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『ペンディングトレイン─8時23分、明日 君と』第8話「生きろ…永遠の別れ」 感想

概要

放送局:TBS
放送日時:2023年6月9日(金曜日) 22時00分~22時54分

脚本:金子 ありさ
音楽:大間々 昂
プロデューサー:宮﨑 真佐子、丸山いづみ
演出:加藤 尚樹
製作:TBSスパークル、TBS

番組公式サイト リンク

感想

 登場人物、特に嫌われる言動の多かった玲奈や田中さんの中にある善性が垣間見えましたね。それが"最終章の幕開け"感を強めもしましたが。

 玲奈自身、「(帰っても手を差し伸べてくれる人なんてないから)現代に帰りたくない」「自分と違って希望を抱ける周囲が腹立たしい(そんな自分に対する苛立ちもあるかもしれない)」って気持ちは本物でしょう。でも、それはそれとして現代に帰ろうとする人たちの邪魔まではしないし、畑野に「元気でね」と言うだけの仲間意識はある。さらにラストでは明石周吾(演:宮崎秋人)の差し出した手を取り、戻る道を選んだ。
 白浜と萱島の喧嘩でも表れた通り、最初は「ただ同じ電車に乗りあわせただけの他人同士」でしたが、こうして苦楽を共にするうちに「信頼しあえる仲間」になっていったということが伺えました。
 玲奈に関してだと、加藤くんの「(2023年から見た)未来を変えられなかった時のために、こっちに残る人もいた方がいい」とした上で彼女に言った「残るなら、何がなんでも生き抜いてほしい」という台詞も良かったですね。玲奈の選択肢を単なる「逃げ」にしない上で、加藤くんらしさも出ていました。

 5,6号車の共倒れを焚き付けていた田中のおっちゃんが最後、米澤くんに好意的だったのは「こんな自分にも置き土産をくれる事への感謝」や「せめて後腐れないように」って気持ちもあると思いますが、「動くべき時に動かなかった自分への後悔」からくる「挑戦するからには、後悔するなよ」っていうエールだと感じました。
 ラストで萱島を電車に乗せ、「元気でな。お前ら居なくなって清々するよ!」と言いながら電車の扉を閉めた田中のおっちゃんは、紛れもなくヒーローでした。もう会えないのかな…(´;ω;`)

 そして、ワームホールを作り出して電車を巻き込み、現代(2023年)に戻った…かに見えた白浜たち。しかし、そこは2026年5月1日でした。人類滅亡まであと7ヶ月という苦境。この短期間でどう未来を変えるのか。
 ラストのモノローグで(おそらく立花弘子(演:大西礼芳)が)言っていた「きっと神様は、魂を良くしようとしない我々にお怒りなのでしょう」という旨の台詞も気になるところです。

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