デカ女とデブ女の違いを述べよ。

「デカ女ブーム」って言葉がトレンドになった。
「またか」が棒の第一印象だ。いつも通り。
きっとどっかの誰かが「こないだのはもう終わった。次はこれでいくぞ!」と意気込んだのだろう。デカ女には、悪の組織に送り込まれた使い捨ての怪人のような哀愁がある。身長がデカい分、落とす影もまた長い。

大体、本当に人気や需要が高まっているのか?
「高身長女子が大好き!」な男はそういない。確率的に「たまたま好きな子がそこそこ高身長」になっているだけだろう。
「身長高くなりたい!」と言う女は、モデルのような体型に憧れてるだけだろう。神様が「身長170cmで体重90kgの土偶みたいにしてあげるよ」と言ったらほとんどの女は断るはずだ。
喜んで受け入れた挙げ句「ミケポじゃないもんっ!」と笑えるポジティブ女なら、それはそれで大人気にも高需要にもなるかもだが。

ブームなんてものは大抵、誰かの利益のために恣意的に生み出されるものだ。たぶん今回のは、女子の平均身長が高くなってきたからそろそろ使える、程度のネタだろう。
言うなれば、ツバスがハマチになったからネタにしようといった塩梅だろうか。つまりなんでもいいのだ。

だから、デカ女がアリならデブ女があっても良い。
そこでこの記事タイトルだ。
この問いに対する答えは簡単だ。数学的な解で言えば「Y軸に大きいのがデカ、X軸に大きいのがデブ」だ。そう、みんな正解してると思う。
ただこれが国語ならバツを、倫理なら罰を与えられるかも知れない。
特にこんなご時世だ。「次の時間の体育は、不適切な発言をしたZを体操マットで巻いて皆でサンドバッグにするぞ!」なんてことにさえなりかねない。

解答は至極単純かつ簡単だが、理由の方はそうはいかない。複雑かつ難解で、何より字数が圧倒的に足りないからだ。
いやそもそも文字だけで伝えるのも無理があると個人的には思っている。この手のことを語るなら、会議室を12時間借りて強い酒を用意してもらいたい。
よって、本当の意味で割愛する。

ただこれだけは確実に言える。我々人間は、見た目の影響から逃れることはできない。
どれだけ抗っても勝てはしないし、傷付く時は徹底的に傷付く。安全地帯が皆無の状態でシザーマンに追われているようなものだ。

これでは全く生きづらい。棒はただ、のんびりと生きたいだけなのだ。
世界の法則は変えられないが、社会の構造は変えられる。せめて社会くらいは、焦らず煽らずあくせくせず、であってほしい。(因みに棒の辞書に「おまいう」や「特大ブーメラン」の文字はない)
本当の意味で「みんななんでもいい」という社会になることを常に願っている。
だってそうすれば、好き勝手言ってるどうしようもないこんな棒のことも許してくれるだろうから。

〈了〉

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