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『どうする家康』 第11回「信玄との密約」 感想

概要

放送局:NHK 総合テレビ、NHK BSプレミアム、NHK BS4K
放送日時:2023年3月19日(日曜日) 18時00分~18時45分(BSP、BS4K)
     2023年3月19日(日曜日) 20時00分~20時45分(総合)

脚本:古沢 良太
音楽:稲本 響
語り:寺島 しのぶ

番組公式サイト リンク

感想

 開幕早々、家康は源氏の末流と言えなくもないいうことが明らかになり、喜ぶ家臣たち。しかし、官位を賜るにはかなりのお金が必要。悩む家康。そして家臣。
 そこで上人が言った言葉は「己の損得に金を使うか、民の損得に金を使うか」。それを受けて家康は、官位を受けることを即決しました。かつて今川義元に説かれた「王道と覇道」がここでも生きてきましたね。やはり基本に返るのは大切。

 一難去ってまた一難。今度はV6天魔王織田信長から駿河・遠江を巡って武田信玄との交渉を任されました。
 信玄からはおろか、自身の家臣からも穴山梅雪・山県昌景(ともに信玄の家臣)と同格より少し下扱いされる家康。"若者特有の過大な自己評価"と"周囲の客観的な評価"の差と言えばそれまでですが、流石に可哀想かな…とは思いました。立てまくったフラグを回収して信玄と会うまでは。
 家康にとって、初めて目にした武田信玄はそれはそれは大きな存在だったでしょう。演者の身長差(ちなみに松潤は173cm、阿部寛さんは189cm)だけではなく、"武将"としての能力や経験値、実績、そこから来るオーラのようなものまで、全てが桁違い…というのが見ているこっちにも伝わりました。
 世界の広さを知った若武者がこれから大きくなる…というストーリー(漫画で言えば『NARUTO』や『BLEACH』が近いかな?)は好みなので、ここから家康が信長や信玄に負けず劣らずの大武将に成長してゆく過程を見るのが楽しみです。

 田鶴の生き様を「忠義に生きた」と見るか「盲信に死んだ」と見るかはあなた次第だと思います。いずれにせよ人の心がない展開ではありますが。
 今川家の最盛期を知っているだけに、今川からの恩を受けてきただけに、少し落ち目になったくらいで他家に鞍替えするのは気が引ける(下手すれば、裏切り者として鞍替え先から殺されることもありうるのは別の話)。さりとて、城主という立場である以上、家臣や民を己のエゴで路頭に迷わせるわけにはいかない。田鶴にはそれが見えなかった、というわけでしょうか。
 個人的には、家臣のために織田家につくことを選べた家康と、自分の忠義(あるいは"盲信")故に判断を誤った田鶴は対比しているのかなと思いました。

 次回は、家康と今川氏真の直接対決か。2人が相見えるのはかなり久しぶりなので、どのようなやり取りになるのでしょうか。

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