「私はLです」と名乗った上で)なんて考えていなかったでしょう。月が手出しできないことを分かっていて近くにいる(月からすればそれ自体が煽りみたいなもの)のは、ある種の性格の悪さが出ていていいと思いました。
お互い聡明なので、探り合おうにも隙らしい隙はなかったですが。
そして、「第二のキラ」も登場します。そして彼(彼女?)は"死神の目"も持っている。月にとっては強大な戦力です。
もっとも、キラ反対派というだけで罪のないアナウンサーや警察官を殺したり、警察幹部を生贄にしようとしたり、やり方は月も不快感を露わにするレベルですが。キラの目標が目標だけに、物事は可能な限り穏当に(人を殺している時点で"穏当"も何もないですが)進めなければならなかったことを考えると大打撃とも言えます。
Lの捜査本部を"同志"として思いやる気持ちや、警察のキラと戦う意志を固めた姿は、物語前半では一番の感動ポイントだと思います。
"感想"として欠かせないのですが、この巻、所謂「シリアスな笑い」と呼べるシーンが多いです。
有名な「護送車でさくらテレビに突入する夜神総一郎」をはじめ、センター試験であの座り方をするLや逆ギレする月など。
ちなみに、2巻の「page.16 逆立」でリュークが言っていた「禁断症状」は本当でした(笑) ジョジョ立ちみたいな事になっています。
余談ついでに、「page.20 先手」で死神の一人が
と言っていました。
たしかに見た目は…ハムスターやフクロウが好きな僕としてはお世辞にも「ペット」としては見れない(苦笑) ですが、言動を見ていたら面白くて可愛いとは思います。
次第に姿も可愛く見えてきました。今では『DEATH NOTE』で一番好きなキャラかもしれません。
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