元プロ野球選手で抜群に面白いYouTuber

プロ野球のレジェンド達が軒並みYouTuberになっている。この事実を知って私はかなり驚いた。

高橋慶彦さん、里崎さん、高木豊さん、大久保博元さん、井端さん、川上憲伸さんなど錚々たるメンバーがYouTuberとして動画をアップしている。

私はもともとYouTubeを見る習慣がなく、YouTube界隈のことについてほとんど何も知らなかった。

しかし去年、仕事でYouTuber風の動画を作成するということがあり、YouTubeを見てみたのである。

その中で、プロ野球OBのYouTubeチャンネルに出会うことができた。
その中でとくに面白いと思ったのは、片岡篤史さんのチャンネルである。

日本ハムや阪神で活躍された名選手の片岡篤史さんである。1400本以上のヒットを打った名バッターである。

片岡篤史さんと言えば、選手時代は炎上する投手陣に対しての「一緒や！打っても！」の発言やスキャンダル記事などのせいで、なんとなくやんちゃなイメージが強かった。

そしてコーチ時代は、当時の阪神打線が不調だったことから片岡篤史さんはだいぶ批判されていたように覚えている。

そんなイメージであった片岡篤史さんであるが、YouTubeチャンネルが抜群に面白いのである。

なぜ面白いかというと、まず記憶力が飛び抜けていいのである。

片岡篤史さんはPL学園の出身であり高校野球好きを公言しているが、片岡篤史さんの高校時代の野球部でのエピソードや、試合のことを事細かに覚えているのである。

PL学園の同期である、立浪さん、橋本清さん、野村弘樹さんと対談している動画では、みんなから「ほんまよう覚えとるなー」と感心されていた。

過去のことは調べれば分かる。しかしそれを実際に体験して、記憶していることによってリアリティが増し、深い話につながっていくことが片岡篤史さんのYouTubeチャンネルを面白くしているところであると思う。

片岡篤史さんのYouTubeチャンネルが面白い理由の二点目は話を聞くことが上手いということである。

PL学園出身の超大物OB選手達が、片岡篤史さんのYouTubeチャンネルに登場している。
例えば桑田真澄さんである。テレビでは言わないようなことを、桑田真澄さんはかなりざっくばらんに話している。

PL学園の後輩である片岡篤史さんには話がしやすいという理由もあるかもしれないが、片岡篤史さんの聴く姿勢がいいので、きっと桑田真澄さんはリラックスして話ができているのかと思った。

片岡篤史さんは桑田真澄さんに、高校時代にジャイアンツから裏金はもらっていたのか？とかなり際どいことも聞くのであるが、片岡篤史さんの人間性からか桑田真澄さんは気を悪くせずに答えるのである。

片岡篤史さんは、逮捕されて執行猶予の判決が出た後の清原和博さんについてもいち早く動画に出演してもらっている。

判決後というなんとも微妙な時期であるが、先輩である清原和博さんに気を遣いつつ、YouTube視聴者が知りたいことを聴くというなんとも難しいことをしているのである。

動画を見ていくと、話の聴き方が上手いので清原和博さんは気分が良くなっていろいろ話すようになっていく。

視聴者は報道から知れること以上のことが分かる上に、片岡篤史さんと清原和博さんが先輩後輩として尊敬しあっている姿に心が温まるのである。

片岡篤史さんのYouTubeチャンネルに出演したことが端緒となり、清原和博さんは他のプロ野球OBのYouTubeチャンネルに出るようになった。そして自身もYouTubeチャンネルを開設するようまでなった。

少し前の時代のことを思えば、まさかプロ野球のOB選手達が学生時代や選手時代のことを赤裸々に語るなんて考えられなかった。

ゴーストライターが書いたであろう自伝のような本や、暴露本みたいな本を出すプロ野球OBはいた。しかし自伝は過去を過度に賛美しているような内容が多く、暴露本は信憑性が疑わしいものが多かった。

そんな中でYouTubeチャンネルの中の片岡篤史さんやそこに出演する元選手たちは、等身大で本音を語っている印象がある。

まさか片岡篤史さんがYouTuberになって活躍するなんて選手時代は思いもしなかった。
もちろんそもそもYouTuberという仕事が存在するなんて、片岡篤史さんが選手だったころは想像もできなかったが。

本当に未来のことは分からないものである。

片岡篤史さんはYouTubeチャンネルの中で、高校時代はまさか自分がプロ野球選手になれると思っていなかったと言っていた。

それが大学卒業後プロに入ったら大活躍をした。

しかしその後のコーチ時代は恵まれなかった。

そして今は登録者数が26万人の人気YouTuberである。

人の人生って本当に先が読めないと思った。

と、無理矢理教訓風にまとめてみたが、ただ言いたかったのは片岡篤史さんのチャンネルが面白いということである。