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今年やりたいこと⑩アクリルアヴァント

今年30歳を迎える私。
加齢を感じる出来事は日々いろいろな場面で、そこそこ出くわしますが、成長だとか、前はできなかったことができるようになるとか、そういうことを明確に実感することはだんだん少なくなってきている気がします。

そんな中で、ここ数年で明らかに自分の伸びを感じられるものが1つあります。それは「サウナ」です。

サウナとの出会い

もともと温泉やお風呂が大好きでした。子供の頃から長風呂派だし(長いと2時間とか余裕で入ってる)、小田原線沿いに住んでいた頃は、よくロマンスカーで箱根に1人旅へ行っていました。

昨今のサウナブームを知ったのは2020年ごろ。その頃よく見ていた芸人さんのYouTubeチャンネルで、よくサウナを紹介していたのがきっかけでした。

前職時代、お盆やお正月の繁忙期、泊まりがけで応援に駆り出されたとき、よく使っていたホテルにサウナがあって、せっかくだからと入ってみたんですよね。ホテルと仕事の往復でとくにやることもないし。

そのホテルの女湯には水風呂がなくて、シャワーで軽く水を浴びるくらいでおしまい。「ととのう」はまだ味わっていません。サウナも、ギリギリ2人入れるくらいの小さなもの。

だから逆に、人目を気にせずストレッチしながら入れて良かった。仕事で毎日へとへとになってもサウナに入ればすっきりして、慣れないホテルのベッドでもぐっすり寝られた。わあ、サウナってめっちゃいいなあ。

そのあたりからサウナがあったら入る、という時期が続きました。そこまで頻繁に行くわけではないけれど、疲れがたまって「もう無理!!」ってなったら銭湯や温泉に駆け込む。

ただ、水風呂に入る勇気はありませんでした。あんな、地獄のように冷たい水に入るなんて私には絶対無理。

サウナで汗いっぱいかいてお肌つるつるになって、体が軽くなって、それだけで満足。「ととのう」ってどんな感じかなあと気になりつつ、でも水風呂入る勇気はなかなか出ませんでした。

水風呂への挑戦

あるとき、サウナが評判のスーパー銭湯で、せっかくだから水風呂に入ってみようと思い立ちます。幅広い年代のお姉さま方が、精悍な顔つきでサウナから水風呂にすいーーーと吸い込まれていくのが、だんだんかっこよく見えてきていた。

よし、今日はなにがなんでも絶対に水風呂に浸かるぞと意を決し、ちょっとわくわくもしながらサウナへ。いつもより気合いを入れて長めに温まり、シャワーで汗を流してからふらふらと水風呂へ向かいました。

意を決して踏み入れた1歩目は、心の中で「うそでしょ!?無理無理無理無理!!」と叫びながらすぐにひっこめることに。びっくりしながらも、小学生時代、プールの授業の前に手足に水をかけていたときの感覚を思い出しました。ああそうか、あのときみたいにやってみよう。水風呂のフチに置かれた手桶で水をすくい、心臓に遠い方から少しずつ水をかけてみることに。

浴槽の横でまごつく私を横目に、ざぶーんざぶーんと水風呂に吸い込まれていく諸先輩方。同じ人間のはずなのにどうしてこうも違うのか、不思議でならなかった。手桶1杯分の水をかけ切って、再び意を決して足を踏み入れる。

うん、さっきよりも平気だ。足の冷たさが全身を伝っておでこまでじりじりするけれど、我慢できないこともない。でもこんな我慢、しなくていいならしたくない。ひざ下まで浸かって10秒ほどで出てしまいました。

露天風呂エリアに出て、デッキチェアに横になって目を閉じてみる。風がそよそよと気持ちいい。これが「ととのう」かあ、なんて思っていましたが、今思うとあれは「ととのう」ではなかったです。

ふうん、こんなもんか、ともぞもぞ起き出して、もう一度サウナへ。いろいろ調べて知識だけはなんとなくあったから、サウナは何セットか繰り返すもの、くらいは知っていたんですね。

2回目のサウナでもしっかり汗をかき、もう一度水風呂へ。足を水に浸してすぐに気が付きます。あれ、さっきよりも水に浸せる体の面積が明らかに増えている。

もしかしたらこれ、やったらやっただけ強くなれる、そういう世界なのかもしれない。前は絶対に無理だったことができるようになる。自分のことなのに、自分でも信じられないようなことができるようになる。そんな体験を気軽にさせてくれるのがサウナなのかも。面白そうだなと思いました。

それからは、銭湯や温泉を選ぶ基準に「サウナの有無」が増え、ちょっとずつ水風呂に浸かる深さを増やしてみたり、腕を浸したり、肩に水をかけたり。

旅行がてら富士山のふもとの温泉に行ったときのこと。お風呂やサウナの種類もたくさんあってすごく楽しかったのですが、一番印象に残っているのは、富士山の湧水を使った水風呂でした。

そのときもまだ肩までは浸かれなくて、立ったままひざ下まで浸していたのだけれど、本当にめちゃくちゃ気持ちよかった。足の芯まで冷たさが染み込んでくるのに、刺すような痛みがない。優しく包み込まれるような冷たさで、水の種類だけでこんなにも違うのかとびっくりしました。

そんなことを繰り返していき、1週間ほど前についに肩までしっかり浸かることができました!!!やった~~~!!よく「サウナの後に水風呂に入ると、水の衣に包まれたように冷たさを感じなくなる」と言いますが、それも「あれ、もしかしてこれかな?」と思う感覚を見つけました。デッキチェアでの外気浴もできて、完全にととのってきました。

熱い場所と冷たい場所を行ったり来たりする中で起きる、自分の体や心の変化と向き合う。それがきっと、サウナの魅力の1番本質的な部分なのだろうなと思っています。(そう考えるとサウナって、民藝的意味合いを持つインスタレーションだなあと思う。チームラボのサウナ行きたかったなあ。)

新たな目標 アクリルアヴァント

最近「アクリルアヴァント」なるものを知りました。そもそもアヴァントとは、湖に張った川や湖に穴をあけてそれを水風呂する、サウナの本場フィンランドで生まれたサウナ文化のこと。

日本で体験できる場所はまだ数えるほどしかありませんが、東京・池袋にあるサウナの名店「かるまる」でも体験できます。アヴァントをアクリル製の浴槽で再現した水風呂、「アクリルアヴァント」があるんです。

かるまるは、サウナ好きだったら知らない人はいないんじゃないかという有名店ですが、普段は男性専用施設として営業しています。ただ、月に1度はレディースデーが開かれていて、この日だけは女性も利用できます。

しかもかるまるのアクリルアヴァント、普通の水風呂ではやっちゃだめな、頭までざぶんと潜る、というのができるんです。うわあ、上には上がある。肩ができたら次は、頭の先まで冷やしてみたい。

かるまる、ほかにも気になる設備があって、薪ストーブで温める薪サウナとか、日本古来の薬草蒸しサウナとか。割と一般的なケロサウナや岩サウナも、木材や石材にこだわっていて、温まり方や香りや湿度など、いろいろな違いを体験してみたいです。

今年やりたいことの10個目は、かるまるのアクリルアヴァントで頭まで水風呂に浸かることです。

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