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我が家の洗濯機が憎い

洗濯機が憎い。
でも世の中の洗濯機全般に言っているのではない。

我が家の洗濯機だけがひどく憎いのである。
我が家にその洗濯機がやってきたのは12年前のことだ。

12年前に、私は引っ越しを機に家電を全て新調した。
その時に部屋の雰囲気に合わせて、どの家電も黒にした。

現在はまあまあ黒の家電があるが、当時は黒い家電は珍しかった。

それでも炊飯器や冷蔵庫や電子レンジなど黒いものを探した。
その結果、部屋に統一感がでて自己満足していた。

しかし、洗濯機はどうしても黒がなく妥協して白い物を買ったのである。

「洗濯機だけ白なんだよな…」という私の気持ちが洗濯機に伝わっているのか、その洗濯機がひねくれた挙動をするのである。

その時に買った他の黒い家電たちは今でも健気に働いてくれている。

しかし、洗濯機は働くことは働くものの、素直さとは程遠いのである。

まず乾燥機能を使うと、高確率でエラーを出す。エラーを5分に一回くらい頻発することもある。

その度にスイッチを押しなおさなければいけないので、ほっておくことができない。

しかし、エラーが出るだろうと予想して警戒している時はノーエラーで乾燥を終えるのである。

乾燥をしない場合も大変困っている。
むしろこれが一番困るのであるが、普通に洗い、すすぎ、脱水だけする時の所要時間が日によってものすごく違うのである。

洗濯機に入れた衣類の量がほぼ同じでも、日によって洗濯終了までの時間が全然違う。

40分くらいで終わる時もあれば2時間くらいかかる時もある。
出かける前に洗濯物を干して行きたい時は、時間がよめずに非常に迷惑するのである。

あまりにも長くかかる日が続き、知り合いの電気屋さんに来てもらい、診てもらったことがある。

電気屋さんが言うには特に異常はないとのことであり、修理なども一切してもらわなかった。

でも一応、新作洗濯機のカタログを持ってきてくれたので受け取った。

そうすると次の日からは、我が家の洗濯機は修理も何もしていないのに、心を入れ替えたように早く洗濯を済ませるようになったのである。

まるで、新作洗濯機のカタログがうちに来たことにより危機感を覚えたような働きぶりであった。

その後も、我が家の洗濯機は早く洗濯を済ませたり、非常にゆっくりと洗濯をしたりすることを続けている。

ただ本気で洗濯機を買い替える相談をしたり、お金に余裕ができる夏冬のボーナス時期になると、それまでの怠慢を取り返すように迅速に洗濯をするようになるのである。

こちらの都合を見透かしているかの挙動である。
そのおかげで、何度も買い替える機会を失ってきた。

今後も我が家の洗濯機の挙動に翻弄されつつ、しばらくはこの性悪洗濯機と付き合っていくのかなと思っている。

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