湿気カールと髭抜き
先日、三毛田さんがこんな記事を投稿されていた。
普段、人に接しているとなんとなくこの人と自分と合うのでは思う経験が多くの人にあると思う。
好きな音楽や本や映画が同じであったり、考え方が似ていたりと、接しているうちに価値観が近いと感じるようになる人が周りにいないだろうか?
そしてそんな人に親しみをだんだん感じてくるといった経験がないだろうか?
なぜそんなことを言い出したかというと、引用させてもらった文章を書いた三毛田さんとはnoteだけの付き合いであるにも関わらず、それと同じようなことを感じるからだ。
三毛田さんに親近感を覚える理由は、お互いの文章の空気感に近しさを感じるからだと思っている。
言い換えるなら三毛田さんの文章と私の文章は醸し出す香りが同じ種類なのだ。
物事への向き合い方や考え方が近いがゆえに、同じような香りを発するのかもしれない。
三毛田さんと私の文章を料理で例えるとタイの「グリーンカレー」とインドの「ダールカレー」のような関係であると私は思っている。
中に入っている具などは微妙に異なり、味も違うのだが、何かしらのスパイスを使っているカレーという種類であることは一緒であるというような感じだ。
カレー仲間としては三毛田さんに親しみを感じずにはいられない。
以前、夏木凛さんの記事でも同じカテゴリーとして私と三毛田さんの記事を紹介してもらったことがあった。やはり、私と三毛田さんを同時に知っている人で、香りに敏感な人は私たちの文章が同じようなスパイスを使っていることに気付いてくれるのだろう。
そして冒頭の引用させてもらった記事である。
三毛田さんは湿気を含んだカールが好きだということについての話だ。
私は湿気を含んだカールが好きだという事実については全く共感できなかった。
ただ、湿気カールには共感できないものの、「誰も共感してくれなさそうなことを真面目かつユーモアを交えて語る」という文章についてはとても親近感がもてた。こういうの大好きである。
そこでこれを読んで影響された私も「誰も共感してくれなさそうなこと」を語ってみたくなったのである。
しばしお付き合いいただけたら嬉しい。
私がとても好きであり、もはや好きというか生活のうちの一部にすらなっていることで、おそらくそれほど多くの人がやっていないだろうことに「毛抜き」がある。ピンセットみたいな形をした道具で毎日毛を抜く。
それも髭を抜くために使うのだ。私は毛抜きを自宅に一つ、その日履くズボンのポケットに一つ、職場に一つ常備している。どれもセブンイレブンで売っている毛抜きだ。ここ20年以上いろいろ試したが、セブンイレブンの毛抜きが最強である。
私はカミソリやシェーバーなど一度も使ったことがなく、中学生のころから邪魔な髭はとにかく毛抜きで引っこ抜いてきた。
毛抜きで引っこ抜いてきたおかげなのか、もともと髭が薄いのか、もはや分からないのだが私の顔には毛抜きで綺麗に抜ききれるほどの髭しか生えてこない。
毛抜きで髭を抜く醍醐味はうまく抜けるとなんとも気持ちがことである。耳かきをしていて、大きな耳垢が取れる瞬間を凌駕する快感だ。
太めの髭が抜けた時はしばらく眺めて愛でる。
毛抜きで髭を抜くと肌がシミになると聞いたこともあるが、今のところは大丈夫である。
お肌のことを考えるとやめた方が良いかと考えたこともあったが、毛を抜く快感には抗えず髭を抜き続けている。
また、髭だけでは飽き足らず顔中の産毛も、毛抜きで抜いている。産毛は抜けても髭ほど快感はない。ただこれは抜いても抜いても生えてくるので、たくさん抜きたいという欲求を叶えてくれる。
「たくさん抜きたい」とか下ネタっぽいが髭の話である。私は暇さえあれば毛抜きで産毛を抜いている。
毛抜きで髭を抜く話を他人にたまにすると必ず変な顔をされる。共感されたことは一度もない。
ただnoteの世界は狭いようで広い。
三毛田さんの湿気カールについて、コメント欄で「湿気カール分かる!」というようなコメントがいくつかついていた。
湿気を含んだお菓子が好きな人がけっこういたようである。
そしてさらにnote公式の「夏の旬食材レシピまとめ」と「フードエッセイまとめ」のマガジンに掲載されていた。
さすが三毛田さんである。
もしかしたら、私も毛抜きで髭を抜き続ける人を発見できるかもしれないという、淡い期待もありつつこの文章を書いてみた。
髭抜きの快感、分かってくれる人がいたら嬉しい。
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